「さすがスティーブンスピルバーグ」フェイブルマンズ バレルウィリアムスさんの映画レビュー(感想・評価)
さすがスティーブンスピルバーグ
まず最初に伝えたいのはこの映画は自伝でありドラマのカテゴリーに入るということ。この前提を分かった上で鑑賞してほしい。スピルバーグ監督作品だからと言ってジュラシックパークやインディジョーンズみたいな面白さを期待しないで欲しい。
その上で以下評価。
・悪い点
台詞で具体的に気持ちを述べるシーンがあまりにも少ないため、表情や雰囲気で気持ちをこちらが汲み取る必要がある。そのため、感受性が劣っていると「なんだかよくわからなかったな」という感想だけが残ってしまうだろう。悪い点として述べているが、どちらかと言うと観る人を選ぶということを伝えたい。感情が理解できればこの映画は何倍にも解釈が広がる作品となるだろう。
また、楽しむために必要な前提知識が少し必要になるところも挙げておきたい。時代設定が古いため、作中に登場する作品や監督名があまり知らない人も多いと思う。そのため、「あっ、この監督は…」というような熱いシーンも理解できないことで少しつまらないと感じてしまうシーンも多いだろう。
・良い点
さすがスピルバーグ監督と言いたいくらい序盤のテンポが良い。幼少期をダラダラとやると確実に寝る人が出てくるので、こういったテンポの良さは他の映画も見習いたいところ。これは長年ヒット作を生み出してきたが故のノウハウが光っている。
ストーリーのネタバレになるが、父親が母親の浮気に気付いていることが序中盤の父親のなんとも言えない哀愁漂う表情から汲み取ることができる。観てる側なんか違和感を感じることができるのはこの俳優の演技が素晴らしいためであることは言うまでもない。俳優の名前はポール・ダノというのだが実は昨年に公開されたザバットマンのリドラー役としても出演している。ここで深く語るのはやめておくが、ザバットマンでの演技もとても素晴らしいので気になった人は是非鑑賞してみても良いだろう。
まだ、この映画の良さを語り足りていないが、これは間違いなくスピルバーグ監督の作品であり、今年観るべき作品のひとつであることは間違いない。
また、観たいので星5。