[窓]MADOのレビュー・感想・評価
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事実に基づくフィクション
長野市相生座にて、西村まさ彦さんの朗読劇と、舞台挨拶のある回を観映。
横浜・副流煙裁判の被告の子息である、麻王氏による脚本、監督作品。
私は、この裁判の事を何も知らずに、この映画を観ました。
原告となる父の姿を、西村まさ彦さんが怪演。
監督は家族が訴えられていたにもがかわらず、被告目線ではなく、原告の目線から描いていた。
家に帰り、横浜副流煙裁判についても、調べてみた。個人的には、被告目線も、もう少し描いて欲しい気がした。
私は、この映画を観ながら、コロナが流行り始めた頃の、異常な犯人探し的な社会風潮や、昨今の紅麹騒動の一連報道に感じたモヤッと感と似ているなあと思った。
誰かを悪者にしていく事で、生きる糧としている愚かさ。
自分は子供の頃からアレルギー体質でなのですが
「アレルギーって精神的なものでしょ」
と事ある毎に言われてきたので(今はだいぶアレルギーに対しての知識が世の中に浸透してきたが)、化学物質過敏症当事者の辛い気持ちも分かる。
でも、あらぬ疑いをかけられ、ある日突然裁判の被告になり、団地という狭コミュニティの中で、村八分になって行く原告の辛さも、田舎の狭いコミュニティの中での生きずらさを感じて生きている身としては、こちらのご家族の気持ちも分かり、こちらもしんどい。
映画の前に、西村まさ彦さんによる映画導入部の朗読劇があった事も、色々考えるきっかけになった。
多様性社会とは言うけれど、視野の狭い人達が増え、自分の考えと違う人は排除する風潮がある。
世の中で起きる事は、多角度から観るべきだと改めて思った映画だった。
たくさんの人に見てほしいと思う。
副流煙裁判 化学物質過敏症
「窓」MADO
大阪十三にある映画館「第七芸術劇場」にて鑑賞 2023年12月3日
「横浜・副流煙裁判」と、「化学物質過敏症」に関する一連の騒動
民事裁判だったが、(日本赤十字社医療センター医師・日本禁煙学会理事長)作田学理事長が作成した「診断書」がA娘を診察していなかったにもかかわらず、診断書を交付していたことが判明。明らかな医師法20条違反に該当、話題になった(日刊ゲンダイDIGITAL記事 2020/02/29)のちに詐欺罪および虚偽公文書行使罪で刑事告発。あってはならない大事件だったと記憶されておられるでしょう。
映画内ではなぜか扱われていません。
舞台挨拶が上映前後、2回というのは異例。
1回目の上映前の舞台挨拶では、映画監督麻王氏が登場し、この映画は「実際にあったこと」を扱っていること、麻王氏はAさん夫妻の息子(子息)であると述べた。
舞台背景は横浜にある集合住宅(団地)
A家 団地の2階の部屋に住んでいる
A夫 年金生活者 受動喫煙症レベルⅢ
A妻 専業主婦、化学物質過敏症、受動喫煙症レベルレベルⅣ
A娘 外出が困難な生活 化学物質過敏症、受動喫煙症レベルⅣ
B家 A家と隣接する棟の1階に住んでいる
A家が原因と主張するB夫の防音室からA家ベランダまで横幅で8.2メートルの距離がある。なお映画では、江井家宅に対し備井家宅を純粋な階下として描いている
B夫 ミュージシャン 自宅防音室で一日約1~2本喫煙
B妻 英語教師 ふだんは自宅で教えている
B娘 ゲームイラストレーター 自宅にいることが多い
化学物質過敏症は、平成21年厚労省により病名登録がなされたが、現在に至るまで病気の解明はなされていない。国内70万人いるとされている
最後のシーンでは、化学物質過敏症の深刻な状態であった原告側のA娘が、被告側のB家内で食事をしている。共同生活を送っている様子。
おおらく裁判は事実無根であったことを双方が理解し合った結果であろう。
B夫は不遇なA娘を、同居生活することを提案したのでしょう。
A娘の表情は穏やかで、食欲も旺盛であることから、
環境の変化によって、化学物質過敏症の症状は軽減したのではないか。
舞台挨拶2回目。大阪府堺市所在の女性医師が登場。
