「「痛み」を表現したマリオ」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー keytonさんの映画レビュー(感想・評価)
「痛み」を表現したマリオ
海外のレビューでは中身がないと批判された今作ですが、確かにシンプルすぎるストーリーで味気ないかもしれないですが、マリオのバックボーンや、ルイージとの兄弟愛を映像化されていて、今までゲームでは表現しきれなかった要素がイルミネーションの技術が見事に合わさった3Dアニメでした。唯一、ピーチ姫が強すぎたことが気になるところでした。
任天堂が力を注いだ部分はマリオがとにかくボコボコにされる。ブルックリンでは負け犬呼ばわりされて、親からも非難され、精神的に落ち込むシーンは今までのマリオとはかけ離れた印象でした。
けれども、ルイージやピーチ姫のために何度も何度も立ち上がる。最後には顔にあざができるくらい攻撃されてもクッパに立ち向かうシーンはゲームで失敗ばかりしていた自分と重なる部分がありました。
この「痛み」を教訓にして次に生かす戦略は任天堂のスタイルとも感じ取れました。
5月9日にMX4D・3Dの吹き替え版を観てきました。もう興奮しっぱなしの100分でした。史上最高の吹き替え版と思えるくらい素晴らしかったし、特にクランキーコングを演じた楠見さんの演技がお気に入り。まさかマリオの映画で関西弁が聞けるなんて最高でした。
あと、どことなく任天堂をゲーム会社に展開させた前々社長山内博さんに似ているような気がする...
本当にMX4Dで観賞出来て良かったと感じています。特にレインボーロードに入る前にマリオ一行はカートで天に向かうシーンはアトラクションそのもの。その後のレースバトルはBGMと座席の動きが映像にマッチしていてアドレナリン全開のシーンでした。
ポストクレジットで前社長の岩田聡さんの名前が出た時、涙がこぼれそうでした。