劇場公開日 2023年1月13日

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「女性達が振り絞った小さな勇気を武器に2人の記者が巨悪に立ち向かうその勇姿が眩しい実録ドラマ」SHE SAID シー・セッド その名を暴け よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0女性達が振り絞った小さな勇気を武器に2人の記者が巨悪に立ち向かうその勇姿が眩しい実録ドラマ

2023年1月24日
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鑑賞方法:映画館

2016年大統領選の最中にドナルド・トランプのハラスメント疑惑を取材していたニューヨークタイムズの記者ミーガンはトランプの当選によって追及を断念せざるを得なくなってしまう。同じ頃ミーガンの同僚ジョディは女優のローズ・マッゴーワンから大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインに性的暴行を受けたとの証言を受けて取材に乗り出すが、ローズも含めて同様の被害を受けた女性達は皆仕事を干されたり絶望的な条件による示談を承諾させられたりして取材への協力がなかなか得られない。そんな折出産を経て職場復帰したミーガンは上司レベッカに請われてジョディとタッグを組むことに。二人は粘り強く女性達に語りかけ続けることで少しずつ情報が得られるようになるが、それらの動きを察知したワインスタインはニューヨークタイムズに圧力をかけ始める。

ハリウッドだけでなく世界中に伝播したMeTooムーブメントの中心であるスキャンダルを告発した2人の女性記者の活躍を描いた実録ドラマ。被害に遭った女性達の証言や苦悶に満ちた表情が浮き彫りにする何十年経てども色褪せない深刻なトラウマに、ジョディとミーガンの献身に勇気付けられた人達が少しずつ勇気を振り絞って立ち向かっていく様に圧倒されます。ありきたりな実録ドラマだと主人公は家庭を犠牲にしますが、ジョディとミーガンは仕事も育児も一切手を抜かないのでそのタフさに驚かされます。タイムズ誌のチームワークも見事で、2人のよき理解者で適切な助言で2人をサポートする上司レベッカを演じるパトリシア・クラークソン、ジョディとミーガンをそれぞれ演じるゾーイ・カザンとキャリー・マリガンのカッコ良さに痺れました。

そして印象的なのは暴行の被害者の女性達。特に衝撃的なのは本人役で登場するアシュレイ・ジャッド。劇中でも言及される彼女が受けた壮絶な仕打ちを考えると彼女の勇姿こそが本作のクライマックスだったと思います。

よね