「日記」フェイブルマンズ U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
日記
監督の撮る映画は好きだけど、監督に興味があるわけでない俺には、さして感動する様な物語ではなかった。
が、
なぜ自らの自伝を撮り商業ベースに乗せようと思ったのかには興味があった。
意図はなんだろう?
興行収入を見込めると算盤を弾いたのだろうか?
見終わって思うのは、えらく客観的な視点だったなぁと。本人が本人を撮ってる訳なのだけど、あまり本人である事への執着を感じさせない。
とある作品の登場人物。
それ以上の感想はなかった。
…それはそれで凄い事なのかもしれない。
こうこうこうで、こんな事があったからスピルバーグが出来上がったんだな。
そんな事を解析するような物語だった。
衝撃的な映画との出会い。
それ以降、彼の隣にはいつもカメラがある。
青年期に至り、カメラから離れるも物理的な接触を持たなかっただけで、常にどこかにはあったのだろう。
映像における表現を模索する少年期などは見応えあった。自分のイメージが具現化された時の充実感は格別であろう。
そして、この映画で語られるスピルバーグは、やっぱり普通ではない。
変人だ。
彼の両親は、よく彼を理解できてたなあと思う。
いや、むしろ、映画制作に傾倒していた事が隠れ蓑にでもなっていたのかもしれない。
自伝なだけに彼を形作った金言がちょいちょい出てくるのは、楽しかったな。
自分で自分の生い立ちを撮るなんて、これ以上に小っ恥ずかしい事はないと思うのだ。とはいえ、第三者にハリウッドの流儀に則って、色々デコレーションされるのも違うのだろう。自伝でありながら、それが自伝ではない事が自分だけが知っているみたいな居心地の悪い環境はゴメンだろう。
やむにやまれすぎ2択を迫られたら、自分で撮る方が、まだ誤解は少なくて済む。そんな事なのかしら?
劇中、イケメンがスピルバーグ少年にブチギレた内容によく似てはいる。
なんかの記念なのかしら?
それとも、不治の病でも宣告させたのだろうか。
…まぁ、俺の思考が及ばないとこに理由はあるのだろう。
「地平線が真ん中にある絵はクソ程面白くないっ!」
この言葉は覚えておきたい。