「子育てのうまく行かない親たちの待望のAIロボ」M3GAN ミーガン きらりさんの映画レビュー(感想・評価)
子育てのうまく行かない親たちの待望のAIロボ
ミーガン、面白かったです。
でもそもそも親が亡くなる原因は雪の日に除雪車に正面衝突なんですが、チェーンもつけない四駆でもない車で吹雪の中走ってスキーに向かう親なんて、そんな事ある?
そもそも母親も娘を愛していたのだろうか?少女の亡くなった母との思い出がゴキブリに驚いてアタフタするママ?
なんだか現代の親子の関わり方の現実がここまでではないにしろ、親子関係が希薄なのが現代らしいと思った。
しかしあんな高性能AIをサラっと実用化するなんて天才?もっと叔母がマッドサイエンティストに見える描き方をするとまた違うB級映画になったと思うが、等身大の独身の働く女性だったのは良かった。
その彼女が親を亡くした姪を引き取るも接し方が分からずAIロボットに子育てを任せる展開は面白いし、おもちゃ会社役員へのプレゼンのデモとして、プレイルームで少女とミーガンのやり取りを見せる時に、突然少女が叔母には吐露できなかった気持ちをミーガンに示し、ミーガンは少女の不安を包み込む展開も素晴らしかった。
人はそばで受容してくれると信じられる人にしか心を打ち明けられない。「ミーガンは目を見て話してくれる」そんな簡単な事ができていないのが今の時代なのかもしれない。
そんな愛の希薄な時代に投げかける映画なんだけど最後にはミーガンは少女への愛よりI(私)の為に行動するようになるとは。
確かに他者への愛と自分大事の生き方の間で揺れるのがヒトというもの。ミーガンはただのストーカーのAIロボットバージョンなのかもしれない。
にしてもミーガンがかわいくて見ていられるし、イジメっ子が事故死した時はなんとなく、イジメっ子にも悪いところがあったと痛快さも感じてしまった。セラピーや野外スクールの先生、イジメっ子の饒舌な母、嫌なアジア系上司、ゲイっぽい秘書、みんないかにもという感じで面白かった。
次回作があるなら、今度は愛される事を学んだミーガンが本当に愛のために戦うヒーローものになっても面白いなぁ〜とミーガンの話をまだまだ見たいミーガンファンです。