リトル・マーメイドのレビュー・感想・評価
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人魚は涙を流せない。だから余計につらかった
元の原作である人魚姫は未読でロブ・マーシャル監督作品を観るのも初めて。
ディズニープリンセスの作品は『白雪姫』、『シンデレラ』、『眠れる森の美女』、『リトル・マーメイド』、『美女と野獣』、『アラジン』、『アナと雪の女王』、『モアナと伝説の海』を観賞済。
ただ、『アナと雪の女王』以前の作品を観たのは20年くらい前なのであらすじ以上のディティールはほぼ忘れてる状態。
『リトル・マーメイド』以前に公開されたディズニープリンセス作品の実写版は、どうしても他の新作映画と比べて大まかなあらすじを知っている分観賞の優先順位が低く観る機会を逃してた。そんな中でリトル・マーメイドでハリー・ベイリーさんがキャスティングされ、個人的には特に気にならなかったものの”自称リトル・マーメイドファン”を語る人達がキャスティング発表の時点でバッシングをしているのを知った。
今までそういう”原作と違う!”みたいな批判を(公開前から)受ける作品を実際に観てみると実際に受けた印象と乖離していた経験や、そういう作品が如何に良い作品でも観ていない人達のヘイトスピーチを受けると劇場へと向かう足が遠のく(そして後々レンタルや配信で観て後悔する)経験も多く、本編を全て観ない状態で評価を下すことの危うさを知っているので実際に(公開されてなるべく早めに)観た上で感想しようと思い、公開初週に字幕版を観に行った。
観終わって個人的に思ったのは”差別と復讐”って重いテーマが根底にありつつ、エンターテイメントムービーとして子供たちが観ても楽しい一作に仕上げてあったことだった。
”海の世界”と”陸の世界”をアニメーション版ではなかった分断された人々(かつ主役の2人以外は基本的に歩み寄ろうとしない)として描いていることで、今の世界を暗喩しているように見える描き方だった。
それはトリトン王の娘である姉妹がそれぞれの海の世界出身なのを表すキャスティングや、序盤の”妙なジンクス”があるからとの理由で人魚を船上から銛で突こうとする船員、今回追加された沈没船の残骸で珊瑚礁が傷ついたシーンや、アースラは海の世界でも虐げられた存在として描いている部分(マイノリティの中でも差別や迫害がある)、アリエルが覗き込むシーンが多い(陰に隠れているマイノリティを暗に示している)こと、アリエルやアースラの正体が露わになるシーンで恐怖する(表情に見えた)披露宴の客など、”エンターテイメント”にはなってるけど”ただのおとぎ話”じゃなく、道徳の授業で使って良いんじゃないかと思うくらい観終わった後に現実の問題を考えるきっかけになる良い作品だと思った。
また、相手に対して歩み寄る気持ちが無いのも分断の理由として描かれてるようにも感じた。
劇中、食事の際に出されたフォークを間違えてクシの様な使い方をしたアリエルに対して、地上の人間は不可解なものを見るような訝しんだ目つきで見ていたけど、最近SNSでよく見る躓いたような小さな失敗に対してまるで鬼の首でも取ったかのように拡散する風潮や、失敗した人間に対するセカンドチャンスを許さない風潮、そしてまさにこの作品に対してもあった観る前からヘイトスピーチを吹聴する風潮を、かなり希釈して描いてるように感じた。
エリザベス女王のフィンガーボールのエピソードでもあったけれど、本当の識者は客人に不愉快な思いをさせないためにマナーを相手に合わせるのが、お互いの距離を埋める一番の方法なんじゃないかな。
その後に(元々外の世界を知ろうと船に乗って旅してきた)エリック王子が声が出せないアリエルの為に図鑑や地図を読んだり話して聞かせるシーンが入ったのが、問題に対しての解決方法を表していて観客としてもアリエルがエリック王子に惹かれる十分な理由づけになってたと思う。
そして最後に2人が結ばれ、帆船じゃなくヨットで漕ぎ出すところは2人がどちらかの世界に片寄るんじゃなく、どちらの世界も見据えた上で新たな世界に漕ぎ出していくように見えて素晴らしかった。
冒頭シーンでの「人魚は涙を流せない。だから余計につらかった」って原作の一文は、冒頭見た時点では”海の中では涙はすぐに水中に溶け込んでしまう=それぞれの世界の常識とその常識を覆せない悲しみ”だと思ったけれど、最後まで観てみると涙を流せないアリエルが初めて涙を流すのが”悲しみ”じゃなく、トリトン王がアリエルと分かり合い二人の旅立ちを祝福したことによる”喜び”の涙だったのが、それぞれの世界の常識もお互いの融和や理解しあうことで覆せるってメッセージに感じられた。
