「B級に振りきれたならば」ゴジラ-1.0 tenさんの映画レビュー(感想・評価)
B級に振りきれたならば
うん。良いところもあった…よな。
出し惜しみせず早めに姿を現すゴジラ。
ゴジラが神のように描かれていない点。
ゴジラが現れた理由を説教臭く説明もしないところ。
得体の知れない悪として描かれているあたり(褒めている)。
飛んだり跳ねたりしない下半身しっかりめのビジュアル。
最後はちゃんと−1.0だったことちゃんと思い出させるところ(回復は早過ぎるが。オキシジェン・デストロイヤーじゃなきゃ死なないんだからやむなし)。
元艦長の田中さんのカリスマ性と若者役の山田さんの自分も行きたいって演技。
そう…良いシーンもあったはず…。
けれど…
何度もたまたま助かる神木隆之介。
銀座でたまたま浜辺美波に会えちゃう神木隆之介。
ゴジラの咥えた電車から落ちても生き延びちゃう浜辺美波。
最後はゴジラの細胞がうっかり影響して?生き延びちゃう進化版浜辺美波。
機雷撤去の人が大役を任されちゃうくだり。
実はなんか凄い博士な吉岡秀隆。(暇なのか?割と飲み会にも来てたけど。)
いや、まぁまぁ。
ハリウッド映画みたいなご都合主義もよし。映画だもん。
脱出装置に電報の相手。
先が読めちゃうのもまぁ…良い。謎解き映画じゃないもん。
が…やはり…。
ダメだ…。
安っぽいセリフと演技が山盛り過ぎて…。
気にしないふりをしてもそこが気になってしまう。萎える。集中を削がれる。
特に佐々木蔵之介と吉岡秀隆が目も当てられない…。激安設定に激安演技。彼らは役者として出るメリットあったのかな…?酷過ぎ。
いっそB級映画に振り切った脚本だったのならいざ知らず。
そうやって冷静にさせられると、見たくなかったダサいゴジラもひたすら気になってくる。
人ひとりをピンポイントで咥える器用なジュラシックパーク的ゴジラ。
の割に急に?何故か?一台の戦闘機に気を取られて?ボンベにまんまと囲まれちゃうおバカゴジラ。
視聴者にわかりやすく顔出して犬かき泳ぎするゴジラ。
超合金の変身みたいに背びれがシャキーンと順番に飛び出すゴジラ。
あぁ…ダサい。。
唯一、伊福部昭の音楽は無条件で最高。
高揚感。絶望感。
カッコ良すぎる。