Pearl パールのレビュー・感想・評価
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シリアルキラー老婆の若く激しい生き様と前作から見た原点
ついに前作Xの続編、時系列的には過去のお話ですが、パールおばあちゃんの若き物語。パールおばあちゃんの10代若かりし時はXの住居と変わらず田舎の家で、母親は現実主義の保守的、父親は病でほぼ動けなく恋人は戦争へ出向き、日々はつらつとしていない日々。そんなパールの楽しみは買い物ついでに映画館で映画を観ること。そこでダンスをする映像に心動かされ、いつしかダンサーとしての人生を夢見る。将来の彼がいながらも、映画館の映写技師と関係を結び、友人から共にダンサーオーディションの誘いを受け、パールの辛い両親の田舎生活から脱出し、ヨーロッパに行く一世一代の夢へのチャレンジが始まる。
パールは元から少しモラルがずれており、とても衝動的。なので殺人を犯すのも基本躊躇なく、成功している自分である姿しか認められない。パールにとって人生の障害になりうるものであればそれは排除対象、なぜなら自分の人生は成功している状態でなければならないのだから。
終盤10分ぐらい友人に今までの過ちを告白するシーン。画角はパールのみを捉えておりかなりの長台詞、見入ってしまいました。ラスト戦争から恋人が帰るも食卓に死んだ父、母を椅子座らせ、パールが笑顔でで迎える。その後エンドロールになりますが、なんとパールの笑顔映像がバック。人間あそこまで笑顔だとやっぱり恐怖ですね。
今年ホラー映画ベスト10には入ると思います。
2022年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️✨
いやぁ、なかなか震えるストーリーでした!
と言うか…これ、…
ここ十数年来の、どころか歴代ホラー作品の中でも、間違いなくベストの1つと言っても良いぐらいのホラー名作でしょう!笑
『悪魔のいけにえ』にかなりインスパイアされているとはいえ、正に『悪魔のいけにえ』を初めて観た時のような"狂気"を、スクリーンを通して感じることが出来ました…大袈裟でなく笑
*殺人がいくつか繰り返されますが、ラストの斧を持って追っかける場面の、なんと名場面なことよ!この監督のセンス最高です!
*ミア・ゴスの演技が素晴らしかった…個人的にはアカデミー賞もんでしたね!笑
*今回は本編終了後に、三部作最終作の予告編がありませんでしたが、映画パンフレットにタイトルだけ記載されていますね。
*次作がもう楽しみ過ぎ!ですわ…笑
【”オズの魔法使、血塗れヴァージョン。”常人の殻を破って、狂気に侵されて行くサイコキラーのヒロイン。エンドロールでのミア・ゴスの笑いから引き攣った泣き笑いに変化していく表情は忘れ難き作品。】
ー 舞台は1918年のアメリカの農場。ミュージカル映画を見たパール(ミア・ゴス)は毎日の鬱屈とした気持ちを紛らわせていた。-
◆感想
・パールも怖いが、パールの厳格なドイツ系の母のパールに対する態度が怖い。父は全身麻痺だし・・。パール一家自体がおかしいのである。
・オープニングロールは、完全にミュージカル映画調である。
ー そして、映画を愛する彼女は映写技師と恋に落ちるが、家まで送ってくれた技師を刺し殺す。”私の苦しみを味わわせてやる!”サイコキラーと常人が入れ替わり出現する多重人格者であろう。楽しそうに映写技師を沼に沈める。-
・パールはその前、鵞鳥を串刺しにし、池に住むワニに楽しそうに餌として与えている。
序でに、口うるさい母とオーディションの事で争い、母は火だるまに。父も序でに窒息死させる。
・パールは念願のオーディションに不合格。義理の妹、ミッツィーは隠していたが合格していた・・。
ー その後、彼女が第一次世界大戦に出征している夫の妹ミッツィーにパールが超長廻し台詞で喋っている時に、彼女が小さな生き物から殺していた事が分かる。
因みに、この長台詞のシーンのミア・ゴスの演技は鳥肌モノである。-
