「中島みゆきさんの普遍性は慈しみの中にある、と思いました」中島みゆき 劇場版 ライヴ・ヒストリー2 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0中島みゆきさんの普遍性は慈しみの中にある、と思いました

2023年1月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

中島みゆきさんは、昔から、
『中島みゆきは、◯◯◯である』
みたいに語られることがあります。おそらく、大体が男性向けの雑誌や夕刊紙でのことです。

◯◯◯には色々あって、中には〝演歌である〟なんてのもあったと思います。
歌姫、女神、聖母、心の故郷…
調べたわけではないので、不確かではありますが、傾向として世の中が不透明さを増した時や漠然とした不安に覆われると、中島みゆきさんを語り出す男が増えて、『今こそ、中島みゆき❗️』みたいなトーンで4ページくらいの特集記事になったりします。
特にバカバカしいのは、あなたはユーミン派?みゆき派?などと無意味な論争で盛り上げようとする記事。

脱線しました。
◯◯に当てはまる言葉を探したわけではないのですが、このライブヒストリーを見てたら、ごく自然に、中島みゆきさんは〝慈母〟のようだ、と感じました。
どの歌も慈しみに満ちてて、誰もが、『自分の置かれた状況をなんで知ってるんですか?』と勘違いしてもおかしくないくらいにピッタリと寄り添ってくれる。
もし、今、自分の生活があまり満たされていないと感じている10人の人に、このライブを見てもらい、鑑賞後にアンケートを取ったら、たぶん8人から9人は、自分のための歌があった、と答える。
自分のための歌がなかった、と答えた人は、満たされてはいないけれど、取り敢えず前には向かえている人なのだと思います。

中島みゆきさんの歌を聴きながら、そんな時代(彼女の歌に寄り添ってもらう必要があるほど心労を感じていた時期)もあったなぁ、と過去の話として懐かしく振り返ることのできる人生にしたいものです。

グレシャムの法則
cocoloさんのコメント
2023年1月15日

グレシャムの法則様、コメント、ありがとうございます。
私も、本当に同感。
なにせ、インパクトが強いですからね(=^・^=)。
やっぱり、うらみます、とか、わかれうたとか、
そういうのが強く、印象に残っちゃう。
そうそう。ユーミンとよく並べられていましたね。
そういうの、好きですよね、マスコミは。
かつての、松田聖子と中森明菜、みたいな。
でも、聖子さんが明るいかっていうと、微妙ですよね。

例えば、恋愛において、
一般的にハッピーエンドといえば、
恋愛成就→結婚→子供が出来て→幸福な家庭
クリスマスは家族でパーティー。
大晦日からお正月は家族で帰郷。
そこから外れるのは、みんな不幸で普通じゃなくて、
生きてる価値のない人達なのか?
「ホームにて」に痺れる人は、
凄い仕事をしている人なのかもしれないのによ?
人間って、人間の感情って、人間関係って
それだけじゃないだろう、みたいな。
私、今回、みゆきさんの歌をじっくり聴いて、
「この人、不幸専門の人じゃない。
こんな歌詞は、凄い恋愛した人じゃないと書けない」
なんて、思うのもありました。

作家でも、技術のある人は、
「自分のことを書いている」って思わせるとか、
聞いたことがあります。
多くの人に、そんな風に感じさせる表現力って何だろう?

ひょっとしたら、
「中島みゆきという酒を飲んで酔っ払っているだけだよ」
「中島みゆきっていう安定剤を飲んでハイになってるだけだよ」
って言う人もいるかもしれないし、
後から振り返って自分でそう思うことがあるかもしれないけれど、
あれ?私って、ひょっとして究極の愛とかに
出会っていたヒト?!ある意味?!なはぁ~んて、
愛の解釈が広がった映画でした。

では、では。

cocolo