「コンテンツの性質上、コレ以外にやりようがない」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)
コンテンツの性質上、コレ以外にやりようがない
マリオは日本発祥の世界中で親しまれているゲームコンテンツ、ゆえに世界中の人々が楽しめる様に制作された訳です。従って自分の様な二次元ヲタが、ドメスティックな作品と同じ『質感』をこの作品に求めるのは野暮だし酷だし無理です。ソレは重々解っていたつもりですが、今ナゼか劇場アニメが閑散としてて次の期待作が5月のPSYCHO-PASSくらいしかなかったため、この大型連休を持て余して鑑賞したと言う経緯です。
自分は世代でしたので実際のゲームはプレイした事ありますが、やり込む程のめり込んではいません。ただその後の派生ゲームや近年いろんな形で展開しているソレについては全く知らないため、内容に付いていけるか疑問でしたがソレは杞憂でした。
あの独特な空間世界をシッカリと再現し、ゲームシステムをシナリオに丁寧に盛り込んでいて、マリオカートやドンキーコングなども含め、まさしくスーパーマリオブラザースのゲーム世界のビジュアルでした。
とは言うものの鑑賞して個人的には驚きも感嘆する要素も殆どなかったのが実際で、プロットもシナリオも『無難』という以外の言葉がない内容でした。
ただ冒頭に記したとおり世界中のマリオファンを楽しませなければならず、そういう意味でも他にやりようがなかったのかも知れません。またコレと言ってメッセージ性はありませんでしたし、内容もシンプル過ぎて展開が透けてしまってます。
他にマイナスと言えば、これだけCGの表現技術が進化しても尚、キャラの目肌がプラスチック樹脂の質感なのは毎度頂けません。ヒゲや服の質感は出せてるのに肌のソレが出来ない筈ないかと(しかも濡れないw)。
アクションがハイテンションで早すぎ、またそのシーンがカオスで個別の描写があまり見えない、なのにスライディングでかわすトコだけスローモーションだったり。
全体的にストーリーが浅く、コレもテンポが早くドンドン次へ展開していく。この辺はゲームの感覚をそのまま映像にした意図かも知れませんが、子供が飽きないよう配慮した可能性も。
バナナの皮をポイ捨てするのは教育上どうかな?w またマリオの家族って全然イメージがなかったので、アレはワリと違和感ありました。
ヒロインの無双(ピーチ姫)は、何と言うか「またソレ?」と見飽きた感。その割にマリオがイヤに弱いなと。キノコ食っても一時的に大型化するだけ? サイズに比例して強くなるとかでしょうか?
そんな訳で、この作品は一言で言えば『究極のファンムービー』だと思います。世代の親子やゲーマーさん他は観て楽しめると思いますので、大型連休に家族で観覧するのには良いかなと。