劇場公開日 2023年1月6日

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「ガンホくんの自然な演技はいつもすごい。ヒーロー的でもなく、普通に真...」非常宣言 えみりさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ガンホくんの自然な演技はいつもすごい。ヒーロー的でもなく、普通に真...

2023年1月7日
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ガンホくんの自然な演技はいつもすごい。ヒーロー的でもなく、普通に真っ当さを演じる。しかし、彼にラストに与えた試練は厳しい。
イ・ビョンホンは、年取ってから、ガンホみたいにむしろ肩の力を抜いたオシバイガできるようになったのかも。
バイオテロ(しかもコロナを思わせる)と飛行機事故という、難しい場合テーマを重ね合わせた。
アメリカと日本の過酷な反応はリアリティがある。
コロナの横浜船を思い出す。着陸拒否ということがあるのだと知る。しかも自衛隊攻撃とか。
人間だから選択する、として、着陸しない決心をする、という物語はそう簡単には受け入れにくいけど、妻を見殺しにするよりは、抗ウィルス剤を自分で確かめるという、これも人間としての選択、行為が、今起きていることへのこの映画のメッセージだろう。
しかも韓国の政治家のダメさもよく描かれている。ケータイでの別れはセウォル号も彷彿とさせるだろう。
冒頭、見てる側はそのリスクを感じているのに、何も知らない乗客が和やかで自然な感じのカメラでどんどん飛行機に入っていき、重いドアが閉められる過程の緊張感がうまい。ガンホがどんどん犯人に近づいていくプロセスと交互にカメラが回って、上手い導入。
一旦、抗ウィルス剤が見つかったかと思ったら、日本の拒否で皆落ち込み、韓国でも拒否されるみたいな、アップダウンの展開も上手い。
ラストの静かな展開と音楽。ただのパニックSFではなく、作り手たちの祈りが込められていると感じる。

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えみり