劇場公開日 2023年9月16日

  • 予告編を見る

「インドネシア近年の作品では、半ドキュメンタリーとでも言えばいいか「...」沈黙の自叙伝 flushingmainstさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0インドネシア近年の作品では、半ドキュメンタリーとでも言えばいいか「...

2023年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

インドネシア近年の作品では、半ドキュメンタリーとでも言えばいいか「アクト・オブ・キリング」と姉妹的作品「ルック・オブ・サイレンス」が強烈な印象を残したが、このシリアス映画「沈黙の自叙伝」もそれに通底する実に見応えのある心理サスペンスだ。軍と政治と一般社会のしがらみが密接に絡み合う国柄ならではのドラマにハラハラしながら引き込まれてしまった。ダークな素性漂わせる退役軍人とそこで下働きに就いている青年のぶつかり合う正義感の話。ずるずると関係は続いていくがいずれは答えを出さなければいけない関係を、主人公2人は迫真の演技で臨場感たっぷりに表現する。“何かのフリをする”程度の演技感では到底成し得ない世界を作り上げた監督の演出力と俳優の演技に脱帽した。それにしても中国、韓国はもちろん、フィリピンや台湾、そしてこのインドネシア。作品のクオリティは随分先を行っている。

flushingmainst