劇場公開日 2023年3月3日

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「好きなことを仕事にする」フェイブルマンズ ミカエルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0好きなことを仕事にする

2023年3月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

好きなことを仕事にできる人は幸せだ。自分の好きなことはあくまで趣味にしかならず仕事にはならない、それでお金を稼ぐことは難しいという考えに至り、夢を諦める人は多い。私自身も映画は相当好きなものの1つであったが、そういった類のものを仕事にすることはできず、今は好きなことで仕事をしていない人間の1人である。
主人公のサミーは、映画や写真や音楽などに興味を持ち、それらを通して自分の感情や考えを表現していく。周りから理解されなかったり反対されたりすることもあるが、自分の好きなことを貫いていく。母親のミッツィは、芸術家肌のピアニストで、息子の夢を応援しているが、父親バートとは仲が悪く、父親の親友ベニーとの浮気が発覚してしまう。最後はバートとは離婚し、ベニーの元へ行ってしまうという結果となり、自分自身に正直に生きていく。
この映画に出てくる人物は、世間に縛られることなく表現者として自由奔放に生きている人が多いが、そのセリフの中で「芸術は麻薬である」「自分自身を表現することは誰かを犠牲にしたり、傷つけたりしてしまうことがあるが、それを怖れないで」「映画製作は心をズタズタにする」というものが印象に残った。この言葉からは芸術に取りつかれた人間の狂気を感じるが、その一方で、芸術に熱中して仕事にすることができるのは幸せなことで才能を持った数少ない人だけに許された特権なのではないかとも思った。
父親には趣味にしかならないといわれた映画製作を仕事にして見事才能を開花させたスピルバーグは、今後も良質な映画を製作して人々を楽しませていくだろう。憧れはあっても元々才能がない凡人は、彼のような才人の作品をたくさん観て評価する側にまわるほかない。

ミカエル
琥珀糖さんのコメント
2023年5月25日

フォローありがとうございます♪

好きなことを仕事に出来る人は、やはり選ばれた人でしょうか。

スピルバーグ監督も78歳。
私の尊敬するイーストウッド監督のように、90歳まで映画をずうっと
見せてほしいと思います。

琥珀糖