化学物質過敏症の経験があり、現在は化学物質過敏症の専門医というお方。
話はどんどん出てきて興味深い。まさに大阪の「オバハン」という感じで親しみやすい。
映画館は幕を閉じたが、観客席からとある女性が立ち上がり、舞台にいる女性医師のもとへ。
おそらく彼女は、この医師によって、化学物質過敏症を克服した方なんだろう、と感じた。
#30 意外と面白い
自主制作映画とのことで出演者とかミニマムなんだけど、ある意味スピルバーグの『激突』みたいに面白い。
主観がどれだけ恐ろしいかを作品の中に詰め込んでいて、主人公のA宅は主観のみでB宅をどんどん憎むようになっていく。
それは単なる主観なのに、B宅はそこまで恨まれる筋合いはないのに悪者にされてしまう。
ストーカー事件をはじめ、ほとんどの犯罪は主観がキッカケで起きているんじゃないかと改めて気づかされる秀作。
とっても不思議な映画
化学物質過敏症で実際に起きた事を題材に映画化。
ドキュメンタリーでもモキュメンタリーでもなく
物語として時は進むのだが、
真っ直ぐ描いてる様に見せて
気持ち良く裏切ってきたり
フューチャーさせる人の替わり方も
独特な演出の空気に包まれる。
それを推すのが撮影部で綺麗な色彩だったり
やばいくらいスロートランスの音楽だったり。
そしてラストは「え?うそ!?」
テーマの描き方が変わってるだけに
賛否分かれそうだが
メッセージ性の強い作品だ。
横浜・副流煙裁判の被告側のプロパガンダ映画
映画中の原告側が喫煙していたという「衝撃の事実」を挿入(実際の裁判にはない)。
実際の被告一家の子であるこの映画の監督は、この映画を作ることによって、親の敵を討ったということか。
タバコ嫌いには共感できる面もある
西村まさ彦主演、実話を下敷きにした映画。
団地を舞台に隣人のタバコの煙に悩む化学物質過敏症の娘を持つ、年金暮らしの老夫婦の姿を軸に物語が進む。
「禁煙・嫌煙」ファシズムが原作になっているようで、最後まで見ると、なるほど…と思わせる展開になる。
タバコ嫌いの立場からいえば、主人公の家庭の屈折した描き方への共感が結末に向かって変化していったが、その描き方はなかなか手慣れた感じで、面白い。
低予算ながら、西村やMEGUMI、モロ師岡といった有名俳優も起用してがんばって作っている点を、努力賞的に評価し、★4つ。
鑑賞したのが水曜日で割引デーだったせいか、昼間の映画館にそこそこ客が入っていた。もうちょっと話題になってもいい作品だと思う。
テーマは重めに感じつつも、画角や画のテイスト、音楽がまーおしゃれで...
テーマは重めに感じつつも、画角や画のテイスト、音楽がまーおしゃれで非常にオリジナリティを感じる作品だった。
実はお父さんがベビースモーカーだったというところと、加害者だった家族が実は被害者という見せ方がもう少し工夫があると、もっと楽しめたのかなとは正直思った。
思い込みか洗脳か
横浜副流煙裁判に至る出来事を、主に被害を訴えた側の家族=江井家の夫視点でみせていく話。
煙草の煙のせいで体調を崩して苦しむ娘を守る為、団地の同棟に住む唯一の喫煙者がいる備井家と対話するところから始まり、出来事を書き記して行く主人公だけど…娘も嫁も含め、思い込みが激しいし、情報に踊らされ易い人たちなんですかね。
そのリアクションはチャーチルスタイルのマティーニみたいなもので最早コメディですねw
実際に提訴された家庭=備井家の息子が監督、脚本とのことで、江井家の中のことはフィクションも多いのだろうし、内容ににしても結構気を遣っている感じではあるけれど。
自分はこの裁判と結論は知っていてたのだけれど、知らないで観たらかなり印象は違うのだろうね。あ、あとファシストの人も。
特に裁判で争うところをみせる訳でもないし、結果を先に示して、フリはあったけれどその理由は後でまとめて独り言で語らせるし、反訴のことも触れないし、上げて落としてもないから、映画としてはもの足りなかった。
もっとふざけちゃえば良いのに。
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