劇場公開日 2023年3月3日

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「デヴィット・リンチ…だと…?」フェイブルマンズ BONNAさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0デヴィット・リンチ…だと…?

2023年3月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

誰だっけ、この眼帯のおっさん。なんか見たことあるけど…と思っていたら、とんでもねえお人でしたね。
だが、この作品はスピルバーグ監督作。前作ウエストサイド某の悪夢(個人的に旧作が素晴らしすぎたことと、丁寧だけど説教くさい話の運びが気に入らなかったのですが、あくまでいち個人の意見ですと強調)のトラウマにより、今作はどうかとかなり構えて観に行きましたが。

いやあ、良かった。素晴らしかった。

一見していち映画マニアの話かと思いきや、ちょっと複雑な関係性にある家族の話だったり、芸は身を助く話だったり。
監督の自伝的な内容とのことで、どこまでが本当かはわかりません。ただ、どの世代にも満遍なく刺さる内容だと思いました。
個人的に(なるほどなあ)と思ってしまったのが、家族には理解されないけれど、趣味や熱中しているものが共通している他人ほど、自分のことを理解してくれるということ。
好きだから分かり合える。あるいは同じ血を引いているから分かり合える、ということではないんですよね。
そこを、ある程度の妥協点を見つけて歩み寄れるか。
歩み寄らずに己が道を行くか。

ラスト付近の父ちゃんの、とある決断。
家族だけど、自分とは考え方も生き方の選択も違う主人公に向けて、よくあの決断をされたなと少し感動してしまいました。
我が子だけど、自分とは違う一人の人間として尊重すること。
わりと多くの大人たちが出来ていないことだと思います。私もそうですが。

母ちゃんは…うん。
どこからどこまでが演技で、どこからどこまでが本音だったのか。
それはあのデカいイケメンにも言えますが。

やっぱり自分の得意なことを褒められるって、自分が認められたと思えるし、最強に嬉しいことだよなあと感じたお話でした。
監督。今作はとてつもなく良い話でした。はい。

BONNA