フェイブルマンズのレビュー・感想・評価
全311件中、81~100件目を表示
形作られていく自分自身
試写会にて観賞。 人生を形作るのは自分自身と言う言葉を聞いた事がある。 では、自分自身を形作るのは? 経験、感情、思想。 芸術家肌の母親と現実主義の父親との間に生まれた少年は、初めて観た映画に魅せられて、自分自身を形作り始める。 時代を経て、作られていく過程が楽しく、悲しい。 それでも、最後は笑顔になる。 今でも彼は人々を感動させ、何よりも笑顔にしている。 これから先もずっと。
Engaging Memoir by a Hollywood King
This year, The Fabelmans should be every Film 101 class' first watch. Spielberg shows the fun and inner conflicts of making movies, and how doing such intertwined with the highs and lows of his personal life at school and at home. The film is punctuated when a fellow peer director makes an humorously evocative cameo, delivering a brief yet defining lesson in art that should be hard to forget.
映画の申し子
2024年6月5日 映画 #フェイブルマンズ (2022年)鑑賞 #スティーヴン・スピルバーグ 監督の自伝的作品 科学者の父と音楽家の母という対照的な両親のもとに育った少年が、映画づくりに夢中になり、夢を叶えるまでの日々 スピルバーグの青春映画って初めて見た気がする。何でも上手に撮る人だな
難しいが面白い
スピルバーグ自らの原体験、って書いてあるけど複雑な家庭すぎるだろ! 家族の不和を表すシーンが多すぎてなかなか集中してみるのが難しいけどご飯食べながらそれぞれがあれやこれや話すシーンの密度がすごい もっとじっくりみたらまた味が出てくると思う 終盤のローガンとフェイブルマンのロッカールームのシーンは不安定にセンシティブに不思議な時間でピリピリして面白い。体育座りしている人が逆転するし、別のいじめっ子をぶっ飛ばすし、タバコも渡されるし最後は仲良く指を上げる。映画の力が関係性を変えたんだと思う。ここが原体験じゃないかなあ 最後の地平線の話と一番最後アングルが変わるのはもう少しわかりやすいけど面白い 解説記事がとてもよかった
スピルバーグができるまで
幼少期から映像の面白さに魅了され、ぐんぐんと才能を伸ばしていく様子が描かれていて面白かったです。 映像には真実が写り込んでもどのようにでも編集できる。 いじめっ子でさえもヒーローに仕立て上げられる。 そんな映像の無限の可能性に魅了されていく様が何とも興味深かったです。
デミルとフォード
セシル・B・デミルの『地上最大のショー』にはじまり、ラストは“映像の詩人”ジョン・フォード(デヴィッド・リンチ!!!)の登場で幕を閉じる。ジョーゼフ・L・マンキーウィッツのパージを巡ってデミルとフォードが対立した経緯をご存じの方なら思わずニヤリとさせられる演出である。フォードに「大衆の好みを誰よりも知っているが、わたしゃあんたが嫌いじゃよ」と言わしめたデミル。デミル→フォードへと、年齢を重ねるにつれ作風が変化してきた監督スピルバーグの半自伝的作品といわれる1本だ。 技術者の父さん(ポール・ダノ)はメカのことになるともう他のことは目に入らない。小さな電気メーカーからGEに引き抜かれ、やがてIBMに転職する理系わらしべ長者だ。しかし、家族のためにピアニストになる夢をあきらめた芸術志向の母さん(ミシェル・ウィリアムズ)にしてみれば、堅物の父さんは優しくていい人だけどどこか物足りない。