「意外な真相」ほの蒼き瞳 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
意外な真相
この映画はラストのラストまで目を離せない展開です。
真相を上手に上手に隠してますので、犯人が分かった、
解決した・・・と思ったその後に、実は・・・
「ほの蒼き瞳」の意味ががやっと分かるのです。
前半部分はちょっと長いです。
静かでスローな展開、
悪魔崇拝
遺体損壊
(首括り吊り下げられた死体からは、心臓が抉り出されていた)
1830年。ニューヨーク州ウェストポイントにある陸軍士官学校。
その生徒の一人フライが死んだ。
事件解決のために呼ばれたのは元刑事のランドー
(クリスチャン・ベイル)
妻は病死して、娘は駆け落ちして行方不明・・・
そんな不遇な酒浸りの男だ。
そんな彼に事件解決の白羽の矢が当たる。
はじめのフライ殺害事件が解決せぬまま、
1ヶ月後、2番目の殺人事件が起こる。
やはり士官候補生のバリンジャー。
こちらの死体は心臓が抉られ更に去勢がなされていた。
稀に見る猟奇殺人事件です。
続いてランドーの捜査の手伝いに呼ばれるのは、
なんと推理小説の始祖とも呼ばれる若き日のE・A・ポー。
彼も士官候補生の一人なのです。
ポーを演じるのはハリー・メリンダ(ポーの肖像画に生き写し)
そして驚いたことに実際のE・A・ポーも陸軍士官学校に学んでいる。
なんとも贅沢な配役。
祈祷師のペペ役で、
ロバート・デュバルが長台詞を滔滔と話す。
撮影時は91歳超えの筈(驚きでした)
(そんな高齢には見えないお元気な姿に感動)
原作者は有名作家のルイス・ベイヤード(1963年生まれ)
この映画の原作「陸軍士官学校の死」が代表作。
ゴシック・ホラー風のミステリー。
雪深き冬枯れの木々の森。
校舎の屋根に鴉。
ポーの小説の雰囲気を踏襲するオドロオドロしさ!
ランドーの娘マッティの不幸な事件。
そして死体に取り憑かれた兄と妹。
2つの要因が複雑に絡んで、
単純な殺人事件が猟奇的な色彩を帯びる。
E•A・ポーの参戦もありドンデン返しも面白い。
ラストには驚愕するか?
唖然とするかは?
あなた次第!!