Pearl パールのレビュー・感想・評価
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映画の世紀の夢と狂気を鮮やかにえぐるスラッシャー3部作の第2弾
1979年のテキサスの片田舎を舞台に、女優志望のマキシーンと殺人老婆パールの対決を描いたタイ・ウェスト監督作「X エックス」(2022)を観た時、これほど壮大な構想を深謀したプロジェクトとは思いもよらなかった。そもそも、ミア・ゴスがマキシーン役だけでなくパールも特殊メイクで演じたことを鑑賞後に知ったくらいだ。
ウェスト監督とミア・ゴスは「X エックス」の撮影準備期間中、すでに「Pearl パール」の脚本を書き上げていたという。時代は1918年、若かりし頃のパールの夢と挫折を描く前日譚だ。厳格な母の監視下、全身不随の父の世話をさせられ、夫は戦争に出征中だが、大衆娯楽として急成長が始まった映画の世界でスターになることを夢見るパール。
「X エックス」が「悪魔のいけにえ」などの1970年代の低予算ホラー映画にオマージュを捧げたように、「Pearl パール」はテクニカラーの幻想的なミュージカル「オズの魔法使」へのオマージュに満ちている。世代の異なるマキシーンとパールという、映画スターを夢見るヒロインたちをめぐる血みどろの惨劇を描きつつ、20世紀の米映画史を(断片的ではあれ)振り返ってみせる側面もあるのだ。
第3作「MaXXXine」の概要も少しずつ明らかになっている。ティーザー予告によると、舞台は1985年のロサンゼルス。時系列では「X エックス」の後日譚となり、タイトルロールのマキシーンが当然主人公だが、“XXX”は本格的なポルノ映画を指すラベルなので、彼女はやはりポルノ業界で夢を追うのだろうか。主要キャストはミア・ゴスのほかエリザベス・デビッキ、ミシェル・モナハン、リリー・コリンズ、ケヴィン・ベーコンと特に女優陣が豪華。撮影は4月に始まっており、前2作の製作のスピード感からすると来年公開も十分あり得る。パールからマキシーンへと継承された夢と狂気の物語がどんな結末を迎えるのか、今から楽しみだ。
ワンピース可愛すぎ問題
「X」シリーズ3部作の2作目ようやく鑑賞‼︎
エックスの色使いが好きでしたが本作の色使いも好きです。
ホラーというよりも人間的な怖さに思わず「怖いよ~…」といくつかのシーンでぼやいてしまった。
エンドロールもまた印象的。
3作目は今年7月にアメリカで公開との事で、日本でも早く公開しないかなと待つ日々です。
すべてを奪われていた二人の女性ならではの末路なのだけれども…。
<映画のことば>
すべてを奪われた私から、これ以上、何を奪うの。
<映画のことば>
もう欲しがることはやめたの。
持っているものを大切にする。
「そりゃあ、そうもなるわな。こんな境遇では。」というのが、本作を観終わってすぐの、評論子の偽(いつわ)らざる心境。
もちろん、パールの、このなりふり構わない「農場脱出作戦」には、いささか賛同はしかねるのですけれども。
しかし、自分が農場での生活に抑圧されているが故に、娘であるパールにも抑圧的な生活を強いる母親で、もしもパールの母親のありようがこうではなかったとしたら…彼女自身の人格も、ここまで捻(ねじ)れることはなかっただろうと思うと、彼女(パール)の所為を100%は、責めることができないようにも思われます。
人生のすべてを奪われていかたのような二人の女性か、ある意味では必然的に(?)辿(たど)るべき末路としては。
パールの国選弁護人に選任されたと、勝手に仮定したとした(否、勝手な妄想した?)
