非常宣言 : 特集
逃げ場のない飛行機で、バイオテロが発生…感染者を
乗せた飛行機を着陸させるか、そのまま墜落させるか?
“究極の選択”と結末に映画.comもしんのすけも震撼…
世界を見渡しても、これほどまでに面白さが“ぎっしり”と詰まった映画は稀だ。2023年1月6日から公開される「非常宣言」である。
物語は上空2.8万フィートの飛行機でバイオテロが発生。乗員・乗客が“死のウイルス”にさらされ、人々は着陸するか、それとも墜落するか、究極の選択を迫られる……!
主演は「パラサイト 半地下の家族」などの世界的俳優ソン・ガンホ、「イカゲーム」などの同じく世界的俳優イ・ビョンホンが担い、共演には超豪華オールスターキャスト! 世界を圧倒するクオリティを誇る韓国映画界が、渾身の力をこめて放つ超話題作である。
この記事では、映画.com編集部に加え、しんのすけ(TikTokフォロワー66万人)が作品の魅力を解説。2023年の幕開けに、衝撃級の映画体験をたらふく食らい尽くしていただこう。
【最大の見どころ】究極の選択が、運命を決める――
機内の乗員・乗客、地上の人々は命を救うため決断する
まずはあらすじや作品概要は予告編でご確認いただくとして……ここでは、物語の見どころをご紹介。
最大の注目ポイントである“究極の選択”――「この先どうなるの!?」と気になって仕方がないシチュエーションの数々――をつづっていく。
<究極の選択①>飛行機内に“殺人ウイルス”散布…前代未聞の事態、どう対処する?
ハワイへ向けて出発した飛行機。空を旅する逃げ場のない機内で、通気孔に向けウイルスが撒かれる……。
しかもこの飛行機、汚染された空気が機内を循環する仕様であり、一度放たれたウイルスは機内を移動しまくることに。最悪に最悪を重ねた状況で、感染しないために乗員・乗客はどう対処するのか?
<究極の選択②>機長は死亡、副操縦士も感染…この飛行機を誰が操縦するのか?
飛行機を運行する乗員たちも、感染リスクから逃れられない。肝心要の機長は感染後に死亡し、副操縦士も為す術がなく感染。意識が朦朧とし、操縦なんて不可能な状況に……。
ということは“操縦できる乗員がいなくなる”絶体絶命に。このまま墜落するか? それとも救世主を待つか? お客様のなかに、パイロットはいらっしゃいませんか――。
<究極の選択③>命より大事な幼い娘が感染か…? 疑心暗鬼と迫害が起きる機内で、父親はどうする?
妻と別れ、娘とともにハワイへと旅行にでかけた父ジェヒョク(イ・ビョンホン)。そんな折り、このテロ事件へと遭遇する。自分の命と同じか、それ以上に大事な娘の手に、感染を示す発疹が現れてきて……。
近くにいた男性客がそれを指摘する。「その子、感染したんじゃないのか!? 隔離しろ、早く!」。ジェヒョクは否定するが、疑心暗鬼に駆られたほかの乗客たちは信じない。殺気立った人々に囲まれ、娘を1人で隔離するか、娘とともに隔離されるか、父は選択することになる。
<究極の選択④>最愛の妻が飛行機に… 地上にいる刑事はどう行動する?
一方、地上ではベテラン刑事ク・イノ(ソン・ガンホ)が、バイオテロ実行犯の“犯行前”の足取りを追っていた。自分はあくせく働いているのに、妻は友人たちと旅行に出かけていった。のんきなものだ。行き先はどこだったか? ああ、そうそう、ハワイだった。
ハワイ……? テロが起きた飛行機もハワイ行きだ。乗客名簿を慌てて調べる。あった。妻の名だ――。
飛行機をどこかに着陸させられないか? ウイルスの治療薬はないか? 手がかりは実行犯の過去にある。壮絶な捜査の果てには、究極の選択が待ち受けていた……。
<究極の選択⑤>ウイルス被害は実行犯も例外ではない…生き残る術はあるのか?
ウイルスを散布した実行犯(イム・シワン)もまた、機内から逃げることはできない。自分も無事では済まないはずだ。しかし実行犯に焦った様子はまったくない。
この余裕、さては生き延びる秘策があるのだろうか? そもそも、この男の目的とはなんなのか? それらが明らかになったとき、観客は震撼するだろう――。
<最後の究極の選択>感染した人々が乗った飛行機…着陸させるか? それとも墜落させるか?
飛行機の受け入れを要請された各国、そして韓国に残った、最後にして最大の選択。この飛行機を着陸させれば、ウイルスのリスクに自国民をさらすことになる。自国の安全か、機内の人々の命か――?