・そして、パールは逃げるミッツィーを斧で追いかけ頭を叩き割って殺害。
ー だから、サイコキラーになっているパールに背を向けては駄目だって!で、又楽しそうに沼にバラバラにしたミッツィーを投げ込む-
■一番怖かった所
・戦場から無事戻って来た夫が、家の中で見たモノ。それは焼けただれ腐乱した母と、父が腐った蛆が這いまわる豚の丸焼きが乗ったテーブルに向かって座って居る姿である。
そして、現れたパールの満面の笑顔から、エンドロールが流れる中、引き攣った泣き笑いになる表情の変化が物凄く怖いし、ここもミア・ゴスの演技炸裂シーンである。
<今作は、ミア・ゴスの演技の凄さ、気持ち悪さ、怖さに引き込まれる作品である。
いやあ、日曜日の朝から凄いの観ちゃったなあ・・。全然、腹が減りません・・。>
前作は鑑賞していません。
サイコパスというより軽度の知的障害者にみえた。
母親は娘の異常性に気付いていて、それで農場に閉じ込めてこめているような事を言っていたが、そんな母親も相当闇が深い。資質もあるだろうが環境が彼女を作った感もある。
オズの魔法使いみたいと思っていたら残虐行為、ギャップがいいわ。
ヒステリックなメンヘラ女
ミア・ゴスの顔芸がお見事👏
しかし、そこまで🤣
個人的には「X エックス」はそこそこに←
好きだっただけに、その前日譚となる本作は
とても楽しみにしていた分
全然怖くないホラー映画になっていて
致命的です😫
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🔻 🔻 ここからネタバレあり🔻 🔻
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夢見る少女が如何にしてシリアルキラーへと
変貌したかが本作のキーポイント🗝𓈒 𓏸
厳格な母親から抑圧され続けたからか?と
思わせといて
実のところ、母親はパールの中の邪悪な衝動を
見抜いていてそれを抑えていた。
なんなら母親関係なく初めからサイコパス💦
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女優になりたい。
有名になりたい。
みんなから愛されたい。
承認欲求の化け物。
自分の思うようにならないと
ぶちギレて大暴れの大発狂
ただのメンヘラ女子🤣
あ、でも「X」を見返すと
パールとマキシーンの
承認欲求の強さは同じだし
パールはマキシーンに自分を重ねてたね🤔
三部作「MaXXXine」
XXXは本格的なポルノ映画を
指すレベルらしいので
マキシーンはあの事件後も
ポルノ業界で花咲かせるのか🤔
んなわけないか💦
ヤバい女
91本目。
画の感じ、音楽で怖いやつ?
いや、夢見る少女の物語か?
まあどっちでもあり、サイコパスも序盤匂わせ、リミッターが外れてからが面白くはあるんだけど、ダラダラ間延びしてる感じ。
そこに辿り着く迄の集中力が自分にはなくで。
もう少し、コンパクトにまとめてくれたらなと。
彼女は如何にして殺人鬼となりし乎
あの〔X エックス(2022年)〕の前日譚。
同作は劇場には行けてないものの「WOWOW」では視聴。
史上最高齢?の殺人鬼『パール(ミア・ゴス)』と、
彼女に追い回される『マキシーン(ミア・ゴス)』は
単に一人二役なだけでなく、
実は同じ(漠然とした)夢を持つことでも共通。
ラストシーンは、ある種の「親殺し」。
先に生まれた者を越えて行くための
儀式であったわけだが。
本作では、シリアルキラーとして『パール』が産み出された発端について語られる。
そして、タイトルの「X」の意味についても。
『パール(ミア・ゴス)』の生まれは1900年とした方が
計算がし易いか。
舞台となる1918年は「第一次世界大戦」が11月には終結し、
一方で「スペイン風邪」は1920年まで猛威を振るう。
彼女はテキサスの田舎町の農場で両親と三人暮らし。
結婚はしているものの夫は出征中。
身体の不自由な父親の介護と家畜の世話に忙殺される日々。
そんな中での僅かな楽しみは映画を観ること。
