「恐怖とやさしさ」ゴジラ-1.0 szmushiさんの映画レビュー(感想・評価)
恐怖とやさしさ
感情を大きく揺さぶられ、非常に満足度の高い映画だった。
初めは、恐怖感が強かった。ゴジラに対する恐ろしさ、人が簡単に死んでいく恐ろしさ、人が他人のことを思いやれない戦争の恐ろしさ。
戦争が終了してからは、敷島が典子・あきこと暮らすようになり、心が温まるシーンが挟まれた。また、戦後処理の仕事に付き、秋津・野田・水島と出会い、そこでも人間の温かさを感じられた。
やさしい雰囲気を感じられたと思った直後、ゴジラが銀座に現れ、恐怖に突き落とされる。
恐怖とやさしさの間で心が何度も揺さぶられた。
学者:野田健治役の吉岡秀隆さんがとても好きになった。
吉岡さんの醸し出す優しい雰囲気が、新生丸隊の雰囲気を明るくし、場面を明るくしていたように思う。全体的な印象は優しいのだが、ゴジラ討伐の作戦会議の時などには、芯に持った熱い心が見えて、野田健治という人物に非常に惹かれた。
<なぜゴジラは沈むのか>
海神作戦において、ゴジラの周りに気泡を発生させることで海底深くまで沈めるが、その原理が分からなかったので調べてみた。
物体を海水に浮かせるためには、浮力という上向きの力を発生させる必要がある。浮力は、物体が押しのけた海水の量に応じて発生する。
物体の周りに気泡を発生させると、押しのけた海水の量が減ることになり、物体はより深く沈まなければ浮くことができなくなる。
一度完全に沈んでしまえば、物体が押しのける海水の量は一定になるため、物体は沈み続けることになる。
従って、気泡を発生させ続ければ、物体は沈み続ける。
(参照:名古屋市科学館 ぶくぶくタンク)
また、空気の泡に覆われた鉄球が水に沈むと、水の抵抗が激減するという研究もある。
(参照:Gigazin 空気の泡に覆われた鉄球が...)
ゴジラを深海へ一気に沈められたのは、浮力が小さくなるとともに、抵抗が激減したからであると考えられる。