「求)隠居生活」ハロウィン THE END ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
求)隠居生活
前作はとにかくスラッシャーなタイプのホラー映画でしたが、果たして今作はどうなるのか…?土曜日に観たのもあって座席は満席。後ろや隣がジャンプスケアのたびに驚いては揺れるので擬似4DXを楽しむ事ができました笑
前作の続きですが、リブート1作目2作目の流れをサクッと説明してくれるので初見でも一応問題はないと思います。
今作はポッと出の新キャラのコーリー君がメインに、マイケルは途中までは出番なく、途中から添えるように出てきて、終盤でようやく乗っ取っていく感じのスタイルになります。
正直、マイケルが出てこない中盤まではかなり退屈でした。コーリー君が事故で落としてしまい死んでしまった子供の事について責められ、生贄要員のガキンチョに絡まれ、手にガラスが刺さり、そこでローリーに保護されるという感じの流れで、あっと驚くこともないくらいダラダラっとしたドラマが続きます。死の香りがしないホラーはどうにもドラマが優先されてしまうせいか、そうじゃない感がずっと漂っていました。ちょいちょいあるジャンプスケアも見え見えなのでなんとも…。
アリソンとコーリーの恋愛模様も取って付けたようなものにしか見えなかったのも残念です。
中盤を過ぎた辺りでマイケルが身を潜めている場所にコーリー君が迷い込んで、マイケルさん折角のゆったりした生活を速攻で奪われ、人殺しの世界へと再び誘われるというなんとも可哀想な展開になっていきました。
ブギーマンになりたいホームレスおじさん、覚醒前のコーリー君に殺されるならブギーマンにはなれないですよ。新3部作の無印とKILLSを見直してからもう一回コーリー君に挑んでみてください。善戦できるかも。
そんなマイケルとコーリー君、まさかのタッグで殺戮を始めていくんですが、基本的にはコーリーの私怨、アリソンの悩みの種がメインで、殺しの数は全然多くないです。マイケルはそこまで乗り気じゃなさそうだったので、無理矢理連れてこられたんだろうなと思うと、なんだか同情をせざるを得ませんでした。
まずはアリソンの勤め先の上司と偉そうな同僚がイチャイチャする現場に乗り込んで、マスクを被ったコーリー君が先陣を切って雑に上司をぶっ殺し、怯えてる同僚の元にゆったり現れ、同僚をゆっくり殺すという、ナイスコンビネーション。
クソガキ共(1人は止めようよと言っていましたが、見てただけだったので同類、という判断だったんでしょうか)は、コーリー君の職場で見事に惨殺。
ギッタギタに轢き殺しに踏み潰しにと中々のオンパレード。こういうのをもう少し早く観たかったなとは思いつつも、リーダー格が本当にクソ野郎だったので、やっとスッキリしました。父親も事故で死亡。ご臨終。
誤って殺してしまった子供の親も見事にぶっ殺しますし、こればかりは完全に私怨でした。南無阿弥陀仏。
マイケルもブギーマンを批判しまくってたラジオを聴いていたので、そのDJとついでに受付をサクッと殺します。DJの殺し方は中々エグかったです。舌唇切り裂くとか全盛期ですやん。
そして最終戦はローリーの元へ。ローリーVSコーリーのバトルが始まるかと思いきや、早い段階でマスクが取られ、決意を胸にコーリー君は自殺、そして入れ替わるようにマイケルが最後の戦いへと挑みます。なんだかマイケルが挑戦者のように思えて少し胸熱でした。
キッチンでのバトル、刃物やら食器やら武器がたくさんあるので、ローリーもマイケルも共に年老いていながらも、キレのある動きを見せてくれました。最終的にはローリーの粘り勝ち。キッチンに張り付けて、マスクを剥がして、トドメを刺す。最後は人間の姿で終わってしまったマイケル。少しだけ寂しかったです。
そこで終わるのかと思いきや、この惨劇を繰り返さないためにマイケルの遺体をクラッシュするという、そこまでせんでも…とは思いつつも、この判断は物語の終わりの宣言だと思いました。人間のエゴも中々に恐ろしいものです。
過激な描写は抑えて、ハロウィン新3部作の幕をかなり綺麗に閉じれたとは思います。インパクト不足ではありますが、変に締められるよりかは、それなりの形でも終わってくれてよかったです。
作中に桜が見たいねというセリフがあるんですが、じゃあ何故日本は桜が結構散ったこの時期に公開したのだろうか…。せめて3月に公開しとけばまだ時期のズレも納得できたのに…。なんだか惜しかったです。
鑑賞日 4/15
鑑賞時間 13:50〜15:55
座席 B-21