劇場公開日 2023年3月17日

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「たかが漫画家されど漫画家」零落 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0たかが漫画家されど漫画家

2023年4月11日
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鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

知的

2023年映画館鑑賞17作品目
4月9日(日)フォーラム仙台
スタンプ会員1500円
原作未読
原作は『ソラニン』『うみべの女の子』の浅野いにお
監督は『無能の人』『119』『東京日和』『山形スクリーム』『ゾッキ』の竹中直人
脚本は『十二人の死にたい子どもたち』『ゾッキ』『アイ・アム まきもと』の倉持裕

長い連載が終了し次回作に苦しむ漫画家の話
編集者として忙しい妻に八つ当たりするわ元アシスタントと度々口論するわ贔屓のデリヘル嬢と一緒に彼女の地元に行くわ
でもなんやかんや時間はかかったが初心に帰り新作連載がスタートしそれはまた好評でパワハラ漫画家深澤薫は復活する

竹中直人監督作品とは知らずに観た
事前情報ほとんど無し
本人は出ていない

平凡な男性諸君には残念なお知らせ
この日は三本観たがいずれも性風俗絡みでしかも背中程度で乳首お尻ヘア無し
日活ロマンポルノとかじゃないわけだしスマホでいくらでもエグいのが観れる時代だから逆にいいかもしれない
女性俳優の腕の見せ所といえる

主人公が典型的な孤高のクリエイターで性格はかなり悪い
風俗嬢には宇宙飛行士と自称する
漫画原理主義だが漫画や漫画家という職業をディスり自分のサインには価値がないと宣う
妻よりも猫の心配をするクズである
まっ僕は猫好きだしわからなくはないが
猫目の女性には緊張するらしいがピンとはこなかった
クズだけど風俗嬢をチェンジしない点は好感が持てたがそういうシステムなのかもしれない

なんとなくだが深澤薫を見てたら久米田康治をイメージしたが久米田のサイン会であれだけの人が並ぶほどカリスマ性はないし女の子に生きる希望を与えるようなタイプではないのでいろいろと違った

趣里は風俗嬢の役だが髪型のせいかだいぶ雰囲気が変わったような気がする
ちなみに背中程度で本格的なヌードはない
ヌードになった作品に必然性はあまり感じられなかったが
それでもエロティシズムは表現できてるから良いだろう
新連載がスタートした深澤薫と通りすがりで再会し振り向く顔つきにもエロを感じた
上野駅から2人で田舎に行く件も好き
この作品のロケ地は主に横浜だがちふゆの地元も撮影場所は横浜だろうか
横浜にも田舎は存在するのかな
横浜も黒船が来る前は田舎だったらしいし
車のナンバーが透野になっていた気がするが実際は存在しない

髪の毛をピンクとか青とか奇抜な色に染めるとブサイクはブサイクが際立つがすぐにそれに慣れてきてトリビアの頃からそうだったかもしれないとさえ思えてしまう
MEGUMIはプロデューサーの一人としても名を連ねている
小池栄子の妹分としてグラビアデビューし生頭にタライが落ち「いでーよー」と本気で痛がりつつもバラエティーで活躍していた彼女も映画人として随分出世したものだ

山下リオが演じた冨田奈央はキャラが立っていた
彼女の当たり役といっても過言ではない

玉城ティナは最初の方と最後の方に登場
キャミソール姿で寝そべっているとき乳首が透けているように見えたがフェイクかもしれないしとても些細なことだ
この作品には全く関係ないが『キン肉マン』で千葉真一の息子にタメ口でハーフならではのノリかなと少々タジタジだったが玉城の方が年上だった

風俗嬢のゆんぼ役の信江勇の凄まじい腹が求肥大福のようで美味しそう
彼女はモビルスーツに例えるとゴッグだが腹の特徴からゾック的要素も感じた
デブ専にはたまらない逸材かもしれない

売れない漫画家が編集者に怒鳴られているシーンは可哀想だった

エンドロールのあとにちょこっとおまけあり

深澤薫が具体的にどんな漫画を描いているのか詳しい内容はわからずじまい
その点では主人公は漫画家でなく芥川賞直木賞をダブル受賞した新人作家が主人公だが『響 -HIBIKI-』に共通している
それは別に重要なことだとは感じなかった
観る側がそれぞれ勝手に作者像から想像すればいいだけであっていちいち事細かに説明するのは野暮である
レビュアーでお怒りの方はわからなくもないが映画監督は映画監督であり売れっ子漫画家ではないのでそこのところはご容赦願いたい

配役
根暗で毒舌な漫画家の深澤薫に斎藤工
深澤薫が熱を上げた風俗嬢のちふゆ(LINE名はユイ)に趣里
深澤薫の妻でのちに離婚する編集者の町田のぞみにMEGUMI
深澤薫が学生時代に付き合っていた猫顔の少女に玉城ティナ
編集者の町田のぞみが担当する売れっ子漫画家の牧浦かりんに安達祐実
深澤薫の元アシスタントで自身の漫画の連載が始まる冨田奈央に山下リオ
深澤の元アシスタントの近藤に土佐和成
深澤薫の編集担当者の徳丸に永積崇
肥満で小柄な風俗嬢のゆんぼに信江勇
なんかちょっと残念な風俗嬢のまりめっこに佐々木史帆
離婚の相談を受けた深澤薫の友人で妻子持ちの山石に吉沢悠
深澤山石平野とともに結婚式の二次会に同席していた加賀に菅原永二
深澤山石加賀と共に結婚式の二次会に同席していた平野に黒田大輔
深澤薫にインタビューしていたフリーライターの志磨遼平
フリーライターのインタビューに同席していた編集者の塚田に安井順平
深澤薫の大ファンでLINEで度々応援しているサイン会にも並んでいたアカリに宮崎香蓮

野川新栄