「誰もが心に秘める怪物の正体。シリアスな心理ホラーだった。自分が同じ立場だったら‥誰に起きても不思議ではない恐怖。」マンティコア 怪物 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
誰もが心に秘める怪物の正体。シリアスな心理ホラーだった。自分が同じ立場だったら‥誰に起きても不思議ではない恐怖。
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鑑賞前はなるべく情報を入れない主義なので、本作はてっきりホラーだと思っていたら、想定外にシリアスな問題作で驚きました。
誰もが心に秘める怪物。
終盤、女性の家を出てから、この先どこまでやってしまうのかと、急にドキドキしながら観ていました。
少年の描いた「マンティコア(神話の怪物、マンイーター)」の絵に自分の名前があるのを見る衝撃。
本当にどこまで具体的に表現するのか。
どこで急に暗転して、エンドクレジッきトが流れても不思議ではないと思いながら、観続けると、意外なラスト。
最悪なエンディングかと思いきや、最後の最後で、この時はじめて心の安らぎが得られたのではないか。
ある意味ハッピー・エンドだったのだ。
・・・と感じたのですが、鑑賞後、高森さんのレビューを読んで、この作品のカルロス・ベルムト監督が3人の女性から性暴力の告発を受けて、そのことがきっかけで「スペイン文化省」に相談窓口が設置されたと知り、複雑な心境。
このことは検索しても、数件しか出てこない。
映画公開時の宣伝でもパンフレットでも、そのことに一切触れられていないのが、非常に気にあります。
(有罪判決が下りたわけではないからか。)
ゲームキャラのCG作成風景とか、主人公御用達の日本料理店KITSUNEとか、劇中で言ってた伊藤潤二の新作が何だったのかとかなど、有名な監督の日本オタクネタとか、ラストの夜観ると言っていたホラーが何なのかとか、どうでもよくなった。
鑑賞後パンフレットを読んで、少年に女が似ていたから惹かれたとか、女は介護依存という一種の性嗜好だったとか(そこまでだったか)も、気付きませんでした。
鈍くてごめんなさい。
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