家族は父さんの出世に伴って、アリゾナからカリフォルニアへと移住、生活もだんだん豊かになっていくのだが.... 黒澤明は映画作りの魅力の一つに“編集”の面白さをあげていたが、サミー初期の作品には、巧みな編集や技術的な工夫がふんだんに盛り込まれている。それは、当初大衆迎合的なエンタメに走っていたスピルバーグの(デミル風の)作風とまんま被っている。家族で車に乗ってハリケーンを追いかけるシーンや「全ての出来事に意味がある」なんて台詞を聞くと、あの『未知との遭遇』を思い出さずにはいられない。ナチスをやっつけたはいいものの味方全員を失って悲しみに浸る米軍兵士の物語は、『シンドラーのリスト』や『プライベート・ライアン』へと繋がっているのだろう。 しかし、カリフォルニアに越してきて以来、元気のない母さんのために撮りだめしていたフィルムを編集していたサミーは、そこに見てはいけないものを見てしまうのである。ここでサミー青年は、技巧的な編集には頼らないあのままの人間の姿を映し出す映画が、観客の心に刺さることを学ぶのだ。高校卒業記念に撮った海辺の映画の中で、サミーを苛めるいけすかないジョッグ野郎を美神として演出したくだりなどには、おそらくサミーの、いなスピルバーグのヒューマニズム路線への作風変化をオーバーラップさせているにちがいない。 映画関係の仕事をしているオジサン(ジャド・ハーシュ)から、映画作りにのめり込めばのめり込むほどに「芸術と家族の間で引き裂かれる」ことを予言されるサミー。結局仕事最優先の父さんと夢みがちな芸術肌の母さんが離婚したように、キャリアを最優先させたキリストオタクの彼女に、映画監督を夢みるサミーは思い切りふられてしまうのだ。が、夢をあきらめきれないサミーは、遂にそのきっかけを手に入れるのである。「地平線はどこにある?」ジョン・フォードに面会したサミーは、映画界への一歩を踏み出すのである。まだどこにも定まらない自分だけの地平線を目指して.....
映画バカ
スピルバーグ自伝的作品ということ。 昔でいう映画バカってやつだよね。そうじゃないと務まる職業でもないってこと。どこまでリアルかはわからないけど、鵜呑みにしたとすると母あって・父あって妹たちがいる、そして親父のパートナーでお袋の不倫相手がいる複雑な環境下と持って生まれたセンスが融合してんだろうね。 子供なのに仲間集めて映画作れるなんて、求心力あっての才能なんだろう。 作品を振り返ると本当に多種多様な作品作りでやっぱ天才だよね。 最後のジョン・フォード監督との地平線の話、演じてるのがデビッド・リンチ。ラストシーンに監督との話を持ってきてアングルを直す。最後まで見せ場作ってて、観ている人を喜ばせようする映画人。 2時間半楽しませてもらいました。
監督を演じる監督
は、凄いキャスティング。一見の価値。 コンピュータ技師とピアニストの子が映画に 夢中になる。 子供時代のエピソードはとても楽しい。 転居後の試練。 家庭と学校。 一方の悲劇はビデオ撮影から、他方の救済も ビデオ撮影から。 映像の魔力から離れられない人生、ってことか。 本人に関するエピソードがもっとあるか、と思った。
スピルバーグのつくりかた
スピルバーグ自身が描く、いわば“スピルバーグのつくりかた”。 原案はスピルバーグの妹のアンスピルバーグによって書かれたもので2000年よりも以前から構想されていたそうだ。 ただし逸話には両親に対する批判的な視点が含まれていたため、それによって両親が傷つくのをおそれて映画化しなかったらしい。 反面、スピルバーグの両親は家族の映画をつくれと亡くなるまでしつこくスピルバーグにせまっていた──とスピルバーグは語っている。 (スピルバーグの母親は2017年に、父親は2020年に亡くなった。) これを見るとスピルバーグの原点がセシルBデミルの地球最大のショーにおける電車と車の衝突シーンだということがわかる。 