「過去を撃ち抜け 未来のために」クリード 過去の逆襲 ますぞーさんの映画レビュー(感想・評価)
過去を撃ち抜け 未来のために
マイケル・B・ジョーダン
1987年カリフォルニア州生まれ
幼少期よりキッズモデルで活躍し
徐々に俳優業に進み25歳くらいまでは
TVドラマに出演
(この時点でボクサー役も経験)
2013年「フルートベール駅で」
で主役を演じ高評価を得
同じ製作陣で撮られた
2015年「クリード」で
ノースタントでファイトシーンを
演じ評価を確実のものとした
今最も活躍を期待される俳優である
自分はジェイミー・フォックスと
共演した「黒い司法」での演技が印象的で
セリフより表情で演技が出来る
素晴らしい俳優だと思いました
同じくらい卓越した演技力の
高橋一生の映画と同時公開で
迷いましたがこっちにしました(笑)
IMAXレーザーで観賞
でどうだったかというと
これまで父の宿命が中心だった
ストーリーから自分の過去の話
となった事を
ジョーダン自らが監督となって
アドニスを描写すること
しっかり出来ていたと思います
自分にしかできないという
強い気持ちがスクリーンから
飛び出してきました
ストーリーはシンプルですが
それが逆に良かった
IMAXシーンがまた良かったです
フィラデルフィラから故郷
ロサンゼルスに移り
栄光を手にし
劇的な引退試合を遂げ
プロデューサーとして
成功する妻ビアンカ
娘アマーラに囲まれ
次なるチャンプを育てる
日々を送るアドニスの
前にある「男」が現れます
その男は
デイミアン・アンダーソン
かつて孤児院時代に
兄弟のように一緒におり
拳ででっかいダイヤを
掴みとってやるという
野望と才能に溢れた
デイミアン
"ダイヤモンド"
アンダーソン
しかしデイムは18年
刑務所暮らし
出所した足でアドニスの
元を訪ねてきたのです
アドニスはデイムと
わかると食事に誘い
その後の世話を申し出
ボクシングをやりたいと
言うのでアドニスはジムの
提供を申し出ます
ロートルだろうという見方の
周囲をよそにアドニスは
デイムの面倒を見ようとし
現ヘビー級王者チャベスの
スパーリング相手にすると
あまりに粗っぽく大顰蹙
しかしアドニスは
デイムをかばい続けます
なぜここまで?
しかしデイムはやがて
チャンプとタイトルマッチを
させてくれと言い出します
アドニスもそれは無理だと
止めますがチャベスの
対戦相手が丁度不祥事を起こして
対戦が難しくなりスケジュールを
変えられないとアドニスは
デイムにチャンスを与えます
かつてアポロがロッキーを
咬ませ犬で指名したかのような
条件で・・
そしてタイトルマッチ
無名のデイムは当然誰も知らず
チャベスファンしかいない会場
しかしデイムはストリートと
ムショ仕込みのダーティープレーで
チャベスを完膚なまでに叩きのめし
ベルトを奪ってしまいます
そのスタイルが許せなかった
アドニスはデイムのもとへ
行きますがそこでデイムは
お前の地位・家庭・作り上げたもの
全てを壊してやると言い放ち
アドニスを殴りつけます
でもアドニスは殴り返しもせず
黙って背を向け去ります
なぜ?
忘れ去りたい過去
孤児院で虐待を受けていたレオン
という男をアドニスがぶちのめし
仲間が反撃に出てきたところで
銃を抜いたデイムは逮捕され
服役することになりましたが
アドニスはその場を逃げ出して
いたのでした
また母メアリーはデイムの
ムショからの手紙を
アドニスに伏せており
デイムの口からそれを知り
状態の悪い母を感情のあまり
詰ってしまいます
アドニスの過去を受け入れたい
ビアンカとも関係が悪くなって
しまいます
チャベスが重傷を負い
デュークとも関係が悪化
そしてそんなどん底の時
母がついに亡くなり
深い悲しみの中でアドニスは
ビアンカにすべてを話し
この絶望から立ち上がるために
デイムからベルトを取り返す
決意を固め特訓を開始します
そしてかつてあっちの
WBCの決勝の場でもあった
ドジャースタジアムでのタイトルマッチ
もう引退して3年
体のあちこちもボロボロだと
アドニスの下馬評は決して高くなく
デイム優勢の様相でしたが
特訓で弱点を克服したアドニスは
徐々に形勢を逆転
あの時逃げた自分の幻影に怯えながら
生きてきた過去を纏ったデイムごと
殴り飛ばし見事ベルトを奪回します
試合後デイムはまるで憑き物が
とれたかのようになり
アドニスは逃げたことを謝罪
あのいきさつはお互いまだ若く
ガキだっただけだとデイム
和解することが出来ました
観衆の声援もセコンドの声も
聞こえない二人の世界
二人にとって拳で語り合うことで
18年が浄化される描写は
素晴らしかったです
デイムにストマックをぶち抜かれ
思わずうずくまるシーンは
みんな殴られた気分になる臨場感
すごかったです
IMAXがおすすめです!
誰にでも忘れたい過去はある
でもそれを拭い去って先へ進まないと
生きていけない
いつまでも有名人の過去のネタを
面白がるネット界隈
お互い様なんだからもう少し
他のことで話題にしてあげなよと
思ってしまうところですね