フェイブルマンズのレビュー・感想・評価
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映画に心を奪われた1人の少年の普通の人生
観た人は「あれを普通と思うか?!」と感じるかもしれない。
映画館で初めて映画を観て、あるシーンの虜になった少年が辿った人生は、
たしかに特殊に見えるかもしれない。
でも、人生の苦しみや葛藤や怒りは他者から見えないだけで、誰しもが抱え込んでいるものだろう。
サミー少年の場合、それが映画を好きになったことに起因しているだけである。
思っていたのと違うという感想もちらほら見かけた。
それも納得できる。あのスピルバーグ監督の半自叙伝的と聞いて、想像する内容とはかけ離れている。
数々の名作を世に送り出した巨匠の少年期、さぞかしドラマティックで映画愛に満ち溢れているのだろうと思ったら、
ドロドロのファミリードラマだったのだから。
カメラが撮るのは揺ぎ無き真実でも、それが編集によって虚構となる。
映画という芸術の本質を若くして悟ってしまった少年サミーの痛みを伴う人生記だった。
これをスピルバーグ監督の半自叙伝とするのであれば、彼にはやはり映画を愛する心があるんだと思う。たとえ、痛みを伴っても映画を作り続け、生涯を捧げてきた監督の人生がそれを物語っている。
良い作品
いいよねー、こういう作品。
映画にひかれた少年と取り巻く人たちのヒューマンドラマ。
特に大きな山場はないものの、山あり谷ありで長さを感じさせない。
母親がいい味出してるんだよね。
なんかこう、主人公を導いているようでやはり人間なんだな、という。
それ以外もキャラクターが活きていて、非常に良い関係になっている。
もう少し時代の流れだったり、その時の映画だったりが出てくると個人的には良かったかな、と。
…まぁ色々書いたけど、当たり障りのない良作だつたかなw
感情移入しにくい
文化・宗教観の違いかな?
端折ってるのか、唐突な展開が所々あり、
登場人物の思考もよくわからず。
「なんでここでこうなる?」ってのが多かった。
導入部の少年時代は良かっただけに残念。
どうせなら映画界デビューまで見たかったが、
そうなると「フェイブルマン一家」でなくなるか。
たぶん表現が大げさなとこがフィクションなのだろうが、どこらへんが史実なのか興味が湧いてきた。
スピルバーグ自伝でも手を付けてみようか?
ママのその後とか…(レストラン経営するらしいが)
時代背景的に「バビロン」の続きのような感じもした。
スピルバーグの家族ストーリーがメイン
いかにして、スピルバーグが誕生したのかという物語ではなく
スピルバーグの家族の物語がほとんど占めていた
家族ストーリーが苦手な人には少し微妙に感じてしまうと思う
映像配給会社に入社してからの物語をもう少し、描いてほしかった
スピルバーグが映画監督なるまでの自伝かと思って観たら、そうではある...
スピルバーグが映画監督なるまでの自伝かと思って観たら、そうではあるけどそうではない。肩透かしを食らったようでいて、でも、いい作品。光がきれい。デヴィッドリンチはずるい。
トイレットペーパーのミイラに一番ハマった⭐️
初めて観た映画「地上最高のショウ」に心奪われ映画作りに没頭するようになったサミー少年
両親に愛され妹達も兄の映画作りに協力し幸せな家族の姿に前半は観客誰もが白い歯を見せて微笑み、口元も緩み優しい表情でスクリーンに入り込んでいた事だろう…
マスクが緩和されたと言えまだまだ観客が同志になる感を得られるのは先になりそうだな…
そして物語は進み成長したサミー
イジメや淡い恋…彼の思春期の悲しみや喜びなどが描かれ巨匠監督の自伝的物語と言う敷居の高さがなく美化され過ぎていないところに
誰もが共感出来るのかも知れない
後半、イジメの元凶ローガンが自身の外見にそぐわない内面の醜さをサミーが映したフィルムの中で気付き動揺し自己を責める
母の時もそうだったがサミーのフィルムは被写体の内の真実を映し出す
己の本質に気付き変わって行くであろうローガンとサミーのロッカー廊下のシーンには心揺さぶられました
家族愛と映画愛に溢れる上質作品!
キャストの皆さんの素晴らしき演技を拝めた事
この作品の観客になれた事に
スピルバーグ監督!感謝します!
