「【”「遠野物語」早池峰山バージョン。”抑圧された暮らしの中、決して奪う事の出来ない人間の尊厳を保つ若き女を早池峰の神は見ていた。山田杏奈の屹立した存在感に瞠目した作品でもある。】」山女 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”「遠野物語」早池峰山バージョン。”抑圧された暮らしの中、決して奪う事の出来ない人間の尊厳を保つ若き女を早池峰の神は見ていた。山田杏奈の屹立した存在感に瞠目した作品でもある。】
ー 今作は柳田国男「遠野物語」に着想を得たという。
そして遠野物語に早池峰山が欠かせないのはご存じの通りである。
初夏にはハヤチネウスユキソウが山の斜面のあちこちに咲く、遠野の民の信仰厚き山である。ー
■<Caution! 内容を民話風に記載しています。>
昔々、早池峰の麓に貧しき村あり。冷夏が続き、穀物は取れず村長(品川徹)が巫女(白川和子)に占って貰うも良き兆しなし。
村の中に曽祖父が起こした火事のために村八分になっている家在り。
田畑を取り上げられ、村の中でも疎外され、間引きした子を川に流すなど汚れ仕事で糊口を凌ぐ。
ある日、父(永瀬正敏)が米を盗むも、その罪を娘リン(山田杏奈)に被せる。
リンは、父を責めず、山の結界の前で草鞋を脱ぎ、山の奥に歩み入る。
そして、白いざんバラ髪の山男(森山未來)に遭う。
最初は動物の生肉を喰らう姿に恐れつつも、リンは物言わぬ山男と生活を共にするようになり、山男に蔓で編んだ服を着せてやったりし、彼女は初めて生きる喜びを体感する。
そんなある日、リンと山男の所に、村の中で唯一リンを気遣う男タイゾー(二ノ宮隆太郎)と、迷っていたマタギたちが現れリンを庇う山男を鉄砲で撃ち、嫌がるリンを村へ連れ帰る。
村長は村人たちと話し合いリンを早池峰の神に捧げる事で、夏の陽光を取り戻そうとし父もそれに同意する。
夜、竹の檻に入れられたリンの元に父が来、リンの好物を差し入れるも口にせず。
そこに山男が一瞬現れ消える。
翌日、リンは抗う事無く、村の広場で火刑に処されることになるが、村人2人(山中崇、川瀬陽太)が火を付けた途端、黒雲沸き起こりリンの周囲にのみ驟雨が激しく振り火は瞬く間に消え、雷鳴轟きリンが磔にされていた木を薙ぎ倒す。
恐れ戦き、手を合わせる村人の中をリンはフラフラと歩み去って行く・・。
不可思議極まりない「山女」の話。
どんとはれ。
<今作は、遠野物語を基調にしつつ、村の中で抑圧された暮らしをしているリンや弟が人間としての尊厳を失わず生きる姿を、早池峰山の姿を背景に描き出した寓話的作品。
リンを演じた山田杏奈さんは、そのお姿は幾つかの映画で観ていたが「ひらいて」の演技で刮目した若き女優さんである。
今作でも、永瀬正敏、三浦透子、森山未來と言った名だたる俳優の中で、屹立した存在感を放っている。
又、山男を演じた森山未來さんの、神秘的とも言える演技にも驚いた作品でもある。>
<2023年8月14日 刈谷日劇にて鑑賞。>
NOBUさん、コメントありがとうございます。
>「忘れられた日本人」
読んだことの無い本です。
ネットで手配して読んでみようと思います。
ご紹介ありがとうございます。
東北の2000メートル級は全て登った とはすごいですね。
体力無しの私にとっては「山は眺めるもの」です。・_・
早池峰山を眺める「凛」の、山に寄せる気持ちが
少しは分かるような気もします。
こんばんは!
コメントありがとうございます♪
鴨志田さん西原さんから宮本先生、柳田先生まで網羅しておられるとは!!NOBUさん恐るべしです!!
私は柳田先生の「遠野物語」は途中離脱したクチでして。。
宮本先生に至ってはNOBUさんに教えて頂くまで存じ上げず、先ほど調べてみていくつか記事を読みました。
「土佐源氏」も短いお話しなので、私も理解出来そう?なのでチャレンジしてみます!
そしてNOBUさんのお書きになった民話風のレビューが素晴らしく、子に読んで聞かせました。
こわいなあ。晴れないと野菜とかとれないし、みんな餓死しちゃうじゃん。。と。
こわいからもうやめてと言われました( ̄∇ ̄)
本作は自然の偉大さ、崇高さ、荘厳さに圧倒され、生きるとは何かを考えさせられた作品でした。
3年振りの五山の送り火断念ですか( ; ; )
祇園のらんちき騒ぎは
さて置き(笑)
←飲み過ぎ注意報出てます!
残念でしたね。。
こちら横浜も台風の影響でずっと雨。。これ以上の被害が出ない事をお祈りするばかりです。