昂じて映画スターになる漠然とした夢を持つ。
しかし厳格な母親には抑圧にも近い躾を受け、
外出も思うにならず抑鬱感は溜まるばかり。
その憂さを晴らすように、小動物を殺しては
裏の湖に住む鰐(あの!鰐!!)に与えるのは
後の彼女の片鱗が垣間見え。
一家がなまじドイツからの移民なばかりに、
当時は敵国人と見做されぬよう、息を潜め暮らすのは
母親の『ルース(タンディ・ライト)』の方針。
とは言え、既に結婚もしているのに
実家に住まい、且つ実母からは自由も効かぬほどに支配され
束縛させる暮らしに甘んじているのは
なんとも解せぬところ。
が、おそらく母親も、同じようなコントロールを受けて育ったのだろう。
農場に縛り付けられ、自己の夢も諦めさせられて。
そうした憤懣が、あることを契機に一気に爆発する。
もっとも『パール』は手あたり次第の殺人者ではなく、
自身の夢を阻害する者だけを執拗に排除した帰結。
なので戦地から帰還する夫の『ハワード(アリステア・シーウェル)』はその対象とはなり得ない。
彼女の性欲も夢も全て肯定し、受け入れるのだから。
エンディングからエンドロールの中盤までは圧巻。
主人公のアップがアイリスアウトになるまで延々と続く長回し。
表情は次第に変化し、しかし彼女の時間は既にして止まってしまったことが示される。
おそらくこうした落とし込みをするための、
一昔目前の全盛期の{ハリウッド映画}を模した全体の造り。
「総天然色」とテロップを出して欲しいほど、
鮮やかな色調が惨劇の描写にも嵌っている。
そしてそれは、『パール』が夢見た世界でもある。
そのまんまヴィンテージ
ビジュアルだけじゃなくて映画のシナリオやスピード感もヴィンテージで個人的には好き。
家の壁紙や家具、衣装もおしゃれで色々楽しませて貰った。
でも、カカシの上に乗って〇〇〇するシーンは絶対いらないだろ?私の中ではこういう無駄な女性のエロシーンがあるとかなり映画の評価が下がる。
毒親に育てられたパールがシリアルキラーへと変貌を遂げて行くスピード感に迷いが無くて好きだしパールちゃん推せるんだけど、私はやっぱり最後ミッツィと付き合ってミッツィと一緒にハワードをやっつけるハッピーエンドが良かったな〜。
パールちゃん幸せになってよ〜😣
普通
元々このジャンルの作品を好んで観る方ではないけれど、
ポスターの写真が印象的だったので気になり鑑賞。
率直な感想は「至って普通」。
「昔々ある村にちょっと変な女がいました。何かやらかしそう
だなと思ったら、やっぱり殺(や)っちゃいました。」とさ。
物語に凝っている訳でもなく、こうなるだろうなと思った通り
の展開。見せ場がもっとえげつないものを想像していたので
衝撃の度合いも弱かった。殺られる人間は結構簡単に
殺られてしまったし。
良かったのはパールを演じたミア・ゴス。何かやらかしそうな
雰囲気を醸し出していて、感受性や物事の判断基準が普通と
違う若妻の役にぴったりだった。
一人で長々と語る場面の感情表現など、観て良かったと思うのは
ミア・ゴスの存在抜きではあり得なかった。
願わくば前半でパールの境遇を描く場面がもう少しテンポ良く
観客を惹き付けるものであって欲しかった。102分という
程良い上映時間だったが前半は少し退屈だった。
あと、シリアルキラーと紹介されているがこの映画単体で観る
限りはサイコパスと言った方がしっくり来るのは自分だけか。
これはコメディ?!
思ったほどのゴア描写は少なかったかわりに、笑っちゃいそうなシーンが結構ありました。ミアの、あまりに捨て身の演技で圧倒されました。
音楽が非常に仰々しく、1918年風な曲で、また色彩も鮮やかな所が前作とは全く異なる作風でした。
お母さんは厳しいけど、間違ったことは言ってなかったし1番哀れに感じました。いくら虐げられても、人生思い通りにいかなくとも、殺したらまずいと思いますけど、。それとXに繋げるならもっと性欲過多に描かないと、と思いました。で、なんで腐った豚を食卓にもっていくかな?単にグロさ、狂気を見せるため?