未来に向かって走り出したサミーのその後も
見届けたい私です
好きなことを仕事にする
好きなことを仕事にできる人は幸せだ。自分の好きなことはあくまで趣味にしかならず仕事にはならない、それでお金を稼ぐことは難しいという考えに至り、夢を諦める人は多い。私自身も映画は相当好きなものの1つであったが、そういった類のものを仕事にすることはできず、今は好きなことで仕事をしていない人間の1人である。
主人公のサミーは、映画や写真や音楽などに興味を持ち、それらを通して自分の感情や考えを表現していく。周りから理解されなかったり反対されたりすることもあるが、自分の好きなことを貫いていく。母親のミッツィは、芸術家肌のピアニストで、息子の夢を応援しているが、父親バートとは仲が悪く、父親の親友ベニーとの浮気が発覚してしまう。最後はバートとは離婚し、ベニーの元へ行ってしまうという結果となり、自分自身に正直に生きていく。
この映画に出てくる人物は、世間に縛られることなく表現者として自由奔放に生きている人が多いが、そのセリフの中で「芸術は麻薬である」「自分自身を表現することは誰かを犠牲にしたり、傷つけたりしてしまうことがあるが、それを怖れないで」「映画製作は心をズタズタにする」というものが印象に残った。この言葉からは芸術に取りつかれた人間の狂気を感じるが、その一方で、芸術に熱中して仕事にすることができるのは幸せなことで才能を持った数少ない人だけに許された特権なのではないかとも思った。
父親には趣味にしかならないといわれた映画製作を仕事にして見事才能を開花させたスピルバーグは、今後も良質な映画を製作して人々を楽しませていくだろう。憧れはあっても元々才能がない凡人は、彼のような才人の作品をたくさん観て評価する側にまわるほかない。
あえての酷評
映画鑑賞にハマったきっかけは小学生の頃に観た「E.T.」でした。
「ジュラシックパーク」と「シンドラーのリスト」を同年に観せられたときには、本当のエンターテナーとはこういう人のことを言うのかと衝撃を受けました。
「バビロン」「エンパイアオブライト」と映画愛3作品と勝手にグルーピングして、締めくくりに期待を寄せていました。
それだけに、スピルバーグの生い立ちを観られたこと以外は、全体の流れが単調で、少し残念でした。
「これをつくっておかないと」と予告で発言されていたのに対し、家族のあれこれ、映画製作への歩み、ユダヤ人への偏見と、焦点がどこにあったのか不明確な感じだったせいでしょうか。
どんなに優れた才能をもってしても、自分語りは難しいということでしょうか。
「衝突」の原点、「E.T.」を思い出させるクローゼット内の景色等を楽しみながら、どんな「THE END」になるのかと思いながら観るなかで、最後にジョン•フォードを登場させたことで、爽やかな気持で劇場を出ることができました。
この先も楽しませてくれると信じています。
おじさんの匂いがした
いい意味でおじさんの匂いがしました。ストーリーの中の感情は、時勢とか分かってないと感情移入しにくいと感じましたが、スピルバーグは色んな情緒、出来事に、触れて今でもそれらと真摯に向き合っているんだろうなと感じました。ラストの伏線回収には気付きませんでした。まだまだ勉強足りない。。でも最後の監督の言葉は印象に残っています!
すごかった
想定を上回る表現や展開が連発し、感動しながら圧倒される。
お母さんの浮気動画を作ったら、みんなの前で上映してしまうのではないかと思ったら、そんな安い表現はしない。お母さんだけに見せる。お母さんはお父さんや家族を愛していながらも、浮気相手にひかれる。人間である以上どうしようもないことだ。お父さんの立場もつらい。
ビーチでの撮影で、いじめっ子に恥をかかせる動画を作るのかと思ったら、輝かしくかっこよく表現して、それで相手の心を傷つける。理由が「5分だけでも友達になれると思った」なんて切なさだ。傷つく相手も繊細だ。
8ミリが上手すぎる。すでにプロ級だ。
人生の春を描いた物語で、これから先夏が来て秋と冬も来る。想像しただけで涙が出る。
編集
映画のことを知らなくても有名な監督って誰?ってなればきっとスピルバーグ監督の名前が出てくると思う。それくらい圧倒的な存在感を示している監督。
そんな彼がどうして映画を選んだのか。
あるいは映画が彼を選んだのか…。
スティーブンスピルバーグ監督の幼少期から映画界に入るまでの思い出をもとに、サミーファブルマンズというキャラクターを通して映画化した本作。
スピルバーグ監督の映画の源流がこの作品に詰まっている!
