「製作面でも国際的な女性スタッフたちの活躍が頼もしい」SHE SAID シー・セッド その名を暴け 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
製作面でも国際的な女性スタッフたちの活躍が頼もしい
ゾーイ・カザンとキャリー・マリガンが演じるニューヨーク・タイムズ紙の記者2人が、大物映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタインによる性的暴行を告発すべく、被害者の女性たち(アシュレイ・ジャッドは本人役で出演)に心を寄せながらも粘り強く協力を依頼し、ついに確かな証言を揃えて記事を出すまでの、スリリングで心揺さぶられるストーリーだ。
SF風味のヒューマンラブコメといった趣のドイツ映画「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」は音楽使いなどが結構お気に入りだったが、あのマリア・シュラーダー監督がこの「SHE SAID シー・セッド その名を暴け」でもメガホンをとっている。脚本は英国出身のレベッカ・レンキェビチ、撮影はアルゼンチン出身のナターシャ・ブライエと、主要な製作スタッフが女性で固められている点も、女性の地位向上が着実に進んでいることをうかがわせて頼もしいし、映画のテーマとも響き合う。
遅ればせながら日本のエンタメ界にも波及してきた#MeTooのムーブメントだが、被害者たちが勇気を出して告発に踏み切ったのが大きかったことが、本作で改めて思い知らされる。啓発効果も大いに期待したい。
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