にしてもオーディション後、泣いていて上げた顔や、ラストの悲喜交々の表情笑っていいのか複雑な気分になりました。正に怪演、すごい女優さんです!
「X」の関連作品であることを知らないと理解がハマるので注意
今年226本目(合計877本目/今月(2023年7月度)12本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
まず多くの方が書かれている通り、関連作品である「X」を見ていることがほぼほぼ前提になってしまいます(見ていないと理解がかなり下がります)。
そのうえで、家(農家というより、牧畜業?)を出て働きたいという女性と、それを認めない母親という対話から精神的に病んでしまい…という趣旨のホラー映画です。
「X」を見ていれば、Xの明かされていなかった部分やぼんやりとしていた部分は「こういうことだったのね」ということがわかりますが、単独でみると何がなんだかわからない間に始まって、職業選択がどうだの(一部、憲法論的なお話)といったところから、いきなりホラー化するという事情もあり理解度がかなり下がる上に、単独でみると評価がかなり下がるタイプの作品です(かといって、「X」もリバイバル上映はされていない)。
少なくとも「X」を見ているか、見ていなくてもこのサイトや他の評価サイト等で、あらすじがどういうものなのか、という点を知らないと理解がきわめて落ちるので注意が必要です。
その観点(ここでも「X」の関連作品、ということは示されている)にたてば、積極的に意味不明、ということはなく(まぁ、あえていえば、「X」のリバイバル上映は欲しかったなと思うものの、放映権ほかは映画館がどうこうできる権利のものではない)、これらまで考えてフルスコアにしています。
なお、R15の扱いですが、一部の性表現や、大半の残酷な描写が引っ掛かったものと思われます(特に前者は脈略なく始まる上に、回数は少ないものの妙に変なタイミングでどきついものを始めるので注意)。
キュートなサイコパスの誕生
3部作の1作目「X」で老婆として登場したパールが何故生まれたのかを描く2作目。
前作同様、ミア・ゴスのキュートな魅力が炸裂!!殺される相手は皆何も悪いことしてないし、むしろ親切だったりもするのに、パールの捩れた嫉妬心や欲望のとばっちりを受けてしまう…。殺戮シーンもグロ度も控えめ(それでも苦手な人は注意だけど)、夢見るサイコパス少女の腐った純粋な狂気を堪能する作品でございました。
美人さんで若いのに、後半のパールの恐ろしさや一気に老け込んだような笑顔が印象的。ラスト凄かった…というか旦那はあの状態でどうするんだ…
完結編も楽しみー!
面白かったけど、キモい
静かなるサイコパス。不気味な前兆がありながらもスタートは普通。徐々に正体が。
身勝手な狂気に怖さより腹立たしい。
貰った豚の放置のその後、あれが1番グロかった。
加えてあの女のワ笑い顔が😱
それなりに楽しんだし、ホラーやサスペンスは大好きだけど、これは好きな映画ではないな。
追伸、Xは鑑賞済みだったが、どこが続編だったのか?さっぱり記憶がない。
全く前作知らなくても問題なしです。
別物。
シリアルキラーへの道?てか?
普通の田舎娘が豹変するのではなく、
確実にシリアルキラーと成長して行く道程が明らかになり、
本人自身が延々と自壊して行く様を独白する内容は、
誰にでもキラーとしての資質を内在していることを自省したくなるから怖い!
それにしてもこの時代環境はヤバイ!
第二次世界大戦中に、
ドイツ人として合衆国内で、
スペイン風邪感染を恐れながら疎外され、
家庭も肢体不十分な父と厳格な母との確執で閉塞され、
場違いなダンススターを夢見る兵役帰還を待つ新婚妻にはこの家庭環境は息苦しく、
その苦悩の発散は弱者の家畜へ虐めが始まる。
何しろ隣家に行くのに半日かかるド田舎を自然と脱出したくのは当然で、
家から出ることも母から許されなくとなると、
軟禁拘束状態だ。
こうなると家畜から…案山子?
ボヘミアン?
あぁパールの気持ちが分かる自分が怖い!
前作「X エックス」を観ていないが、
帰還旦那はどの様に感化されたのか?
