マッドゴッドのレビュー・感想・評価
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正真正銘のMAD映画
30年分の狂気がこちらに向かってくる。セリフなしのストップモーションアニメだから、こちらの想像力がかき立てられる。
僕が想像したストーリーはこう。世界最終戦争をかろうじて生き残った人類は地下での生活を強いられる。何世紀もたつと、放射能に強くグロテスクに変形した人種が地下を支配することになったが、同時に放射能で劇的に進化したクリーチャーの危険にも晒される。
グロ全開だが、蛍光色を発する植物が、あたり一面を極彩色で照らし出すシーンは、心が洗われる。この植物は、土壌を浄化しているに違いない。
『JUNK HEAD』はポップさがあって、万人向けだが、『MAD GOD』は吐き気も楽しみのうち。なんていう変態向けでございます。
僕も含めて、狂人たちでソールドアウト。
ストーリーは全く理解できなかったけど、無慈悲で残酷な地獄のピタゴラスイッチ的な世界観が楽しい作品
ハッキリ言って分かりやすいエンタメ作品じゃなくて、完全にアーティストの芸術作品って感じの映画でした。
分かりやすいストーリーが皆無なので、圧倒的なビジュアルと作り込まれた世界観を楽しむ作品だと思いました。
これは一体何の循環を見せられてるのかって思うような、独特な生態系とまるでピタゴラスイッチみたいな食物連鎖を見てるのがとても楽しかったです。
原爆のようなキノコ雲とか、まるで第一次世界大戦を彷彿とさせるような戦車とか、人類の愚かさを痛烈に批判するような描写もあったので、これはある意味反戦映画でもあるのかなと感じました。
観る人を選ぶ映画ではあると思いますが、強烈な個性を放つ唯一無二の映画ではあることは間違いないので見て損はないと思います。
とてつもなくマズイ飯を喰わされたカンジ
「JUNK HEAD」(日本)が良かったので
世界観が似ているとのふれこみであったので鑑賞。
ストーリーなぞあってないようなもん。
グロいPV。難解。
解説なぞ一切なく、腐ったコース料理がどんどん口に放り込まれるヾ(*’O’*)/
ハッキリ言って意味不明(地獄?を表現してる?のか?)
目的不明。展開も理不尽。パンフも高い。
なんて男気あふれる作品か(笑)
飯はまずかったがそのマズさが逆に印象に残る。
ストップモーションの神、ではあったが・・・
トークイベント付き試写会にて観賞。
トークゲストの一人も正直に「初見では30分で寝た」と。
チラシで散々煽る巨匠(スピルバーグ、デル・トロ、ヴァーホーベン)の言葉も、
F. ティペットご本人への称賛であり、この映画への称賛ではないことに注意。
ディストピアのビジュアルや、様々なストップモーションアニメ(の技法)ファンなら、
それをのみ観賞するために観るべきではあるのだが、広く一般向けではない。
最初こそ、そのビジュアル・イメージに圧倒されるが、ずっとその世界なので慣れる。
セリフがないのは良い試みではあるのだが、その為に難解になり集中力が途切れる。
「広く観てもらう映画」にする、という気概がそもそも感じられないので、既にマニア向け。
肝心なところで実写ショットになるのも、何か「完成させるため」の方便と感じてしまう。
全編、フルでストップモーションアニメであったなら、また少し感想が変わったかも。
地獄なんだけど愛
『スター・ウォーズ』『ロボコップ』『ジュラシック・パーク』などのクリーチャーやメカを手掛けた《特殊効果の神》フィル・ティペットが、私的に30年かけて創り上げたストップモーションアニメ。
字面だけでもう強すぎます。
なんていうか、ある分野において生涯で一番圧倒される体験になったと思う。執念。狂気。地獄。完全に劇場体感型映画だ…!
手作りの造形物やクリーチャーたちはグロテスクだけどユーモラスで、愛が込められているのを感じる。シュヴァンクマイエルやデヴィッド・リンチにも通ずる芸術性。あとJUNK HEADとの共鳴も。
百聞は一見にしかず。
誰が観ても後悔はないと思います(たぶん)。
クリーチャー達への強い偏愛
ストーリーはさっぱり分からなかった上にセリフが一切ない為、正直何度も睡魔に襲われた。鑑賞後に解説を読み、こういう内容だったのかと呑み込めたものの、何の情報も入れずに観ると本当に路頭に迷う恐れがあるので注意。
昔『わくわく動物ランド』、『野生の王国』といった世界の動物番組があったが、それらに引っかけた邦題に変えたら『わくわくクリーチャーランド』『クリーチャーの王国』とでも言おうか。とにかく監督フィル・ティペットのクリーチャーに対する愛が半端ない。「理解されなくてもいい。俺はこれをやりたいんだ!」という彼の思いがビンビンに伝わってきた。デヴィッド・リンチといいテリー・ギリアムといい、何かしらの偏愛度が高い監督は一様に曲者が多い。
グチャグチャでドロドロでグロ描写満載なのは、彼が関わった『スターシップ・トゥルーパーズ』を彷彿とさせるが、ラストは打って変わって荘厳な、まるで『2001年宇宙の旅』のような終わり方をするから侮れない。というか、「俺がキューブリックだったらこう撮りますよ」と言わんばかりに。
ティペットが『ジュラシック・パーク』のプロジェクトから外されたのがいかにショックだったかは、ドキュメンタリー『クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち』で伺い知れる。本作を観る前にこちらを先に観ておいた方がベターかも。
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