Pearl パールのレビュー・感想・評価
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とある少女の血みどろ夢話
全作エックスは近くのシネコンで上映していたのに、パールになった途端なぜ上映館が減るんだよ?!?!
エックスは、”老人×性欲×80年代ホラー”の掛け合わせが斬新でした。
今作は性欲おばけキラーであるパールおばあちゃんの若かりし頃の話。
エックスが80年代ホラーのホコリ臭い雰囲気だとしたら、
パールは鮮やかな”絵本”のような印象です。
どのシーンを切り取っても絵になるのに、ストーリーは猟奇的。
パールちゃんの頭の中を映像化したような絵画的な美しさもある!!
アンガーコントロールが苦手なパールちゃんに恐怖を感じつつも、
感情移入してしまう不思議な体験。
私たちも一歩間違えば、環境が違えば、時代が違えば、こうなっていたかもしれない…
なんといっても見どころは主演ミア・ゴスの表情管理でした。
最近でいうと「SMILE」に近い、直視できない笑顔が最狂です。
(エンドロールは口ぽかんレベルで見入ってしまう…)
信用していた人間が、自分から離れていく瞬間。
この絶望が”憎悪”に変わる瞬間、シーンは何度でも見返したい。
こいつ殺されるな…フラグの緊張感もすごいし、パールちゃんの『絶対に仕留めてやる』という確たる殺意、まるでゴキブリを仕留めるかのようでした。
三部作なので、次回作のマキシーンも楽しみで堪らない…!!!
タイトルなし
昨日『Xエックス』見て予習しておいてよかった(見てなくても楽しめるとは思うが)。
『こわれゆく女』『マリア・ブラウンの結婚』など最近立て続けに見た映画を思い出すが、もっと爽快というかストレート。
パーソナリティ(人格・性格)とは何か、とか考えてみる。
ノーメイクだとレディース顔
前作Xの前日譚ということで、殺人BBAの若かりし頃を本作でも演じ、終盤のひとり語り長回しとエンドロールのひくひく顔芸まで、まさしくミア・ゴス劇場。舞台はいまから約100年前だが、現代の新型コロナやウクライナ戦争をオーバーラップさせる設定となっていてうまい。
ド田舎の農場で家族3人暮らしの閉塞感のなか、ミア・ゴスのイカれていく感じが怖いには怖いんだけど、個人的には悪趣味な演出や展開に笑ってしまった。串刺しのガチョウをワニの餌にするオープンニングタイトルから、案山子との擬似性交で絶頂に達する瞬間に鳥がばーっと飛び立つとか、母娘で殺り合ってる時の身動きできない親父の恐怖顔に、オーディションのダンスがまたくそダサくて笑った。
三部作らしいので次作も薄眉毛のミア・ゴスに期待したい。
豚に真珠?
うーん。まあまあだったかな。
ミア・ゴスの演技は、まさに憑依状態で完璧だったけど…
前作からの流れを踏まえると殺人の快楽と性欲は激しくリンクさせないとダメじゃない?
せめて、鬱積した性的なフラストレーションによる強度なヒステリー状態、からの〜
狂気のスイッチOn!とか…
そんくらいは、ないとねえ。
一応、それを連想させるシーンはあったけど、あのスケアクロウだけじゃ、全く物足りない。
あの『X』の前日譚なんだから。
映写技師を殺すシーンなんか、疑心暗鬼だけではなく、ベッドシーンの最中、まさに絶頂寸前で、お預け食らったのが一番の原因でスイッチ入ってしまうとか…
そっちの方がブラックな失笑となって、パールらしくて良かったと思うけど。
クライマックスとなる義理の妹とのシーンにしても、例えば…
狂気の昂ぶったパールに問い詰められた義理の妹が、実はハニートラップで審査員の聖職者を買収していた事を、恐怖のあまりガクガク震えて白状してしまい、パールのヒステリーに火がついてしまうとか…
なんかにした方が、もっとらしくなったと思うけどなあ。
あと、アヴァンタイトルは、音楽もピッタリで、A24らしくて最高でバッチリだったけど、ラストはもうちょっと工夫して欲しかった。
エンド・クレジットの直後、洗脳されちゃったハワードのショッキングなカットが突然オマケで入っても良かった気もするけど。蛇足かな…
というか、今回のトリロジー3部作のラストとなる次作に向けた粋な伏線はあっても良かったんじゃない?