それからというものサミー少年は劇的な光景をフィルムにおさめることに腐心するようになった。 が、成長につれ彼にも浮き世の災厄が降りかかってくる。 フェイブルマンズ家は華やかでやんちゃな母親を中心にして、その周りにおとなしい父と陽気な叔父と常識的な妹たちと自分がいる。 簡素化して言うと、そんな環境下で育った映画オタクがユダヤ人蔑視と両親の離婚を通過することで私(スピルバーグ)ができました──とこの映画は言っている。 複雑な人間感情や悲しみを知らなければ何かをつくることはできない。スピルバーグは思い通りにならない人生経験を積んできた技術者だ。それがよくわかる。 個人的なレビューの方向として、外国映画をほめるために日本映画をけなす──ということをするので、それに従って言うが、日本映画界で第一義用語となっている「天才」がThe Fabelmansを見ると映画監督にまったく関係のないパラメータだということがよくわかる。 これは普通に考えて、いささかも特別な話ではなく、世間知らずの教員や政治家や学者に「働け」と指導をするのと同じようなものだ。 芸道の基本は職人としての経験値であり、物語作者としての基本は人生の経験値である。天才という謳いが映画にとってどれほどばかげたセールスポイントかきっとおわかりいただけることだろう。 The Fabelmansはずっと技術畑で生きてきたいじめられっ子のユダヤ人が悲喜こもごもを体験することでじぶん(スピルバーグ)がいかにつくられたかを語っている。 絶対の説得力だった。
スピルバーグではなくフェイブルマンズの意味
あのシーンはあの映画だな、とスピルバーグ映画のワンシーンがあちこちに隠されつつ、どうにもならない家族の辛さと愛しさと。 監督の自伝と思って映画秘話を期待するとちょっと違うけど、 大切に何度も観たい、繊細に積み重ねられた宝箱のような映画。
『フェイブルマンズ』鑑賞。半自伝的作品ではあるが、自己回顧の部分を...
『フェイブルマンズ』鑑賞。半自伝的作品ではあるが、自己回顧の部分を削り、映画の持つ力に光を当てた良作。終わりの鮮やかさも相まって、体感時間はとても短く感じた。
ベーグルマン
天才両親のもとに生まれた子サミーももれなく天才である。 映画の撮影にドはまりしその才能を開花させる。 天才ら特有の少し飛んだテンションはコミカルで見もの。 不遇と映画作りの交差も面白い。良センスの作品。 良い点 ・登場人物の面々 悪い点 ・母のウェイトがやや大きい その他点 ・日本人は仏教でもクリスマスだが ・類作「エンドロールのつづき」よりも面白いか
映画の魔力
映像で嘘をつくこと、それはとても危ない行為である。しかし、それは抗いようもないほどに魅力的なことでもある。何せ、世界を丸ごと作れるような、そんな感覚を味わえるのだから。主人公は小さい頃からの8ミリカメラで自主製作の中で、すでにそれに気づいている。単なるミニチュア模型でしかない列車の衝突がなぜ、こんなにも衝撃的なものに見せることができるのか。嘘にも関わらず、なぜこんなにも本当にように感じられてしまうのか。 映像は嘘をつく。嘘だから夢を描ける。時に現実の家族の像を歪ませることもできるし、嫌な同級生をヒロイックに見せることもお乏しめることもできる。全ては映像の世界における「神」たる作り手次第。 その嘘は、確実に現実世界にも作用する。同級生はドキュメンタリーの光景を本当のものであるかのように享受する。「ドキュメンタリーは嘘をつく」という書籍を書いたドキュメンタリー作家もいるが、まさにその通りのことが起きている。 それでも、映画作りに取りつかれた人は、邁進するしかない。そして、つまらない現実を生き抜くためにも、魅力的な嘘に僕らはたまに耽溺する必要がある。
出来事には意味がある