観てみたい。
ミア・ゴス主演のホラー「X エックス」のシリーズ第2作で、
1970年代が舞台だった「X エックス」の60年前を描く前日譚。
「X エックス」に登場した極悪老婆パールの若き日を描き、
夢見る少女だったパールがいかにしてシリアルキラーへと変貌したかが明らかにされる。
スクリーンの中で歌い踊る華やかなスターに憧れるパールは、厳格な母親と病気の父親と人里離れた農場で暮らしている。若くして結婚した夫は戦争へ出征中で、父親の世話と家畜たちの餌やりの毎日に鬱屈とした気持ちを抱えていた。ある日、父親の薬を買いにでかけた町で、母親に内緒で映画を見たパールは、ますます外の世界へのあこがれを強めていく。
そして、母親から「お前は一生農場から出られない」といさめられたことをきっかけに、抑圧されてきた狂気が暴発する。
(@_@)
前作で主人公マキシーンとパールの2役を演じたミア・ゴスが今作でも主演を務め、若かりし日のパールを演じてるほか、脚本と製作総指揮にも名を連ねている。
(^_^)
X エックス
劇場公開日:2022年7月8日 105分
史上最高齢の殺人鬼夫婦が住む屋敷に足を踏み入れてしまった3組のカップルの運命を描いたホラー。1979年、テキサス。
女優マキシーンとマネージャーのウェイン、ブロンド女優のボビー・リンと俳優ジャクソン、自主映画監督の学生RJとその恋人で録音担当のロレインら6人の男女は、新作映画「農場の娘たち」を撮影するために借りた農場を訪れる。
6人を迎え入れたみすぼらしい身なりの老人ハワードは、宿泊場所となる納屋へ彼らを案内する。
マキシーンは、母家の窓ガラスからこちらをじっと見つめる老婆と目が合ってしまい……。
出演はリメイク版「サスペリア」のミア・ゴス、「ザ・ベビーシッター キラークイーン」のジェナ・オルテガ、「ピッチ・パーフェクト」シリーズのブリタニー・スノウ。
「サクラメント 死の楽園」のタイ・ウェストが監督・脚本を手がけた。
エンドロールスマイル
「X」の前日譚にあたる作品で、前作のファイナルガールのマキシーンと、農場の婆さんパールの両役を演じたミア・ゴスが若かりしパールを演じています。予告では「X」よりもキャッチーな雰囲気がありましたが、今作はその期待を裏切ることなく楽しくヤベー作品に仕上がっていました。
パールという純真無垢なシリアルキラーが誕生したのが、母親からの圧、夢を遮られた苦しみやもがきが最終的に殺しを引き出してしまったというのがなんとも皮肉です。現実を見ろという親も正しいですし、夢を追いかけようと直走るパールも正しいです。間違いは無いけれど、互いを間違いだと認識してしまったが最後…という悲劇的にも取れるシーンのはずなんですが、パールが軽快に動き回るので、少しだけハッピーな絵面になるのが不思議なところです。
殺しの一歩目としてアヒルをぶっ刺すという中々に残虐な事をしでかしたのは、シリアルキラーの兆候としてよく例に挙げられるので再現してるなーと思いました。
パールの夢はダンサーで、実家の牧場の動物たちを目の前に披露しているのは夢見る少女な感じがしていてとても良かったです。街へ買い物に出かけた際に立ち寄った映画館で観たダンサーの映画に心を奪われ、パンフレットを持ってウキウキな気分のパールはとても可愛らしかったです。映画のフィルムを貰ってこれまたウキウキなのもとても良かったです。
パールがダンスで巡業するためにオーディションで踊った自前のダンス、とても朗らかな雰囲気に楽しげな振り付け、表情を見ると必死さがこれでもかと伝わってくるのも良かったです。
1人で踊っているのに、兵士のバックダンサーの幻覚と戦争の光景を背景に踊り狂うという目に焼きつきまくるベストタンスでした。
スプラッターのシーンはそこまで多くなく、死ぬだろうなという人物も最小限なので、予想の範疇で殺されていきます。草掻きレーキで突き刺したり、事故とは言え体に着火させたり、斧で背中をぶっ刺したのちに体をバラバラにしてクロコダイルのお食事提供したりと、少ないながらしっかりインパクトに残っていて良かったです。