実は、もう仕込んでるとか?
豚に真珠とか?
ミア・ゴスのブサカワの魅力
本作の公開に合わせて、シリーズ前作の『Xエックス』がHuluで配信されたので、先日鑑賞。主演のミア・ゴスが殺人鬼の老婆と主役の少女の2役を演じていたのも話題で、単なるホラーではなく、ミステリー・サスペンスとしてよく練られた展開だった。
その殺人鬼となった老婆の若き日を描いた、『Xエックス』の60年前の前章譚となる本作。映画のダンス女優に憧れ、いつかスクリーン・スターを夢見ていた少女・パール。彼女がいかに、猟奇的な連続殺人鬼へと陥っていったのか、心の奥底にずっと燻っていた怒りや葛藤と共に描いている。
父親の介護をしながら、厳格なドイツ人の母親と共に貧しい農場で暮らし、夫も戦場に出征し、女としてもスターへの夢も満たされない中で、鬱屈さを感じていたパール。そんな折に、一人の映写技師の男と出会ったことで、家を出て映画の世界への憧れを益々強めていった。そして、義妹と共に母親に隠れてダンスのオーデイションを受けることになるのだが…。それが、パールを殺人鬼へ変貌させる地獄への一歩となる。
1作目と同じ農場が舞台となる為、同じ場所でのシーンも何度かあったが、物語のサプライズやそれほどのグロさも無く、ホラーとして観ると肩透かしを喰らう。しかし、パールの夢を断ち、ずっと抑圧を受けてきたものが母であり、父であり、家族の絆というのも、なかなか切ないものもある。夢見る少女の中に芽吹いていく狂気は、あまりにも残酷な方向に開花してしまう。ホラーというより、サスペンスとしての色合いが濃い作品だ。
主役のミア・ゴスは、『Xエックス』では、なかなか大胆な裸体も披露していたが、今回は封印。決して美人とは言えないが、前作以上に、彼女のどこか愛おしくなるようなブサカワな魅力と、冷徹な殺人鬼としての両面を備えた役柄が、ピッタリであったと思う。
若い頃から突っ走ってます。
前作アンマ好きでもなかったが他に見るもの無いので鑑賞。
ホラー/サスペンスてかブラックコメディ?
ドイツ系の厳格な家庭で体の不自由な父と厳格な母と暮らす既婚の(眉なし)パールはダンサーを夢見るお年頃。
父の薬を買いに街にお使いに行ったついで薬のお釣りをチョロマカして映画をみーの、帰り道のトゥモロコシ畑でイケナイ妄想に浸りーの母は怖いがソコソコよろしくやってた模様。
しかし年の近いパッキン義姉妹がダンサーオーディションの話を持って来たことからパールは暴走・転落に突き進むwww
前作の凶行はボケてたんかと思ってたが、若い頃から暴走超特急だったんですな、ラストの泣いてんだか笑ってんだが分かんない顔が印象的。
鬼が本性を現すまで
映画紹介サイトで本作が「ホラー」と分類されているのを散見しましたが、実際観てみるとホラーというよりはサイコスリラーに分類した方が良さそうな内容でした。確かに残虐シーンはこれでもかと出て来ますが、モンスターやゾンビが理不尽に殺戮を繰り返すというものではなく、第一次世界大戦が勃発して最愛の夫が出征した妻(パール)が、母に抑圧されたり身体が動かなくなった父の看護をせざるを得なくなるなど実家に縛り付けられ、スターになるという夢も打ち砕かれるといった過程で精神が崩壊し、周囲の人を次々に殺していくというお話でした。
残虐シーンにスポットを当てると確かにホラー的な側面もありますが、パールの精神がぶっ壊れるプロセスには一定の説得力があり、誰にでも起こり得る悲劇として捉えることが出来るかと思います。なので、本作の「怖さ」というのは、人間を切り刻んだり串刺しにしたりという視覚的なものではなく、ひょっとしたら明日は我が身かも知れないという意味での不安を惹起させるところにあるように感じました。
