「Worldwide」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Worldwide
マリオシリーズとは長い長い付き合いで、多分最初にやったのはDSのNew SUPER MARIO BROS.だったのでかれこれ20年近いお付き合い。その上をゆく歴史と共に今作が生まれたんだなと思うと中々感慨深いものがあります。しかも製作はイルミネーションが担当とこの時点で勝ちを確信しました。
冒頭のミニオンのロケットスタートも愛を感じました。
そしていざ蓋を開けてみたら、それはそれは素晴らしいものに仕上がっていました。
まずゲームでの初期設定である配管工という職を存分に活かした冒頭が中々良いアクセントになっていました。仕事をこなしてはいるけれど、どこか抜けている部分があるので上手くいかない兄弟の様子は新鮮でした。家族からも少しだけ見放されている描写も普段のマリオシリーズでは触れることのないものだったので意外性も備わっていました。
序盤からかましてきた横スクロールでのアニメーション。スピード感もありながら、ゲーム的なアクションもしっかり携えているのでこの部分だけでもめちゃくちゃ嬉しかったです。
ここからどうやって普段の世界観に繋がっていくのかなと思ったら、ピーチ城やクッパ城のある世界はまた違う世界で、そこへワープするといった感じで物語が進められていきます。この展開にしたのが功を奏して面白味が増していて、違う世界でのワクワクがひしひしと伝わってきました。
敵キャラ達も総登場レベルで出てきていたのも良かったです。最初期から最新まで幅広いキャラ達を登場させていて、ここまでのシリーズをプレイしてきた自分にとっては同窓会のようなアニメーションにもなっていて楽しかったです。ヘイホー推しなのでテクテク歩いてるのが可愛かったですし、割と流暢に喋ってて笑いました。
3Dワールドやオデッサを彷彿とさせるアスレチック的なアニメーション、ここにイルミネーションの本気を感じました。これでもかとヌルヌル動くアクション、コースのタイムアタックをしている感覚に陥りつつも、アニメとしての魅力を存分に解き放っているので興奮ものでした。ミスシーンもあるある〜と思いながら観ていて楽しかったです。
クッパもその存在感は素晴らしいですし、しっかりと悪役を勤め上げていて良かったです。ピアノ上手なのもギャップがあって良いですし、ピーチへの求婚も積極的なのでバランスの良いヴィランになっていました。
ドンキーとのバトルシーンはスマブラの楽しさが備わっていました。1vs1のタイマン勝負、ドンキーがとにかく強い中、マリオもアイテムを駆使して戦い、まめキノコを食べて劣勢になったり、ファイアフラワーはドンキーに消されたりしながら、最終的にネコマリオで覚醒してドンキーを倒すのはカッコ良かったです。
マリオシリーズの中でもめちゃ強なネコマリオの登場は勝ち確ながらも、その強さを遺憾なく発揮してくれていました。
マリオカートシーンは胸熱でした。予告を見た時からこれ絶対面白いやつじゃん…!と思っていましたが、少ない時間ながら満足感は高めでした。
従来のマリオカートシリーズを彷彿とさせるパーツ選択も描かれていましたし、レインボーロードもコースとして映えていましたし、本来のシリーズでは使われないアイテムの使い方も面白かったですし、特攻という形にはなりますが、トゲゾーこうらがプレイヤーとして参戦したのちにマリオ達に襲いかかる描写はあっと驚くものがありました。個人的にはレインボーロードの大胆ショートカットが盛り込まれていて嬉しかったです。普段からやってるやつなので。
最終決戦、ピーチも前線でアイスピーチになって戦いながら、マリオもタヌキマリオになってルイージを助けたり、マグナムキラーを誘導したりと、大活躍を見せますが、さすがはクッパ。一筋縄では終わらせてくれません。ここで過去シリーズのボスキャラ達も出ていて面白かったです。キングテレサかわえ〜。
真っ向勝負を挑む兄弟愛も素晴らしかったですが、スターをとってからの爽快感、ゲームでも敵キャラ達を吹き飛ばしていく楽しさはゲームでの醍醐味でもありますが、今作でも楽しさ据え置き、迫力大増と素晴らしかったです。クッパを倒すシーンなんかはライダーキックを決めるみたいで胸熱ものでした。クッパの始末の仕方もなんだか愛嬌があって良かったです。
吹替声優陣は本当に素晴らしくて、特に宮野真守さんのマリオは従来のマリオを感じさせつつも、宮野さん自身の声が乗っかっていて、とても良いマリオになっていました。関智一さんのピノキオのファンキーさも素晴らしかったです。
ゲーム内の音楽をアレンジしてBGMにしていて、しかも聴き心地抜群。最近はこのBGMばかり耳にしています。
エンドロール後の映像含め、まだまだ続編は作れそうですし、ヨッシーのたまごがちょろっと出てきたのも嬉しかったです。個人的にはマリオカート単品で映画化して欲しいなと強く願っています。他の任天堂作品の映画化も待ち望んでいます。マリオ最高!任天堂最高!イルミネーション最高!
鑑賞日 4/28
鑑賞時間 11:00〜12:50
座席 J-7