「悲鳴も血糊も暴力もない「ほのぼのホラー」」石がある La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
悲鳴も血糊も暴力もない「ほのぼのホラー」
河原を歩いていた女性に向こう岸の男が声を掛け、いきなり川の中を歩いて渡って来て、そのまま二人で石遊びしながら川沿いを歩いて行く、ただそれだけのお話です。男は穏やかで朴訥なのですが、不思議な雰囲気を纏っています。一方、女の方もどこか歯車の外れた危うさを感じさせます。そうした二人の間には、暖かそうでいてどこか危なそうな不思議な緊張感も漂うのです。でも、特に何も起きません。
これは、お伽噺的な大人のファンタジーとも見えるのですが、僕には悲鳴も血糊も暴力も一切ない「ほのぼのホラー」と映りました。不思議な映画だったなぁ。
そして何より驚いたのが、『沈没家族』で強烈な印象を残した加納土監督が謎の男として主演なさっていた事。あの朴訥とした不気味さがいつまでも脳に残るわぁ。
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