「夢と狂気の境にいるような演技」Pearl パール nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
夢と狂気の境にいるような演技
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前作の「X」を観て面白いと思ったので、前日譚という本作も観にいったものです。
冒頭の音楽やフォントなどから、古き良き牧歌的な映画を思わせる演出で、全体的にそういった古い映画のブラックなパロディのような構成だったと思います。
前日譚ということもあり、ストーリーとしては確実にバッドエンドになるとは分かっているので、こういった構成での見せ方は面白かったです。
牧歌的な描写の中に不穏な描写が挟まれて、緊張感が高まってゆく流れも良かったと思います。
クライマックスの前にパールが義妹に気持ちを打ち明ける場面は、ちょっと長いような…と感じてしまいましたが。
正面からこちら側に語りかけるようなカットなら、もう少し緊張感や切実さが感じられたかもとも思いますが、殺人鬼に感情移入し過ぎないように距離感を持ってあえて長いと居心地の悪さを感じるようにしているのかもとも思ってしまいました。
そこからの義妹との場面は、やはり嫌な緊迫感が半端なかったです。
狂気じみたダンスシーンも圧巻で、ラストのパールの表情といい演出といい、なんとも言えません。
パール役のミア・ゴスの夢と狂気の境にいるような演技も素晴らしく、のどかな風景の中での凄惨なシーンや悪夢的なビジュアルも印象的でした。
続編の「MAXXXINE」も気になるので、早く観てみたいものだと思います。
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