「NYTは嫌いだけど、称賛せずにはいられない。」SHE SAID シー・セッド その名を暴け bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
NYTは嫌いだけど、称賛せずにはいられない。
2019年8月、ニューヨークタイムズ紙の編集主幹であるディーン・バケット氏の社内会議の音声が流出します。彼の発言は、「モラー報告書」で誤報が明らかになったトランプの「ロシアゲート疑惑」をあきらめ、「人種差別問題」を深く掘り下げて、反トランプの新しい報道ビジョンに掲げる事を主張するものでした。手っ取り早く言うと、「反トランプの偏向報道をしてきたが失敗した。次のネタは人種差別だ。」ですよ。
この内部音声の流出後、米ジャーナリストであるシャリル・アトキソンの発言が以下。
「NYT紙は、発生した真実のニュースの全てを、事前に決めた物語りに当てはめるつもりであり、発生した真実のニュースを型に当てはめて、人種差別の文脈で報道すると語っている。これが、彼らの【読者】が欲していることだと彼らは信じている。」
だからですよ。NYTの信頼度なんざ、今や地を這うレベルな訳で。日本の朝日新聞も、NYTに日本のネタを仕込み、「アメリカではこう報道されている」と、後日自分の新聞に書くマッチポンプ&逆輸入方式を取っていたりします。ネット時代に、そんな手は通じないってw
と言う事で、だいだいだいっ嫌いなNYTですが、この件についての報道に関しては称賛したい。
でもですね。
ある意味、皮肉なところはあるんですよ。
バイアスの掛かったNYTの報道を、はなっから嫌っていたトランプは、2016年の大統領就任後、NYTへの取材に対して非協力的な態度を取ります。それに対するNYT側の対策が「調査報道」。この映画に描かれた、ミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターは、「調査記者」な訳ですよ。2017年、ワインバーガーの性暴行を暴くと言う成果を上げた後、NYT社は調査報道に更に力を入れて行くことを宣言するとになります。その後、成果が出たかどうかは、知らんけど。
映画本編の方はと言うと。
キャリー・マリガンが老けたよなぁ、ってのはあるんですが、魅力的なのは相変わらず。お嬢ちゃん役のイメージが、なかなか抜けないゾーイ・カザンですが、これは生涯代表作じゃないかと思えるほどの素晴らしさ。この2人に、オスカー上げて下さい!特に、ゾーイ・サガンが英国に渡り、必要だと言われてきた「Document」を手にした場面、財務部門の責任者から証拠を手に入れる一連の場面、被害者のうち二人が「実名を出しても良い」と連絡してきた場面、等々の演技には鳥肌が立ちました。
良かった。
とっても。
キャーリー・マリガン目当てで、リピート確定。
でも、やっぱり、NYTはだいだいだいだい大っ嫌いですw
今晩は。
笑ってしまいました。凄いなあとも思いました。
だって、オイラが思っていたことをきちっと、ばちっと、書いていただいたので。
”「反トランプの偏向報道をしてきたが失敗した。次のネタは人種差別だ。」”
序盤でハッキリと描かれていますよね。
ここは一つ、いまだに大統領の椅子を狙っている忌むべきトランプをキチンと、ニューヨーク・タイムスには叩いて欲しいです。が、バイデンさん、機密管理、ちゃんとやってよ・・。
では。返信は不要ですよ。