劇場公開日 2023年11月3日

「戦後のどさくさ」ゴジラ-1.0 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0戦後のどさくさ

2023年11月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年ももう11月となり、私の劇場鑑賞作品も本作で101本目となりました。いろんなものが値上げする中、映画観賞券も一般は基本2,000円ですから、当然劇場で観る作品は自分なりの基準で選別します。元々、特撮、特に怪獣映画はあまり好んで観るジャンルではないのですが、今作は「ゴジラ×山崎貴」となるとこれはお手並み拝見です。
で、感想は「今年劇場鑑賞した中で一番つまらなかった」と言うのが正直な思いです。高い評価も多いようなので申し訳ありません。個人的感想なのでご容赦ください。
まず、山崎監督作品のウリであるVFXや美術についてケチをつけるつもりはありません。ゴジラそのものの見た目は好みじゃありませんが、それも評価としては度外視します。ただ、脚本はこの上なく酷いですね。
まず、設定が雑。本作の主役は敷島(神木隆之介)という(元)特攻兵。一方「ゴジラ」という存在についてはほぼ取り下げられません。プロローグでの登場後、序盤のダイジェスト的に進む時間経過に挟み込まれる「1946年のアメリカによる核実験」をきっかけに巨大化する様子は解りますが、それ以外は「敷島のいるところにゴジラが現れる」としか説明がつかないほど、なぜそこで暴れているのかは解りません。そして、とんでもない被害をもたらされているのにもかかわらず、アメリカはソ連との睨み合いを理由に干渉せず、ましてや日本政府もダンマリで、ゴジラ退治は帰還兵が中心とはいえ全て民間に委ねられます。対抗するための兵器などもあっさり払い下げられ、戦後のどさくさな状況を、映画の設定自体に「どさくさ紛れ」で利用していたりと、いろいろ説明がつかないことが多すぎます。
そしてまた、展開についても意外性はありません。敷島のドラマに時間を割くことで、ゴジラの動きは説明通り。全くピンとこない住まいと銀座の距離感や、いつ(2回目の)上陸があるか判らない中での「人探し」などはちゃんと間に合います。
そして、終盤に準備された2つのサプライズも仕掛けが在り来たりですぐに読めてしまいます。これって「画面から消えただけ」だなと思ってしまうし、違ったのは「そっちのレバー」だった事くらいだったり。
だったらせめて絶体絶命な状況からの大逆転的なカタルシスくらいあってもいいと思うのですが、ずさんな「作戦」にもかかわらず、ゴジラさんも想定通りに動いてくれます。一応、プランAがダメならプランB、Cみたいな設定がありますが、全くハラハラするシーンもなく盛り上がりません。
いつもならそれでも「役者の演技はよかった」とフォローを入れがちですが、山崎さん演出の悪い癖なのか、主要な登場人物は漫画っぽいキャラクターばかりで、際立って良かったと思う方もおりません。決して役者のせいだとは思わないだけに、ひとしおに残念です。
と言うことで、皆さんの評価の高さに意外性を感じつつ、まぁ映画は「好み」ですから、私には合わなかったのだと割り切って、私からはこれ以上の点をつけようがありません。悪しからず。

TWDera
かせさんさんのコメント
2024年5月15日

山崎監督はドラマ以外にメリット見つけて見ないと辛い部分はあります。

かせさん
ねづさんのコメント
2023年11月7日

いろいろな見方もあるものだと呆気にとられております。
流石に101本も映画をご覧になられている方は、広く浅く物事を見ることが出来ると感心しております。

ねづ
t.aoさんのコメント
2023年11月5日

奇跡的偶然が継ぎから継ぎへと展開する薄っぺらな感動しろよ脚本に覚めてしまいました。こんな本がOKなら日本映画はペッラペッラ押し売り感動ストーリーが当たり前になっちゃうので駄目なのは駄目と言っていかなければならないですね。

t.ao