「立ち上がれ 何度でも」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー ますぞーさんの映画レビュー(感想・評価)
立ち上がれ 何度でも
スーパーマリオブラザーズ
1985年9月13日に発売
あのジョージ・ルーカスもが尊敬する
クリエイター宮本茂氏が生み出した
ファミリーコンピュータの
アクションゲーム
良好な操作性と何度やられても
繰り返せば越せる手応えのある難易度
それまで固定画面が当たり前
だったところで右にどんどん
スクロールする画期的な場面転換
などがあまりに斬新で
世界で累計4700万本を売り上げた
怪物タイトル
主人公マリオはキャラの
向いている方向をわかりやすくする
ために「ヒゲ」を付けられたが
今では任天堂・ましてや日本を代表する
キャラクターとなって世界に
認知されている
面白いのは宮本茂氏は開発段階で
「作った自分が遊んでて夢中に
なるんだからこのゲームは絶対当たる」
と確信していたという
自分はファミコン時代から
馴染んでマリオ64くらいまで
という付き合いの世代
30年前のあの劇場版マリオも
観た世代ですが
それでどうだったかというと
宮本茂氏が関わっているだけあり
マリオに対する観客側の認識を
着実に押さえながら進む展開は
非常に共感性が高かったと思います
映画しか知らない
ヒョーロンカ様の評価は
高くなったそうですがね
ブルックリンで兄弟で
なぜか配管工を始めた
マリオ&ルイージ兄弟
家族からもお前らは何も
成し遂げられないと
バカにされている有様
そんな兄弟が大規模洪水に
乗じて地下に迷い込むと
不思議な土管に
ルイージが吸い込まれ
マリオが後を追いかけると
離れ離れになってしまい
まさかのキノコがたくさん
生えるキノコ王国に迷い込み
ピノキオに出会います
ここで言っておくと
原作のマリオは主だった
バックストーリーはありません
世界観の設定として存在するのみで
マリオもピーチ姫もパーツとして
配置されているのみ
でもそれによって逆に遊んだ人が
色々な想像をしながら補完していった
ところがありました
だからこうしたストーリーを持った
映画になることで備え付けられた
ストーリーが決して万人が納得
出来るもにになるのは相当難しい
はずですがこの作品はかなり
それを実現しているようです
それは何故かというと
マリオのゲーム性が忠実に
落とし込んであるからです
ゲームでのマリオは
スーパーキノコやファイアフラワー
またはスーパースターなどの
補助アイテムを駆使して
打倒クッパとピーチ姫救出を
目指しますがそれまでに
様々なトラップに引っかかり
果たして世界に累計で何億の
マリオが死んでいったでしょう
でも諦めずに何度も何度も挑むことで
クリアと達成感を手にする喜び
この映画はそんなマリオの性質を
着実に反映させているのです
キノコを食べてパワーアップ
ファイアフラワーを取って火の玉を投げる
などいちいち説明がいらないのです
観客はみんな知っているのです
そうした強みがこの映画にはあり
低評価した評論家は所詮
知らなかったようです
このあたりは宮本茂氏が関わった効果を
存分に感じました
作中で倒れても倒れても何度も
立ち上がるマリオに向けられる共感性は
プレイヤーでなければわからない
ところでしょう
麻倉未稀のヒーローが流れてきたのは
笑いましたがw
ブレットトレインでも良いシーンで
使われましたが
最近あの曲流行ってるの?w
漫画やゲームなど原作の映画化は
元ネタとの比較にどうしてもなります
ファンが注目するのだから当然だそれを
映画側の作り手が理解してないと
悲惨なものになります
30年前のマリオ映画もそうでした
あれも元ネタがマリオであることを
忘れればそう悪い出来ではないんですが
原作があることがマイナス要素に
なっているのでは本末転倒ですよね
マリオがカートに乗って
レインボーロードを走って行くシーン
マリオ知ってる人は皆それだけで
アガるはずですが
知らない映画評論家達には
ポカーンでしょう
でもそれでいいのです
評論家向けに作ってないということ
惜しむらくはやはり
国産のこのゲームの映画版が
日本から作られなかった事ですが
数年前の日本で作られたドラクエの映画でも
ラストに作品と全然関係ないキャラが
出てきて言うことが「大人になれ」ですよ
こんな腐った作り手がプロみたいな顔して
こんな事を平気でやるレベルです
世界を席巻してきた漫画ゲームアニメ文化を
大して理解できてないんです
でもこれも仕方が無いところ
日本に来る外国人観光客が
沢山予習して現地の人より史跡に
詳しいようなもの
アメリカで映画化されることで
客観性を持ってマリオの性質が
再現されているのは喜ばしくも
思うところです
任天堂作品にはまだまだ
メトロイドやゼルダなど映画化も
十分考えられるものがありますが
この作品の成功でもってそうした発展も
十分考えられるところだと思います