そういう意味では、貧困や社会的孤立、エリート層からの侮蔑に対する怒りから殺人鬼と化した「ジョーカー」と軌を一にする部分がありましたが、「ジョーカー」と本作の決定的な違いは、主人公に感情移入できるか否かという点にあるようにも思いました。ホアキン・フェニックス演じた「ジョーカー」のアーサーは、元来虫も殺さぬ心優しい人間でしたが、前述のような境遇に置かれた結果最終的に爆発してしまいました。一方本作の主人公パールは、元々自己中心的な面が見受けられ、また動物虐待をするシーンもあったりと、そもそもあまり感情移入できないキャラクター設定でした。純粋無垢な主人公が、追い詰められ追い詰められた結果「鬼」になったという展開であれば、もっと絶望的な怖さや、逆に「ジョーカー」で感じたような爽快感すら得られたように思いましたが、本作にはそうした側面がなく、後味悪くサイコパスが本性を現しただけという感じでした。個人的には「ジョーカー」的な作りの方が好みなので、少し残念ではありました。
俳優陣の演技ということでは、やはり主人公のパールを演じたミア・ゴスに注目。まだサイコパスというか鬼の本性が全開していない前半では、可愛い乙女な雰囲気を醸し出していましたが、自らの期待に反した状況になるにつれ、表情が文字通り「鬼の形相」に変化しており、ここは見所でした。
エンディングで夫が戦地から帰還した時のパールの表情は、鬼が必死になって本性を隠しているようで、これまた中々興味深いものでした。
何でも「X エックス」というのが本作に先行して公開されており、こちらが本作の後日譚になるとのこと。こちらは未見なので、どんな展開になるのか観てみようと思っています。
スピード不足。
環境が人格を狂わせていく
2022年公開されたA24のホラー映画[X エックス]に登場する謎の老人パールの若い頃の話。
とある小さな農園に住むパールと病で体が不自由になったパールの父と娘パールと夫を守り続ける母。家族を守るため、娘を基本農園の中で暮らしをさせ、町との情報を遮断させていた。また、交流も家族とのみであり、親戚からのいただきものも断っている母。パールの夫ハワードも軍役で戦争に言っており、パールは我慢の限界であった。
家族を守るために娘を制限していたが、娘をシリアルキラーに育て上げてしまったお話。
しかし、母から遮断されているからこそ、社会の厳しさも知らず、ありのままにダンサーのオーディションを受けてしますパール。自分が一番であることを思い続けたが、オーディションの結果によりさらにシリアルキラーが加速をしてしまう。
子どもを育てる環境が人生の大きな部分を決めてしまうところを伝えていて、考えさせられました。もし、パールと同じ環境の中にいると、私もパールと同じ行動をとっていたかもしれません。
狂気、熱演、狂気
いやー前作に引き続き、狂気すぎるね
というか、ミア・ゴスの熱演。
喋りのシーンでのワンカットは素晴らしかった。
ラストの引きつり笑顔も、見ててもう苦しかった笑
これは好みの問題になると思うけどどうしてもチープになってしまうよね、、
前作のラストも俊逸だったけど今回も中々良かったです。
というか、ブロンド嫌いすぎるやろ。あんな嫌う?
と、思ってたことが今回、解消。
前回の伏線?が解消されてくのがよかったねー、
是非、パール2も観たい。
ただ、前作の方が好みでした。以上!狂気でした!
