「趣旨的に大人の事情と思われる点もちらほら…。」クリード 過去の逆襲 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
趣旨的に大人の事情と思われる点もちらほら…。
今年172本目(合計823本目/今月(2023年5月度)29本目)。
この手の映画自体は好きですが、このシリーズの前作などは見ていないほうです。ただ、ボクシングにせよ野球にせよ、スポーツを通じて人が成長するタイプの映画というのは好きです。
私は過去作を見ていないので、「肝心の人が出てきていない」といった批判はできず淡々と映画の作品のみを見ました。その範囲ではややわかりにくい点はあるとしても、どうも「本流から分かれた分岐スピンオフ作品の一類型」であるようで、自己紹介パートもあるので、「原作からのファン以外お断り」になっていない点は救いです。
個人的には「弱者が(ボクシング等、本来的に殴ってよいところ以外で)暴力を振り回す行為」についての問題提起が若干含まれている(この映画に出てくる主人公の子の「意思疎通手段」や、この子の起こしたトラブルについても注意)かなという印象です。
個々個別にそういう部分を見ると、過去作品を知らなくてもわかって楽しめるという点は明確にあげられますが、2023年ともなるといろいろな「大人の事情」によるいろいろな権利関係があるのか、妙に変に感じたりする部分も一応あります。
とはいえ、原作・スピンオフ作品ありの映画とはいえ、単品で見て楽しめる映画になっている(他のシリーズの理解を前提にしていない)という点では対抗以上に推せるかなという印象です。
採点に関しては下記を考慮して4.6を4.5まで切り下げたものです。
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(減点0.3/ラストマッチに出てくるDAZNが異様に多く出てくる)
・ おそらく映画のパートナーというか広告主というか出資者というか、そこに入っていたからだと思うのですが、「ほとんど意味もなく」DAZNを数秒間見せるような描写の仕方もあって、「広い意味での広告挿入型なのかな」というイメージは受けました。ただ、何を広告主にするとしても、何ら関係のない会社や企業がスポンサーをしてその広告をしてそれを見せられても視聴者はさらに混乱するので、ここでDAZNが出たのは一応理解はできますが、「妙なまでに」DAZNの「宣伝枠」(正直、後半はDAZNの宣伝枠とさえ思えるところさえある)と「消極的に」言われても仕方がないのでは…というところです(「出すな」というのではなく、どこでもかしこでも出るので、DAZNのご意向なのか??と思えるようなところさえある)。
(減点0.1/謎のマンガ風のおまけシーン)
・ この映画は最初に「最後におまけがあるので最後までみてね」とでますが、そのおまけというのがかなりぶっ飛んでいて(ネタバレ回避)、そもそもいきなりアニメになったりします(5~8分くらいあったかな?)。しかも本作品の「さらなるスピンオフ」となっていて、「スピンオフのスピンオフを作っていますよ」(現在鋭意製作中、みたいな感じ)か、「こんな非現実的なことはおこりえないので、このシリーズはこれで終わりですよ」という2種類の解釈ができてしまう点は残念に思いました(ただ公式としてはどちらに転んでも「いや、あの解釈はこうなんです」と言い張ることで続きを淡々と狙っている、というようにとることはできるし、そこをどうこういうのは難しい)。
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