映像の使い方を見誤れば多くの人を傷つける事もあるし、愛されることもある。
まさに映像の魔力。
そして映像は真実を映す時もある。
それは作り手の思いだったり、カメラを通して見えてくる憧れや、想いといった感情だったり。そんなフィルムを集めてカットできる部分と、カットできない部分を取捨選択していって物語が作られていく。
サミーが作るショートフィルムがいくつか出てくるのだが様々なアイデアには溢れていて映画の見せ方が画期的なんだなと気づかせてくれる。それらの作品が後々のスピルバーグ作品に反映されていくんだと思うとワクワクが止まらなかった。
楽しく才気に溢れて作り続けたサミーの作品が徐々に物議を醸し出してくると、アートと家族と好きを突き通す事の物語へと加速していき、見ているものの心を揺さぶっていく。
ラストの一瞬まで映画の面白さが溢れていて最後は泣きながら笑ってました。あの照れ隠し感がアメリカ映画だなと思わせてくれるんですね。
正直今の拙い語彙力ではネタバレをしなければこの作品の感激や、感動をうまく表せないのが悔しい!!
映画の面白さ、編集する意味、好きな事を仕事にする覚悟について深く深く考えさせられました…。
最近のスピルバーグ作品ではダントツで好きな作品。今年ベストになるんじゃないかなと。脚本のトニークシュナーはミュンヘンやリンカーン、最近だとウエストサイドストリーなどを一緒に手がけた方。なのでスピルバーグ監督との付き合いはとても長いそうで、そう言ったキャリアを通じで本作は完成したそうです。
俳優陣のミシェルウィリアムズ、ポールダノ、セスローゲン、ジャドハーシュ、ガブリエルラベルとどのキャラクターたちも大変良かった。特にポールダノのラストの芝居には切なさに胸を打たれました。
映画に対する多種多様な想いがたくさん詰まっていて大変満足感が高い作品。
またこういった映画が見たいです。
スピルバーグ監督!!
スピルバーグ離れ
映画を作る僕的には果てしなく最高な映画だった。
ただ、10代20代はもう、スピルバーグを通ってきてない。
私はオタクなので、語り口調とユーモアのスピルバーグらしさに一喜一憂して終始興奮状態だったが、
多分これ、若者見たら寝ると思う。
あとは芸術を志したことがない人も。
ヒットする幅は狭いけど、ヒットするともう立てないくらい。
観てから一週間、何も映画が見れていない。
いじめっ子をヒーローみたいに映したエピソードが
好きな映画シーンのTOP10にはいるくらい鳥肌たった。
私すごいわかる。
前へ進もう! フェイブルマン家の物語
スピルバーグ監督御本人のお話かと思っていたら、一家の物語だったのですね。
家族のストーリーとして非常に面白かった!両親・きょうだいそれぞれが個性的、周囲からの様々な影響を受けながらサミーの映画人としての素養が築かれていったのでしょうね。
ややエキセントリックなアーティストのお母さま、ロジカルな思考で物事を突き詰めるお父様、両方の良いところも悪いところも受け継いで、大人になってもそれぞれは離れてしまってもリスペクトしあいながら心は繋がっている。
物事には理由がある、前へ進め!
サミーのサクセスストーリーというよりか、家族の物語として秀逸でした。
両親への深い想いに溢れた作品
両親に連れられ、初めて映画館で観た映像に目を丸くした少年サミー・フェイブルマン。後々巨匠となる彼が、葛藤し歩んだ自らの青年期を描いた作品。
多くの俳優が演じたかったであろうサミー・フェイブルマンを、ガブリエル・ラベルが見事に演じる。
悩みながらも母として家族を支えるピアニストミッツィをミシェル・ウィリアムズが、家族を大きな愛で包むコンピューターエンジニアの父バートをボール・ダノが演じる。
母親を…そして父親を見つめるサミーの眼差しが痛い程切ない。
エンドロールで流れるピアノの音色が美しく、巨匠スピルバーグ監督の両親への溢れる思いに一層心が揺さぶられた。
ーリアに捧ぐ
ーアーノルドに捧ぐ
映画館での鑑賞
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