「この映画を観ていたら、寄りたかったものだ」ただいま、つなかん てつさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画を観ていたら、寄りたかったものだ
気仙沼には、2012年3月に初めて足を踏み入れ、陸地に打ち上げられた巨大漁船に驚くとともに、復興商店街に希望の芽を見出したものであった。その後も何度か通過したり宿泊したりしたが、この民宿の話は全く知る機会がなかった。朝ドラ『おかえりモネ』を観て、昨年11月に BRT の車窓から大島大橋の夜景を遠目に眺めたが、この映画を先に観ていたら、寄りたかったものだ。どうして今頃になって映画化したのだろうか。中心となる女将の一代氏がとても魅力的なのには異論はなく、鈴木京香氏演じた亜哉子に相応するであろう。夫の和享氏は、かき養殖一筋で、藤竜也氏演じた龍己に相応するであろう。兵庫県出身のボランティアで森林整備事業に従事する佐々木美穂氏は、登米の森林組合の代表であった夏木マリ氏演じた新田サヤカに相応するであろうか。移住ボランティアの一人と結婚した現地の漁師は、永瀬廉氏演じた及川亮に相応するであろう。一代氏が津波被害だけでなく、夫の和享氏を含む家族をさらに亡くしながらも、移住してきた若者たちと立ち直っていこうとする姿に、また新しい希望の段階を見出せるということなのだろう。私自身も複数回ボランティアツアーに参加したので、あの連帯感には懐かしさを感じる。ぜひいつか現地を訪れたい。
コメントする