「色彩はアレンジしちゃダメなんです!」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
色彩はアレンジしちゃダメなんです!
誰もが知ってる任天堂『スーパーマリオブラザーズ』
あのゲームを3DCGでアニメ映画化した作品。
【ストーリー】
ニューヨーク市ブルックリン地区で、自分たちの配管工事店「ザ・スーパーマリオブラザーズ」をひらいたマリオ&ルイージ兄弟。
テレビCMを打ち、華々しくはじめたものの、初めての注文にもうまく工事できず、以前の勤め先の上司や親族からバカにされてしまう。
しかし区画全体が謎の配管事故にみまわれ、二人はここぞとばかりに町へと飛びだす。
事故の原因を探ると、地下でつながった別世界に飛ばされてしまう。
そこは原色の色彩で彩られた、かわいい(自称)キノピオたちのキノコ王国。
だが乱暴者のクッパがノコノコたちを引きつれてペンギン国を滅ぼし、世界を支配して美しきピーチ姫を妻にすべくその支配の手を伸ばしてきた。
マリオはピーチ姫とキノピオたちの国を救い、行方不明になってしまった弟のルイージを探すべく立ちあがる。
デデッデッデレッデッ☆…プルルッ!…デデッデデレッデレッ♪
最初のクリボーにやられてるじゃんこのへたっぴ!
ぼくにコントローラーわたせよう!
……さて、ゲームの映像化で、絶対にやってはいけない事があります。
アートワーク、それも色彩の変更です。
もちろんデザインや音楽の変更もダメですが、何よりも色!色調!
ファミコン時代の『スーパーマリオ』、大ヒットしていた当時の色彩は、それはそれはポップでイケてました。
その後のシリーズでもそこは守られて、どれだけ高性能な機種で細部を作り込んでも、マリオは赤でルイージは緑、ピーチ姫はピンクでドンキーコングは茶色!
シリーズが長く続きすぎて彼らのカラーそのものがニンテンドーのアイコンにまでなりました。
あのゲームのファンなら、自分の主張が分かっていただけると思います。
あのね、ゲームそのままを映画で見たいんです。
なんならストーリーなんかなくてもいい、ゲームもやらないような不遜で愛のない大人たちが儲けのためにいじくり回した茶色い色調の実写映画見させられるくらいなら、いっそ上手いプレイ動画を見たかった……そこまで言い切ってもいいほど、ファンはあのポップな色彩と世界観に魅了されつづけてきたのです。
色彩色調さえ守れば、優れたデザインと音楽があるのですから、ストーリーはおのずと画面に寄り添います。
むろん調整や細部の刈り込みは必要なんですが、全体の方向性がまとまっていれば他の要素は自然と取捨選択されてしまうもの。
原作をリスペクトするというのはそういうことなんです。
というわけで、スーパーマリオブラザーズ、二度目の映画化。
「わかってるスタッフ」たちによる、「わかってる映像化」がここに成功しました。
ばんざい!
ありがとう!