そして乗員・乗客も決断を迫られる。このまま着陸し、助かる道を探りたい。しかし大切な人を感染させてしまうかもしれない。飛行機を墜落させれば、少なくとも被害者は我々だけになる――。
結末は予想を超えてくる。あなたはどう観るだろうか、感想が楽しみだ。
【人気の映画TikTokerしんのすけの感想】
「2023年早々、全部が面白いとんでもない映画」
フォロワー66万人を誇る映画感想系TikToker、しんのすけさん。今作を実際に鑑賞した彼が、最も魅力に感じたポイントを1分間の動画にまとめてくれた。この動画をみれば、きっと今作を鑑賞したくてたまらなくなるだろう。
【編集部の感想】2023年の幕開けにオススメしたい!
超絶クオリティで圧倒する、新時代のパニックスリラー
しんのすけさんの感想のお次は、映画.com編集部によるレビューで特集を締めくくろう。鑑賞前の期待ポイントから始まり、驚くべきシーンの数々、そして秀逸な“光”、カタルシスを呼ぶ展開の素晴らしさなどをお伝えしていく。
●映画.com的超期待ポイント:豪華キャスト! あの韓国でNo.1の話題作!
今作はもともと「絶対に観る映画リスト」の上位に入っていたが、「観たい!」と思った理由の1つは“豪華キャスト”だった。
・第92回アカデミー賞の作品賞など4部門に輝いた「パラサイト 半地下の家族」で、世界を圧倒したソン・ガンホが“しがない刑事”役!・ハリウッドでその名を轟かせ、エミー賞6冠「イカゲーム」でも異彩を放ったイ・ビョンホンが“ちょっと情けない父親”役!・新進気鋭の若手イム・シワンがテロ実行犯を怪演! 脇役にも韓国を代表するオールスターがずらり!韓国映画に詳しい、詳しくない関係なしに、誰もが一発でその“価値”がわかる布陣である。
さらにさらに、同国で公開されるやNo.1となるヒットを記録。芸術作ばかり集うイメージが強いカンヌ国際映画祭にも正式出品されるなど、そのクオリティも高く評価されていて……などといった数々の情報が耳に入れば、期待が上がらないわけがない!
●どう撮ってるんだ…? きりもみ回転する機内をとらえた映像がすごい!
期待に目を爛々とギラつかせながら鑑賞を始めたが、実際に観て最も驚いたのは、映像の迫力だった。「どう撮ってるんだこれ!?」と絶叫したくなるシーンばかりで、なかでも飛行機が急降下&きりもみ回転する場面のすさまじさよ!
通路を行き交うキャビンアテンダントも、席に座る客も、一気に天井に叩きつけられ、次の瞬間には床に叩きつけられる! 「インセプション」の“回転する廊下”を彷彿させるシーンで、映画的快感が脳内に駆け巡った。
これ以外にも迫力満点の映像がズバズバと繰り出されていく。まさに韓国映画界の脂が乗りきっていることがよくわかる、ド肝を抜く完成度である。観れば高確率でぶっ飛ぶから要注意!
●実は“光”の映画…悪意すら可視化するライティングが秀逸すぎる
“動”の迫力だけでなく、実は“静”の巧みな描写こそが、観るものを震撼させる。ため息が漏れるくらい素晴らしく感じたのは「光の演出」だった。
カメラが機内の食器類にクローズアップ。照明の光に当たって無数のチリが舞っているのが見える。ただのチリではない。なぜなら、その直前にテロ実行犯がウイルスを撒き散らしていたからだ――。
光によって粉末や飛沫が照らし出され、“人の悪意”をも可視化する。今作は実は“光の映画”であり、人物の感情や起きている状況も、重要なことは光を通じて描写される巧みな構造を有しているのだ。
●航空パニック×政治スリラー×人間ドラマ…“ジャンルの掛け算”がカタルシスを生む
今作のジャンルはひとつではない! 刻一刻とその表情を変化させていき、秒ごとに色づきを変えていく。
入りは“謎の死体……殴打の跡だらけだが死因は毒物”をめぐるサスペンス。からの未曾有のフライトパニックに移行し、さらになんと、骨太のポリティカル・スリラーとしての一面も見せる! この映画、底が知れない。
と思っていたら物語全体を刑事(ソン・ガンホ)や父(イ・ビョンホン)が中心となるドラマが貫く! 航空パニック、政治スリラー、人間ドラマとすべてが破綻することなく調和しているのがすごいし、かつ乗算的に面白さが膨れ上がっていくのがまたすさまじかった!
●結論:予想を超える迫力体験と満足感…全映画ファンが劇場で観るべき渾身作だった
結果、本当に観てよかった……!
上述の要素以外にも語りたい要素は山ほどあり、例えばウィズ・コロナ時代のウイルス・パニックものという、チャレンジングなモチーフに切り込む点も拍手を送りたい。
いずれにせよ、この映画は密室の映画館で鑑賞すれば、迫力とスペクタクルは“倍づけ”となる。しんのすけさんの感想と同様、2023年の早々にとんでもない作品が公開されてしまうことに驚きを禁じえない。絶対に劇場で観てほしい!