「唯一無二のロックスター」デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)
唯一無二のロックスター
ミュージシャンというよりアーティスト。存在自体が現代アートとも言えるデヴィッド・ボウイ。50年前に自らを"ジギー・スターダストという宇宙からの訪問者"に見立ててコンセプトアルバムを発表し大ブレイク。真っ赤な髪に派手なメイクとコスチュームで世界中をあっと言わせた。30歳を過ぎると一転。スタイリッシュなロッカーに。そのカッコ良さに皆ひれ伏し、映画、ファッションショー、テレビCMにとさまざまなメディアに露出した。とにかくかっこ良かった。渋めのファッション(特に色づかい)、参考にした人多いんじゃないかな。
映像は20代の派手なボウイと30代以降のスタイリッシュなボウイのステージが交互に現れ、次から次へとヒット曲が流れる(その分楽曲がフルに流れることはないけど)。エンディングはお待ちかねのスターマン。
また、ミステリアスな彼の内面を探ろうとインタビューの映像も流れる。20代の彼は"デヴィッド・ボウイ"を演じようとしているように見えた。30代は自然体で気負いがない分、話は面白くない。感性の人なんだろうな。
そして彼の描いた絵とファッション。40代、50代の映像も。デヴィッド・ボウイの映画らしく、映像もまた都会的でスタイリッシュ。トシを重ねても、かっこ良さは衰えず、そのカリスマ性に多くのアーティストが影響を受けたのではないだろうか。
亡くなって早や7年。まさに唯一無二の存在。彼自身が芸術でした。
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