「最大の謎はなぜPG12なのか…。」シング・フォー・ミー、ライル yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
最大の謎はなぜPG12なのか…。
今年97本目(合計748本目/今月(2023年3月度)32本目)。
この手の海外のアニメ作品は「大人の事情」から吹き替え版を「事実上」強制されることが多いものですが、「なぜか」半々程度で上映されていました。なので字幕版で見ています。
もともと原作作品としての絵本があるので、それを大きく超えることはできません。とはいえ、設定としては少しわかりにくいもののわかりやすい筋で、何を言わんとすることかということは明確なので(動物との友情は成立するかetc)、その点は困らないところです。
私は字幕版で見ましたが、字幕版で見た場合、「やや」翻訳不足かなと思える点(特に、お店の看板など。中華街も出るが、これらの訳がないのは、日本における上映では漢字文化圏という事情からある程度の類推ができることによる)はありますが、理解の妨げになるものではありません。
アニメ作品といえば、数か月ほど前だったか(2022年)、いわゆる「ポリコレワールド」じゃないのかとか何とかここでさんざん言われた作品もありました。本作も「一定程度の配慮」はありますが、それが全面に押し出されることはなく、ここは好印象だったかな、というところです。
一方で本映画は24日からの週では「子供連れで家族で見に行く映画」としては筆頭にあがると思うのですが、なぜかPG12。特に何か違法行為を助長するような描写もなかったと思うし、何がひっかかったのかはかなり謎です(正直なぜなの?)。
私は字幕版でみましたが、日本語吹き替え版でも特に問題はないかなと思います。この点の映画は特に「大人の事情」があり吹き替え版が多いものですが(本作品は半々程度になっています)、字幕版でも吹き替え版でもあまり差はないかなと思うところです。
子供の方はもちろん、大人の方がみても「見た後の感想、見た後の満足度」は高いかなと思える点では好印象の一作です。
採点に関しては下記を考慮して、4.7を4.5まで切り下げています。
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(減点0.3/ラストの裁判所に関する描写の説明不足)
・ ラストあたりに裁判所が登場しますが(ネタバレ回避)、この部分の描写が少なく、一審制(不満があろうが何であろうが、その裁判「だけ」で決まるということ)が想定されているような展開になっています。また、「再審を請求する」は一応趣旨としてはわかりますが、日本で上映する以上、「即時抗告する」があくまでも正しいように思えます。
また、なぜかしら「条例がどうこう」ということがこの作品では突如登場する割に、(日本での視聴を前提にするにあたっては)条例の上に法律、法律の上に憲法があるので、条例よりも上位法に位置する法律に関する描写(法律が上位に来る以上、法律と矛盾抵触するような条例は効力を持ちません)がないのは、「日本の基準」ではやや混乱します(かつ、映画内の展開を優先させたため、裁判の進行も変だったりします)
※ かつ、この作品の主な視聴者層であるお子さんを想定すると、「法律」ではなく、なぜ「条例」といったなじみの低いものを持ってきたのかがよくわからなかったりします。
この点は「普通には」「減点なし/参考」の扱いですが、アニメ作品でもあり、今週では家族連れで見に行くことが想定できるのに(でもなぜかPG12なのも謎)、この部分はやや「字幕上の」配慮を欠いているように思えました。
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※ そういえば、字幕版でみると、「おしまい」に相当する部分が The End となり、このままエンディングロールに突入しますが、日本語吹き替え版では「おしまい」や「おわり」になっていたりするんでしょうか?