評論子は、犯罪の成否自体は争わないとしても(否、争いようもない?)、彼女の刑事責任の軽重(彼女に対する非難可能性)という「情状酌量」の線で、裁判所に寛刑を求めるような気がします。
実は、本作は、宅配レンタルで借りてしまってから、ホラー映画だと気づいて、「観ないで返そうか」とも思ったのですけれども。
しかし、「観ないで後悔するよりは、観て後悔する」という評論子のモットーから、敢えて観賞することにした一本になります。
結果としては、ただ恐怖心を煽(あお)るだけの一本ではなく、パールの心情にも(その是非は別としても)理解できなくはないストーリーの作品でした。
何事も先入観に囚(とら)われてはならないことの箴言として「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ。」という言葉がありますけれども。
そういう言い方をするなら、「映画は、まず観てみよ。」ということになるのだろうと思います。
評論子にとっては、まさに、その言葉どおりの一本になりました。
単なるホラーものに堕(だ)さない、それなりの良作ではあったと思います。評論子は。
(追記)
文字の流れないエンドロールが、1940年代の古い作品を彷彿(ほうふつ)とさせ、2022年に製作された映画としては、かえって斬新な感じでした。
本作は、同じタイ・ウエスト監督の手になる別作品『X エックス』の主人公の前日譚とも聞きますけれども。
ここに来て、同作への食指も、大いに動かされました。
そういう「繋がり」で作品を観ていくことの多い評論子としては、その点でも嬉しい一本でした。
セダ
ガチョウを串刺しにしてワニのセダの餌にするパール。ダンサーになる夢を捨てられず女の子らしい面もあるにも関わらず、ショッキングなオープニング。第一次大戦の最中に夫ハワードはヨーロッパへと兵役に就いていて、母親はドイツ人であるためドイツ人が不利になるニュースは聞きたくなく、父親は車椅子生活を余儀なくされているという設定。
どことなくジュディー・ガーランドの『オズの魔法使』のイメージが重なるような色彩と雰囲気。犬がお仕置きのために地下室に閉じ込めたとか言ってたけど、やっぱり夢や妄想が激しいんだな。虚言癖たっぷりで愛想だけはいい女だ。結婚してなければ違った性格になっていたかもしれないと、こちらも妄想してしまう。
『マキシーン』という『エックス』の後日譚も作られているそうですが、秘密はそこで語られるのだろうか。マキシーンがパールの孫であるという設定がないと、3部作の意味さえ失せてしまいそうだ。さすがに映画という共通項はあったし、3作目も映画絡みだろうし、関連はあるんだけどね・・・
それしてもセダ!1作目でマキシーンを襲わなかったのはパールと同じ匂いを感じたからなのか!ワニって長生きなのね。
一生懸命なミアゴスを応援したくなる
こんなクレイジーな女の子、大好きさ!
とはいえ、時に狂気と正気は紙一重…
パールは変な子じゃないし頭もおかしくないし
ちゃんと自己分析できるし家族思いのいい優しい子
お母さんにちゃんと向き合って
お母さん納得してもらって
認められて夢を叶えたいと思っている
普通の女の子
オーディションの時のミアゴスの鬼気迫る美しさ
赤い衣装と手足の長さにうっとり
殺し方はシリアルママに及ばないけど
切断された足はとても綺麗でした
すげぇ映画だ…
個人的には映画の"映画を観ている感"が重要なので時代感とも相まって本作は楽しめた
スラッシャーモノではあるが、パールという前作で既に倒されている敵役が主人公なのに、物語と心情を非常に丁寧に語ることで観ている者の感情は入り、心を揺さぶる。単に「どうやって殺人鬼になってしまったか」を綴るのではなく、ドラマを描くことでそこに至る過程とその必然性を感じとることで家族や友人に手をかけることにすらカタルシスが生まれる。
あっさりと描いているようにも見えるがここまで違和感なく100分程で描いてしまうタイ・ウェスト監督、そしてなにより主演、脚本にも関わるミア・ゴスが凄い。
次作にはもちろん期待だが、今後もこのコンビの新たなホラー映画に期待大だ!
このシリーズ、尻上がりかよ!
やべえ…名作じゃん、これ。
ド直球の豪速球じゃん!
サイコとかシャイニングとかミザリーのレベルじゃん。
なんかもうこのシリーズだけホラー映画の黄金時代じゃん。
今更ホラー映画の歴史を更新かよ!
あれ?今って21世紀だっけ、1980年代だっけ、1960年代だっけ、それとも映画で描かれてる1810年代?
もう訳わかんない。何かの理由でお蔵入りになってた幻の名作が今になって新作として見れるみたいな感覚。
いやいやいや、どうかしてる。
このシリーズ、3部作?
どうなっちゃうの。色んな意味で怖いよ。次の作品、見たいけど見たくない。見たくないけど見たくてたまらない。いや見たくない。でも公開日に有休取って見ちゃいそう。
パールは根っこからのシリアルキラーでは⁈
前作エックスからの、パール。
パールからのエックスでも良いかと思いましたねー🧐
何か、監督の思惑があるのか?
