ほの蒼き瞳

劇場公開日:2022年12月23日

解説・あらすじ

「ファーナス 訣別の朝」「荒野の誓い」のスコット・クーパー監督とクリスチャン・ベールが3度目のタッグを組み、ルイス・ベイヤードの小説「陸軍士官学校の死」を映画化したミステリーサスペンス。引退していた元刑事が、後に作家として世に知られる若き日のエドガー・アラン・ポーと出会い、殺人事件の解明に挑む姿を描く。

1830年のある冬の日。米ニューヨーク州ウェストポイントの陸軍士官学校で、ひとりの士官候補生が、心臓がくり抜かれた死体となって発見される。学校の体面に傷がつくことを恐れた幹部たちは、事件をひそかに調査するため、引退していた地元の元刑事オーガスタス・ランドーに真相解明を依頼する。調査を進める中でランドーは、詩を愛する風変わりな士官候補生のエドガー・アラン・ポーと出会い、2人で事件の真相に迫っていくが……。

オーガスタス・ランドーをクリスチャン・ベール、若き日のエドガー・アラン・ポーを「ハリー・ポッター」シリーズや「クイーンズ・ギャンビット」のハリー・メリングが演じた。そのほかの共演にジリアン・アンダーソン、ルーシー・ボーイントン、シャルロット・ゲンズブール、ロバート・デュバルら。Netflixで2023年1月6日から配信。それに先立つ2022年12月23日から一部劇場で公開。

2022年製作/129分/G/アメリカ
原題または英題:The Pale Blue Eye
配信開始日:2023年1月6日

その他の公開日:2022年12月23日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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一部劇場にて12月23日(金)より公開、Netflix映画「ほの蒼き瞳」1月6日(金)独占配信

映画レビュー

3.5 ハリポタ”ダドリー”役のメリング演じるポーがとてもいい

2023年1月24日
PCから投稿

クーパーとベイルが組んだ過去2作はどれも少なからず西部劇的な香りが漂っていたが、本作は従来とやや異なる風味のノワール・サスペンス。1830年代、夜闇と霧とが溶け合う幻想的なほの蒼さの中、首をつり心臓を抜き取られた死体をめぐって怪しげな相関図が浮かび上がっていく。事件の謎に挑むのは都市を離れ隠遁生活を送る元刑事ランドーと、陸軍士官学校の生徒で不思議な観察眼を持つポー。つまりランドーを主軸にした推理物ながら、いずれ作家になるエドガー・アラン・ポーの「エピソード0」でもあるというわけだ。40歳で死んだポーの最晩年の小説の題名が「Landor's Cottage(ランドーのコッテージ)」だったり、本作には他にもポー作品にまつわる小ネタが散りばめられているのかもしれない。クライマックスには賛否が分かれそうだが、一枚、また一枚と襞をめくるように丹念に織りなされたディテールと作品世界は非常に見応えあり。

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牛津厚信

3.0 ポー役の吹替入野自由さんが凄くよかった

2025年9月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

 クリスチャン・ベール演じるの元刑事のランドーが閉塞的な士官学校で起きた猟奇的殺人事件の捜査を依頼されて赴く。そこで若かりし頃のエドガー・アラン・ポーと出会うのだが、彼は頭いいのか変人なのか、ナルシストなのか子供っぽいのか、物事を俯瞰する人間のようでいて一途になると向こう見ずになってしまい怒りや奢りもみてとれる、とまぁ掴めない人物でした。吹替版で観たけど、ポー役の入野自由さんが実に見事に演じていて、好きになるキャラではないのにどこか愛嬌を感じてしまう。
 時代的なことを含めて、エドガー・アラン・ポーの作品を少ししか読んだことがなかったので、もっと知っていたら物語上面白く感じたのかもしれない。謎が二段階で明かされるのは、エンタメ寄りに偏ってる日本作品に比べると純粋に驚き、さすがだなぁと思った。重厚なミステリー作品でした。
 ただ、好みかと言われれば微妙かな⋯。残酷な遺体もあるし、人にもお薦めしづらい、そして何度も見返したいと思える映画ではいというのが正直な気持ち。

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ふたり映画

4.0 犠牲とは、究極なる愛情表現

2025年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

驚く

ゴシック・ミステリーは、個人的にも好きなジャンル。「蝋燭の炎の揺らめく薄明かり」「霧が立ち込める怪しい森」「ホーンテッド・マンションの様な洋館」そんな、ゴシック・ミステリーのイメージにピッタリの本作。1800年代初頭のアメリカを舞台にした、ルイス・ベイヤードの原作『陸軍士官学校の死』を、スコット・クーパー監督と名優クリスチャン・ベールが、三度タッグを組んだミステリー・サスペンス。

陸軍士官学校で、首を吊って絞め殺した後に、心臓を抉られて惨殺された士官生の死体が発見される。その事件を穏便に解決して真相を究明しようと、学校サイドは元刑事のランドーを召喚する。そして、捜査を始めた最中に、再び、同じ手口のサイコパスな殺人事件が起き、学校は恐怖の渦に巻き込まれていく。学校サイドも、新たな殺人事件が起こり、なかなか捜査が進展しないランドの言動に不信感を持ち始める。

主人公の元刑事のランドーを演じるのが、クリスチャン・ベール。そして、このサイコパスな殺人事件を、共に解決するのが、何と、後に世界的ミステリー作家となるエドガー・アラン・ポーというシチュエーションが面白い。限られた登場人物ではあったが、その連続殺人事件の裏に潜む切ない家族愛が描かれ、犯人も意外な方向で白日に曝されていく中、壮絶な最初のクライマックスが訪れる。

しかし、本当の真実はその先に潜んでおり、ミステリーとしての大きなサプライズが用意されていた。それは、過去の陸軍士官学校のダンスパーティーの夜に起きた、忌まわしい事件に纏わる復讐劇だった。そして、その謎を見破るのが、誰あろうエドカー・アラン・ポーという設定で、驚愕な二度目のクライマックスへと導かれる。劇中の『犠牲とは、究極なる愛情表現』という言葉の意味が、ラストに来て重みをもつ。

主役のクリスチャン・ベールは、鋭い観察眼で捜査する中にも、どこか哀愁を抱えた元刑事を演じ、安定感のある演技を見せていた。そして、相方となったエドカー・アラン・ポーを演じたのが、『ハリー・ポッター』シリーズで、あの憎たらしいダドリーを演じていたハリー・メリング。ひ弱な風貌ながらも、名推理を繰り広げる士官生となって登場していた。

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bunmei21

4.0 エドガーアランポー

2025年6月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

終始地味なんだけどジワジワと自分好みの展開になっていき痒いところに手が届くミステリーだった。
刑事ランドーと変わり者で士官候補生のエドガー・アラン・ポーが協力し、謎の変死体の事件解決に挑む。

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ゆうき