スピルバーグが、どのような幼少期を過ごしたのか。 家族と偏見と、時代とコミュニティ。 そういう複雑さを描いているように感じた。 物事に対するストイックさは、こどもの頃からなんだね。 凄い情熱と周囲の理解があったんだと思う。 映像を通して理解した人の感情とか、揺れみたいなものが、その後の作品に生かされてるんだろうな〜。 そういうところが、無駄なく描かれてるところが、スピルバーグの凄さかも。 家族の、母親へのオマージュなのかな。
さすがとしか言いようのない名作に。
第95回アカデミー賞では作品賞・監督賞・主演女優賞など堂々7部門にノミネートされ、S・スピルバーグの監督賞位はあるのかな?と期待していましたが、残念ながら無冠に終わってしまいましたね。 (エブエブの圧勝過ぎて・・・) ちなみにゴールデングローブ賞では作品賞と監督賞を受賞しており、やはりGG賞は推せる! スピルバーグの自伝的作品なので、いわゆる“超大作”感はありませんが、主人公のサミー・フェイブルマンの少年時代から映画監督を目指す青年期までを描いていて、のんびり鑑賞していたら(やられた~!)ってなる秀作でした。 5歳のときに両親に連れられて初めてみた映画が「地上最大のショウ」っていうのもいいですよね。ここは実話だそう。 で、列車激突のシーンに心を奪われたサミー少年。あの映画の中で一番のシーンがそこだったのね(笑)。そして後のあの作品に繋がっていくんですねぇ。 8ミリカメラでの撮影に夢中になる少年の目はキラキラと輝いていておそらくスピルバーグ少年そのものなのでしょう。 ユダヤ人として差別を受けたり、両親が離婚したり、スピルバーグの原体験がベースになっています。 プラムのシーンは近作の「ウエスト・サイド・ストーリー」とのリンクを感じましたし、ここはあの作品に繋がっているんだろうな、などと考えながら観ているととても楽しかったです。 音楽はジョン・ウィリアムズ。そりゃあそうよね。 「バビロン」「エンパオア・オブ・ライト」など最近は偶然なのか何なのか映画愛を語る作品が多く、この作品もその類なのですが、でもただ映画を賛歌するだけではなく、撮り方ひとつで伝わる物が全然違ってくる、という映像の怖さもしっかり描いているんですよね。そこが本当にスピルバーグの素晴らしいところです。 父親役にポール・ダノ、母親役はミシェル・ウィリアムズ。ミシェルお母さんに主演女優賞をあげたかったなぁ。 家族の物語というとてもパーソナルな作品ですが、退屈に感じるヒマは全くありません。スピルバーグ流のユーモアもたっぷり。 クライマックスでサミーがある映画界の大御所に会わせてもらえるシーンがあるのですが、待っている前室に貼ってあるポスターの数々でその大御所が誰なのかがわかり、対面前から目頭が熱くなっていました。 そしてその大御所を演じていたのもかなり意外な人物でびっくり! そこからのラストの地平線のオチね。クスっと笑えて(さ~すが~)って爽やかな気持ちに。 それにしても西部劇がかなりお好きのようですよね。 スピルバーグ版の西部劇、是非とも拝見したいものです! ところで。 アカデミー賞作品賞にノミネートされた10作品のうち、日本での公開がまだのものを除いて全て観ましたが、わたしデミー賞は「フェイブルマンズ」の圧勝でした。
続きが観たいなぁと思った…
スピルバーグの自伝的作品ということなので、ミーハーな気持ち満点で観た。彼の作品から感じていたのは、父親の不在だったが、この作品を観てみると、どうやらそれだけでもなさそうだ。母親が良き理解者であったことは間違いないが、もっと複雑な事情も垣間見えた。父親は仕事はできたようだが、母親の気持ちを理解していたとは思えない。ピアニストとしての野心とか、家族を思う心とか見えていなかったように感じた。両親の離婚は子どもに深い傷を与える。それは作品の端々からずぅっと感じてきたが、やっとその本当の思いに触れることができてよかった。スピルバーグの気持ちの一端が理解できた気がする。そして、最後のご褒美。思いもよらなかったので、めちゃくちゃうれしかった。だから、映画界に入ってからのスピルバーグの足跡も知りたいなって思う。
全311件中、81~100件目を表示