「ウラハラ」恋のいばら U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
ウラハラ
腑に落ちない点は多いものの…面白かった。
若干、時間軸が行ったり来たりするので、?と思う事もあり…あの写真集に挟まってた写真は難解だ。
何故、置き去りにしたのだろう?
何故、写真集ごと入れ替えたのだろう?
元から彼の性癖には気づいていたって事かしら?
そんな物語のディテールがやけに気にかかる。
大筋は、被害者の会とでも言えそうな連帯感か。奇妙な友情譚でもいいかもしれない。憎しみが憧れになり、好きになってしまう。そんな気持ちを向けられた方も理解者を得たような感覚にもなるのだろう。
2人の感情と関係性の変遷は微笑ましくもあった。
松本さんが、メンヘラになるのかな?そんな思い込みの激しい女性を好演してた。
桃の「元カノじゃない」って告白は、予測の範疇ではあったものの、その効果は絶大で…それまで莉子に向けられてた視線や、あのおっとりした口調にまでサスペンスの片鱗が乗っかってきてゾクリとする。
ストーカーの標的が変わっただけのようにも思うのだけど、同性ってだけで結構ハードルが下がるのだなぁ。
莉子の行動にしても不可解だ。
なぜベットの下に隠れていたのだろう?
隠れる必然性が見つけられなくて困る。ただ冒頭から連なる浮かない表情は、彼への不安がずっとあったからなのだろうなぁ。彼女は彼女で出口をずっと求めていたのだろう。
そんな莉子の疑問を肯定するような形で、彼女の懐に入り込むももは、やはりなかなかの策士であった。リベンジポルノの発端は、あの写真から着想を得たのだろう。
交錯する思惑があり、本人にとっては予想だにしない結末でもあったのだろうと思われる。
後はサイドストーリーとも取れる描写が意味深である。監督特有の優しさの部分なのだろうか?
祖母とのスリーショットも理解に苦しむし、冒頭のモデルのその後も描く必要があったのかと頭を捻る。
彼氏は写真家としては優秀なのであろう。
莉子も桃も、彼の写真で感情を揺さぶられてたし。
バービーの彼氏の下半身事情の話は、言い得て妙だと思うし、説得力あったな。
「いばら」かぁー
確かに進むにしても戻るにしても、傷はつくはなぁ。