劇場公開日 2023年12月15日

「「ポリコレワールド」ならぬ「ポリコレ達成の願い」みたいな状況…。」ウィッシュ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「ポリコレワールド」ならぬ「ポリコレ達成の願い」みたいな状況…。

2023年12月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年420本目(合計1,070本目/今月(2023年12月度)21本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))

 ※ 直後に「ダンジョン飯」を視聴して帰りましたが、憲法論的な解釈ができるアニメ以外は基本的に採点しないスタイルなので、カウントはしますが省略しています。また、この映画は10分ほどの小編と本編とでわけられており、このサイトでも「別映画扱い」ですが、同一の映画として扱うものとします(10分ほどの映画についてはカウントせず)。

 まず、ポリコレ論うんぬんを論じないなら、この12月3週の本命枠かなと思います。お子さんが見に行っても大丈夫なように展開の配慮はかなりあり、迷うような展開はありません。過去には(CMやら撮影するなだの注意事項を入れると)3時間近くで困った「リトル・マーメイド」等もありましたが、本作品は放映時間にも配慮があった点は良かったです。ストーリーはほぼ一つである点は良かったです。この点、5歳6歳からの「映画デビュー」にもおすすめできる良い映画ではあります。

 気になった点は2つ。まず1つは相変わらずの「日本語吹き替え版(事実上)強要問題」で、この点は資本回収の観点からも理解しますが、本来的には好きに選べるべきものです(私が見に行ったときは、「他の映画と接続して見せない」というようにヘンテコな時間にばかりおかれていた)。

 もう一つ、こちらがやはり問題になるのですが、「ポリコレワールド」等といわれた某映画に匹敵はしないものの、いたるところでポリコレ論が出てきます。もちろん大企業であるディズニーが映画放映においてポリコレ論を平等な立場から描くのは大企業に課せられた使命であろうといった点は理解するものの、車いすだったか杖だったか、身体障がいをお持ちの方が出てきたり(出るだけでストーリーには大半関係しない)、一つの島だけでほぼ動くのに人種が「不自然なまでに」多様「すぎる」など、突っ込みを入れるとキリがない部分はあります。

 ただ、「ポリコレワールド」等とここでもさんざん言われた「ストレンジ・ワールド」と比べれば一定の配慮はあり、極端にポリコレ論に偏らないように、一方で大企業としてポリコレ論をある程度扱うといった「折衷的な部分」も多々見られます。この点に関してはいろいろな考え方もあれば視聴者側の考え方、また団体(圧力団体なども含む)の動向などあるため、ディズニーとて如何ともしがたい点があろう点は推知でき、「ある程度のことはやったのかな」という点は感じます。またもちろんこういった点は「ストレンジ・ワールド」に比べると少ないので(あえて気が付けば指摘できる程度にまで緩和されている)、「なんであの主人公の子は肌の色がグッズと映画で違うの?」といった「子供ならではの質問」は少ないのではないかと思います(「リトル・マーメイド」はグッズ版は主人公の子が白色に描かれていたため何が正しいか当事者視点でわからず混乱しうる状態だった)。

 なお、当方は(仕方なく)吹き替え版でみましたが、吹き替え版でみても特に違和感のある表現は少なく、ストーリー展開が主人公の「夢をかなえることの大切さ」にほぼ集約されている点で理解の混乱も少なく、どちらでみても構わないのだと思います(字幕版で、小学生等が見るときに漢字が読めないといった、「使用語彙の配慮」があるかどうかは不明)。

 採点に関しては以下のようにしています。

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 (減点0.3/ポリコレ論問題)

 ・ 「ストレンジ・ワールド」に比べるとだいぶ良くなったかなと思いますが、突如身体障がいをお持ちの方が出てきたり(ストーリーには一切関係しない)、やや混乱する部分もあります。ただこの点大会社であるディズニーが果たすべき「ポリコレ論」もあろう点は素人も理解できることから減点幅もこの程度にしています(かつこれらを優先したあまり趣旨不明という状況になっていない)。
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yukispica