「あっさり味」クリード 過去の逆襲 Pocarisさんの映画レビュー(感想・評価)
あっさり味
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「ロッキー」シリーズも「クリード」シリーズも大好きなんですが、今作は評価が難しい……
ストーリーとしては、「クリード」一作目と対になっています。
アドニスを施設から連れ出したアポロの妻(クリードの実の母ではない)が余命いくばくもなく、アドニス自身もすでに引退しているところへ、その施設時代の友人がやってくる。
つまり、もし養母が引き取りに来なかったらアドニスもこういう人生を歩んでいたかもしれないという鏡像のような相手であるデイミアン(デイム)。
今作は、まさに「クリード」が描き残してきたアドニスの幼少時代の過去(生い立ち)と闘う話です。
そうした、ストーリーの大枠自体は悪くないと思いました。
しかし、脚本がかなり荒いのはやはり気になりました。
過去が急速に追ってくるということなんでしょうけど、デイムが一気にチャンプになってしまう展開は違和感があるし、養母の死の意味づけもいまいち弱いと感じました。
試合の勝利への展開もロジックが十分でないし、あっさりしすぎでしょう。
「ロッキー」シリーズは大げさな音楽とどん底から這い上がるような過酷な鍛錬の末の勝利が持ち味だと思うんですが、今回はどちらもこれまたあっさり風味でしたね。
あと、残念なのは、娘ちゃんの間違った暴力性が制御された力へと脱皮する展開を絡ませるという手もあったと思うんですが、そこはあまり深掘りされませんでしたね。
ただし、マイケル・B・ジョーダンの肉体の説得力は今作も十分にありました。そういうところは彼のファンです。
あとおまけのアニメはちょっと続きが見たいですね。
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