オシャレなレトロホラーの怪作
素晴らしい。きっちり前作同様コンセプチュアルホラーの前日譚を更に馬鹿げた感じで仕上げている。
『X』もホラーかどうかというとむしろグラインドハウス的なコンセプチュアルオシャレホラーだったけど、遡っての本作もルック的に凝りに凝っている。
設定では20年代?ゆえになんと元祖ポルノ映画とも言うべきブルーフィルムみたいなのまで出てくが、ルックは写される時代よりもちょっと先の40年代〜50年代風味で、ミュージカルスターを夢見る農場のサイコパス娘のグロテスクな殺戮をテクニカラー的に見せる。
なんと言ってもミアゴス。途中から二階堂ふみのこんな映画も観たかったとか思いながら観ていたが、演じがいあったろうな。洒落てんな〜と思いながら観ていたけど、終盤、オーディション終わりの出て行く女を追っかけてゆったりと玄関口に現れるその佇まい(後ろの隅のロングショット)がぞくっときて、そのままゆっくりワンカットで追いかけてくる時にこの映画、好きだな、と思った。
そしてレトロなエンドクレジットに傾れ込むアイリスアウトはちょっと見たことのない面白さ。
更にエンドロール終わった後に30年代のフィルムロールの切れ端演出まで、まあ『ミッドサマー』路線の見事なまでのレトロオシャレなスラッシャーだった。
しんどい
前作は観てない。
主人公の葛藤や悩みや願望は非常にリアリティがあり、現実にこんな人間はごまんといる(いた)んじゃないかと思った。ただ、その衝動的な行動が普通の人だったら「切れる」くらいだが、主人公の場合は一気に殺人にいってしまう。
ストーリーは面白かったが、主人公には「現実にいそう」とは思えても共感はできなかったし、ブラックコメディとしてもいまいち、ホラーとしてもいまいち。
「ジョーカー」はバッドエンドであるもののある種のカタルシスがあったが、この作品はただただ気持ち悪さと不快さの後味が残った。観るのしんどい。
1つ良い点を挙げるとしたら、現在の道徳観のまっとうさに改めて感謝できたこと。昔の道徳観てほんと狂ってたんだなって思う。50年後の未来の人は現代の道徳観狂ってたって思うかもしれないけど。
シリアルキラーの本質
ホラーなのかな?
シリアルキラーとなるパールの異常な執着と自己肯定感の強さ、そして残忍さを持ち合わす女性の変貌とその先。
パールの無限の欲望が醸し出す恐ろしさを描きつつ、華やかな舞台に憧れ、鏡に映る笑顔がまた滑稽にも思えコメディにも感じられる。
ただ描写はかなり大胆で残忍さを持ち合わせてるので、いままでのホラーとはかなり違った恐ろしさも感じられた。
「A24、5本連続」
主演の演技力&シリアルキラーへと落ちていく秀逸な描写
スターを夢見る女の子が、シリアルキラーへと変貌していくというストーリーに惹かれ鑑賞。
そんな女の子がどうして?っていう部分がどう描かれるのか楽しみにしてました。
もっとエキセントリックな作りかと思ってたけど、意外と堅実な作りというか、ジワジワと恐怖を煽っていく。
彼女がシリアルキラーへと変貌したのは、誰もが多かれ少なかれ抱いた事があるであろう感情が理由となっているっていう点が恐怖。
ただ、大半の人は、そういう感情に折り合いをつけて生きているわけで、シリアルキラーになるような人は、感情のコントロールというか、そういう部分が欠落しているって事なのかな。
最後、主演の子の、義理の姉への長い1カットの独白の演技がなかなか良かった。
主演の子は、制作にも携わってるそうで、多彩な才能の持ち主なんでしょうね。
続編ありそうと思ったら、この作品は2作目で、1作目の前日譚として描かれてるんですね。
1作目も是非見てみようと思います。
次回作に期待!
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