劇場公開日 2023年12月15日

「100周年作品としては尖ってないか?」ウィッシュ たまこさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0100周年作品としては尖ってないか?

2024年2月17日
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鑑賞方法:映画館

この作品を見て感じたのは、絶対的権力者との対立の構図でした。
『願いを叶える』ことよりも『守られなければならない権利、真実のためには、戦わなければならない』ことの方が、物語のテーマとして大きいのでは?と感じてしまいました。

最近のディズニー作品は、『みんな違ってみんな良い』的な、他者を尊重するような調和の物語が多い印象だったことと、権力者との対立という構図では、ロシアやアメリカや、その他民族間で起きている最近の出来事を透かして考えてしまい、ディズニー100周年作品として子どもたちに伝えるメッセージとしては、ずいぶん踏み込んだなと思いました。
(これは、ヴィランとしての王様に対する物語上のケアが全く無かったので。それがあれば、和解の余地があり、調和の物語になったと思うのですが…。でもそうするとありきたりでツマラナイかも)

キャラクターとして良かったなと思うのが、王妃の存在です。
「子ども 対 悪者」
という、大人が不在で子どもだけが重荷を背負う構図が好きではないので、仲間になってくれる(大人としての責任を果たしてくれる)存在として王妃がきちんといるのが良かったです。

色々穿ち過ぎな感想ですが、解釈の余地があるのが面白いと思いました。

たまこ