「大衆なゴジラー1.0 VS オタクなシンゴジ」ゴジラ-1.0 緑烏龍茶売りさんの映画レビュー(感想・評価)
大衆なゴジラー1.0 VS オタクなシンゴジ
どうしてもシンゴジとの比較になってしまうのは仕方が無いかなと思いつつ、3連休明けの月曜昼間に見に行きました。年寄りばっかりでビックリです。
散々ハードルが上がった中で、山崎監督は自身の得意分野である昭和初期へ土俵を持って来たのが大正解でしたね。
シンゴジは良くも悪くも庵野監督の趣味性(オタク)が上手く爆発してました。彼も自分の土俵へ持って来たのが成功の要因の一つでした。ゴジラを天災としての対処の仕方が見事でしたが、ドラマ部分を犠牲にしてました。まるでAIが演じてるようで、俳優を上手く指導出来ない監督なのだろう。
で、ゴジラ ー1.0は山崎監督が完全にエンタメに舵を切って、どストライクの直球を投げて来ました。全体的な流れも見事で子供でも楽しめるゴジラ映画となっています。
ドラマもしっかり撮られており良かったですが、ただセリフがクドく説明のし過ぎなところが残念だった。
初山崎監督なので他の映画もセリフはくどいのでしょうか?
しかし設定(世界観)に関しては抜群でしたね。敗戦後、何かもが無くなった日本に圧倒的戦闘力のゴジラの出現に対して、武器も乏しく、大戦から残った兵器も使わせてもらえない絶対絶滅的な立場の国民。国からの援助がほぼ無いなか民間が力を合わせ、知恵を出して迎え撃つ様がとてもカッコよくてたまらなかった。
オタクのシンゴジVS大衆のヤマゴジの興行成績の行方は如何に。
個人的にはシンゴジを越えて、ヤマゴジは100億くらい行ってほしい、ゴジラ映画はオタクのものではなく、大衆のものなのだから。
【ココからネタバレ】
予告編でもありましたが、ゴジラの熱線を発射する前に尻尾の先のヒレが肩の方へ順番に突起する動きが機械的過ぎると思う。メカゴジラじゃ無いんだから。
あと最後の熱線放射と特攻のタイミングがズレていて緊張感が途切れてしまったのが残念かな。
だが、その戦闘機に震電を持って来るところに山崎監督の軍オタっぷりが嬉しくもある。本当にナイスな選択です。