「Shout It Out」ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Shout It Out
ウクライナ産のアニメ映画という初めての体験が出来るなーと思い劇場へ。特典はステッカーでもりもり食いしん坊なハムスターでした。
しがない役者であるルスランと国の女王であるミラが出会い、互いを知って関係性を深めていくけれど、悪の魔法使いであるチェルノモールにミラが攫われてしまい、救出のためにルスランが立ち上がるといった王道ファンタジーものになっています。
アニメーションのクオリティはかなり高く、しっかりと3DCGで動いており、ゲーム的な背景も美しいですし、アクションも見応えがあり、このクオリティをずっと保っていたのも凄いなと思いました。未知の国のアニメーションをまた一つ体験できたのは大きかったです。
クリーチャーのデザインがとても好みで、食べ物モンスター、特に巨大ケーキが戦うシーンなんかケーキらしさと凶暴性という融合が難しそうなものを見事に融合させていてとても好きでした。キスするとカエルにしてしまうビッグガエルも出番は少なめでしたがオチ要員としてしっかり役割を果たしてくれていました。
ストーリーは王道も王道なので、大きな驚きなんかは特にありませんが、とても見やすいものだったので家族向けムービーなのかなと思っていましたが、そこに独特なセンスで加えられるバトルシーンなどがあるので、映画好きでもしっかり楽しめるように仕上がっていました。
割とご都合的な部分で強引に進めたり、キャラの扱いが杜撰になってしまっていたりと、終盤は少し詰めが甘くなってしまっていたかなとは思ってしまいました。それでも安定感は抜群で、飽きる事なく堪能することができました。
主人公の吹替がINIというグループの高塚さんが初挑戦というところはかなり不安でしたが、とても聞きやすくキャラにも合っていたのでそこは安心できました。
高橋季依さんの可愛らしさに含まれる前向きな声とミラはベストマッチでした。
岡本信彦さんのどこか頼りない感じの声もまた素晴らしかったです。
ノンスタの2人は可もなく不可もなくといった感じで、国王あまり上手では無いなと思ったら別所哲也さん…何故ここに出たのだろうって感じでした。1人だけクソが付くほど下手くそな人がいたんですが、あれ一体誰だったんでしょう…。もうあれだけがノイズで強烈に残っています。
お国柄もあって、映画も自由に作れないウクライナ。今作も5年の月日をかけて日本に上陸しており、そのしがらみが無くなり、ウクライナ産のアニメ映画がもっと日本に来てくれたらなと思います。日本とウクライナの交流も深まりますように。
鑑賞日 9/25
鑑賞時間 15:10〜16:50
座席 D-13