「映像の迫力による鑑賞性は120点。ストーリーは40点。」ゴジラ-1.0 Saijo Kanakoさんの映画レビュー(感想・評価)
映像の迫力による鑑賞性は120点。ストーリーは40点。
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まず、ハリウッド版含め、あそこまですごいゴジラの映像は初めて見たと思う。日本映画界がvfxを駆使してここまでのものを作れるようになっているとは。。本当に素晴らしい。役者さん達もとても良かった。
一方、話の内容については非常に沢山の疑念が残った。
最大の理由は、この映画が人間、あるいは日本国民を被害者目線でしか描いていない点にある。
初代ゴジラは人間の戦争行為、核実験によって恐ろしい姿に変えられ、その怨念が人間に返ってくるという意味で、そもそもゴジラを迎え撃つ人間側に被害者意識と同等レベルの大きな加害者意識が描かれている。その象徴として、ラストシーンでは芹沢博士が2度と同じ悲劇を起こしてはならないと、自らの命と共ににオキシジェンデストロイヤーの技術を封印する。どうしてもゴジラがかわいそうな存在にしか見えないのだ。
ところが今回のゴジラは、核実験の影響を受ける前から怒り狂い、はじめのモチベーションの源泉がよく分からない。
逆にラストで、’あなたの戦争は終わりましたか?’という問いに対し、主人公は頷くが、加害された側(ゴジラ)が聞いたらそれこそ怒り心頭だろう。
ましてや、今ウクライナやパレスチナで起きている惨状を目の当たりにして、加害された者たちからその記憶は永遠に消えないことは想像できなかったのだろうか。
戦争は一度起こしてしまったら二度と消すことができない憎しみを生むこと、それは被害者としても勿論だが、加害者としての意識も、初代ゴジラと同じように盛り込んで欲しかった。だからこそ戦争はしてはいけないのです、と。(勿論それ故にラストシーンの心臓には救われたので、それだけで1星分あげました)
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