「X」よりかは改善されてたんですが、物語のテンポがそこまで良くないのがこの2作で表面に出てきたかなと思います。
スプラッターが開幕するのかと思いきや、それが未遂で終わるのはしょうがないとして、ひたすらに愚痴を言いまくるシーンはとっても長くてもういいよという気持ちが強くなってしまいました。お気持ち表明の時間に監督やミア・ゴス含め伝えたかったことを全部詰め込んだ気がしますが、どうにもグダグダしててここはかなりのマイナス点になってしまいました。
今作の最高の見せ場というか、鳥肌ゾクゾクシーンはエンドロールでのパールの表情筋限界まで引きつった笑顔を長尺で演じたミア・ゴスの目から涙が飛び出すくらいの顔芸です。もうここが最高すぎて、テンポの悪さが一気に吹き飛んでいきました。今まで観た映画のエンドロールの中でも衝撃度はピカイチのものでした。この表情を保ち続けたミア・ゴスにはもう頭が上がりません。
次回作「MaXXXine」でシリーズは最後を迎えてしまいますが、ホラーアイコンとして強烈なインパクトを残しているので勿体な気もしますが、どのように物語を締めるのか、その面でも次回作が今から非常に楽しみです。
鑑賞日 7/7
鑑賞時間 13:50〜15:45
座席 G-3
パールの心の声を聞いてはいけない
パールの告白がめちゃくちゃ面白いし、怖〜い。告白を聞かされる義理の妹(ミッツィー)の気持ちを考えると、ゾーッとするよね。
最初のうちは、パールから漏れてくる言葉も普通の愚痴だったから、この際、パールにスッキリしてもらおうとミッツィーが思ったのも無理はない。これが仇になってしまう。段階的にパールの心の闇が開陳されて、耳を塞ぎたくなる言葉がどんどんパールの口から聞こえてくる。
このシーンでカメラはパールしか映さないからミッツィーの表情を想像するしかない。お構いなしで喋りまくるパールの機嫌を損なえば、ジ・エンドになってしまう。踏み外せば死ぬという恐怖と戦いながら、全力で平静を装っていたと思う。あのパールの顔芸を見ながら。
僕も厳格な父親に育てられたから、パールの気持ちはよくわかる。息が詰まりそうなこの環境から抜け出したい。こんな場所で一生終わるなんて想像したくもない。そんなパールに感情移入しながら物語を追っていた。でも、パールが一線を画してからは、「違う違う、俺とパールは全然違う」と一所懸命自分に言い聞かせるはめに。
前作で、パール夫妻は、老人になっても一緒に生活している。ということは、パールの夫は、どうしてそうなった?
三部作のラストが待ち遠しいです。
怖い映画だ。
普通、ラストはヒロインの笑顔を静止画像にしてエンドロールを流すと思うのだが、
延々とヒロインの作り笑顔を流し続ける本作。
演じたミア・ゴスに地獄のようなシーンだったのでは。
しかし、彼女が自分の悲惨さをワンカットで語る白熱したシーンがそれほど心に響かなかったのは、
多くの人が夢朽ちた人生を歩んでいるのを知ってしまったからだろう。
顔芸
「X」から60年前、ヤバイ婆さんパールがお目覚めになられる様をみせる前日譚。
1918年、夫ハワードは戦争に行き、実家の農場で束縛する母親と、四肢麻痺と思しき父親と暮らすパールが、外の世界で暮らしたい!という思いを抱える様をみせていく。
ヤバイ人なのは前作でわかっているけれど、匂わせはあるにしてもなかなか本質部分をみせずに展開していき不気味さも足りず。
徐々に溜まって行く感じはあったし悪くはないんだけどね…せっかく一線越えていよいよというところで、なぜかダイジェスト的な描写になってしまって、生生しさが味わえず。
そういう人の前日譚という作品として作っておいて余計な気遣いいらないと思うのですが…。
内容的には嫌いじゃないけれど期待し過ぎてしまったかな…。
3作目は1作目の後日譚とのことだから、ハワードのお目覚めはないんですね。
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