しかし、ミアゴスの怪演は素晴らしいと思った。
パールの母は、パールの異常な部分を見抜いたいたんでしょう。
だから、外に出さなかったと私には受け取れましたねー🫣
もう途中から、パールのヤバさ満開で絶対近づきたく奴でしたね。
ラストの笑顔は、次の3部に期待してしまいました。
新しいホラーを鑑賞したかの様でした‼️
良い良い
前作からの期待を裏切らない映画でした。そして1作目との間を埋める第3作が必要だよねと思ったらもう作っているというニュース。しかも撮影中にエキストラの頭を蹴飛ばしたというミア・ゴス...そこまでしなくていいんだけどな。一作目ではパール婆さんがかなり性に執着してたんだけど今回はそこまでじゃないんだよな、これからなにか秘密があるのか、ただ描きそびれただけなのか。まあ若い段階で描いちゃうとただのエロ映画になっちゃうか。
若い時から怖かったのねえ😱
「X」のあの極悪おばあさんの若かりし頃。いや〜パール、若い時からヤバい人。出兵しているダンナさんは日本でいう婿入りした設定なのか?結婚して、後の話でわかるが子供も流産か死産した様子。それでも夢を諦め切れず映画スターになる事を願う。映画スターになれると思い込んでいる。この前向き思考すごいなぁ。
でも、最初からいきなりガチョウを串刺しし、ワニのご飯にしちゃうし、お父さんをワニに食わせようとしちゃうし。怖い怖い。
親しくなった映画技師や義理の妹、両親と迷いなく殺してしまうパール。怖い怖い。
最後、戦争から戻ったハワード、部屋に入って驚くが。あの惨状を見てもハワードはその後何十年もパールとつれそったのは何故だろう。愛してた?怖かったのか?
「X」での狂気の婆さんは徐々にそうなったわけではなく、もともと凶悪だったことがわかった。
相性悪いのかな
前作エックス?がつまんなかった(ラスト付近でややウケした記憶はある)ので見る気はなかったが、映画チューバーが勧めてたので、もしかしたらと思い見たがやはり、ほぼ見どころがなかった。こう続くと制作のA24?と自分との相性だろう。次作はホント無いわ。
むしろ『パール』と『X』の間を知りたい
『X』を先に観て、数ヶ月後に『パール』鑑賞。予告編や煽りの文言からイメージしていたのとは結構違ったけど、面白かった、というか、意外にシリアス度高めに感じた。なんだか勝手に、ファンキーでコミカルさもあるような、人バンバン殺されまくる映画かと思ってたもので。
要介護度高い父と、狂信的なまでにストイックで支配的な母との三人で町から離れた農場に暮らすパール。夫は従軍中で不在。ダンスで映画スターになる夢を抱きながら、抑圧された生活を送るパールの密かな楽しみあるいははけ口は、たまに町でこっそり映画を観ること、そして小動物を殺しては池のワニに与えること。
母親のパールへの態度がまさに毒親なので、パールが不満を溜め込み、その反動でスターへの夢が妄想レベルに強まっていくのは分かりやすいし、ちょっとパールかわいそうにも思える。パールの思い込みの強さや歪んだ世界観はかなり危うさを感じさせるものの、もうこれは生まれながらに邪悪だよね、とか、シリアルキラーになるしかなかったよね、とは思えない。境界線上に立ってふらふらしている、という感じかなー。
むしろ、パールがこの映画のラスト以降に何があり、どんな暮らしや出来事を経てXのパールになったかがキモだと思うわ。だって兵役を終えて帰郷したハワードは、いきなりあの狂気の食卓と、それ以上に狂気をはらんだパールの笑顔を迎えられてなお、パールを捨てずに何十年も夫婦として暮らすんですよ? その心情や思うところがめちゃくちゃ知りたい。愛は責任でもあり、恐怖でもあるのか…そこは観た人が想像してくださいってことかしら。
皆さん言及されているミア・ゴスの顔芸は言わずもがな、ちょっとした描写がうまいタイ・ウエストさん。個人的には、義母から届けられた仔豚の丸焼きが軒先に放置されて、どんどん蛆がわいていくのとかね、何げないシーンが怖くておぞましいのがナイスです。
続編はマキシーンが主人公だそうだけど、ぜひハワード視点のスピンオフ短編とか撮ってほしいです。
橋本環奈は顔芸の何たるかをこの映画で学ぶべき
とにかく、ミア・ゴスがすごい。「ガラスの仮面」もかくやという渾身の演技。特にラスト。義妹を前にしての長回しの独白からエンドロールが終わるまで、彼女のなにもかにもに釘付けにさせられる。彼女なくして成立しない映画。
ある意味、女優魂。(笑)
『エスター』も過去話しあったけど、この作品のような、何故あんなババァになったのか?
ここを描かないと意味が無い。
案山子相手の変態要素もあったし。
この部分を1番感じる事が出来る作品。
作中もそうだし、オープニング&エンディングの古臭さのこだわりも素晴らしい。
この女優さんもスゴイね。
最後のクレジットなんか、数分近く笑顔をキープし、さらに涙流すんだから。
ある意味、女優魂を感じました。
誰でもパールになり得るのがホラー
取り巻く環境に不満を持っていたパールに訪れてしまった一筋の光が、諦められない夢への想いを暴走させてしまった悲劇。
ダンスの練習シーンらしきところは買い物帰りの場面のだけで、農作業や父の世話だけでは、オーディションで採用されるわけがないが、強すぎる家を出たい意志と根拠のない自信がミア・ゴスの演技の演技の素晴らしさか。
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