ディズニーがアンデルセンの『人魚姫』から『リトル・マーメイド』をアニメーション映画として制作する際に再解釈され、そこから『アナと雪の女王』や『モアナと伝説の海』、『アナと雪の女王2』で変わっていくプリンセスを描いていった今のディズニーたからこそ描ける『リトル・マーメイド』になっていたと思う。
人種やマイノリティへの差別と差別に対する復讐は、去年公開された『ブラックパンサー ワカンダフォーエバー』にも繋がるテーマ性で、ここ数年公開されている中でも『アクアマン』、『ブラックパンサー ワカンダフォーエバー』、『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』など海の世界を描いた作品がよく公開されるのは、CG技術の発展はもちろんのこと(制作自体が数年前なのに示し合わせたように同じようなタイミングで公開されるのは)”分断”が今現在世界の問題として描かなければいけないと各々の監督が思ったからだと思うし、後々になっても重要なポイントとして語られるタイミングなんじゃないかと感じた。
役者陣はアリエル役のハリー・ベイリーさんの歌声は言わずもがな、純粋さやおてんばな感じも素晴らしかったと思う。
個人的にはトリトン王役のハビエル・バルデムさんが(おそらくノーカントリー以来観たこともあってか)アニメーションでのトリトン王よりも前半の恐さが出ているように感じた。
逆にアースラ役のメリッサ・マッカーシーさんは今まで観てきた作品(ゴーストバスターズ、デンジャラス・バディ)のイメージやアースラの描き方も変わってたのもあって、恐ろしさよりも元々持っていたであろう愛らしさやトリトン王からの迫害に対する怒り、復讐心をより感じた。
エリック王子役のジョナ・ハウアー=キングさんもアニメーション版より出番が増えたことで素晴らしい歌声やただのヒロイン的な立ち位置では無いアリエルとの対等な関係性が上手く出てたと思う。
セバスチャンやスカットル、フランダー役のダビード・ディグスさん、オークワフィナさん、ジェイコブ・トレンブレイくんも素晴らしかったんだけど、オークワフィナさんとジェイコブ・トレンブレイくんは出演映画を観たことがあるからかキャラクターの後ろに姿が見えそうになるくらい印象的な演技でとても良かった。
アニメーション版のリトル・マーメイドを観返さずに観に行ったので、自分の記憶の中の印象よりもミュージカルシーンの進化と、実写×CGだからこそのファンタジー感の強化がより感じられた。
序盤の『Part of Your World』は予告編ではラストのフレーズのみ使われていたけど、ハリー・ベイリーさんの楽しくも力強い、地上の世界への憧れも感じさせ観客の心を序盤でガシッと鷲掴みする素晴らしい歌だったし、『Under the Sea』は普段(水族館などによく行く人でなければ)見ない海の中の生き物たちのカラフルさ、二足歩行する生き物がいないのに巧みに擬人化されていたり、クライマックスで規則的に集まったさまがまるで素晴らしい模様になっているのは、CGで描けるようになった今だからこそのシーンになっていてかなり好きだった。
個人的には和傘のような動きをするクラゲ?がいたのが嬉しかったけど、ロブ・マーシャル監督作品『SAYURI』の影響があったのかな、と思った。
全ての楽曲がレベル高いのは言わずもがななんだけど、個人的にはこの作品で追加されたジョナ・ハウアー=キングさんの『Wild Uncharted Waters』やダビード・ディグスさんとオークワフィナさんの『The Scuttlebutt』も、その楽曲目当てでもう一度観たいくらいとても好き。
youtubeで上がってる楽曲のサンプルを聴いているとサウンドトラックも欲しくなってくるくらいで、アラン・メンケンさんとリン=マニュエル・ミランダさんが手掛けた他の作品の楽曲も観て聴きたくなった。
2回目は吹替やIMAXなどの音響が良い場所で観たいな…。
もちろん、全てが最高!!って訳じゃなく(先にライアン・クーグラー監督やジョーダン・ピール監督を通ったってのもあって)白人監督が撮るのは説得力弱くなっちゃうんじゃないかって懸念点はあった。
でもロブ・マーシャル監督の過去作を観たことがないので観たらまた印象は変わるかも。
観賞後に、アニメーション版を改めて観直してみた。
もちろんアニメーション版を下敷きに脚本を作っているからってのはあるけれど、アニメーション版は(あらすじしか覚えてなかったのもあって)話の筋が荒々しく、メッセージとしても前時代的過ぎるように感じられた。
セバスチャンの指揮の説明や、アリエルがエリック王子を救った後の岩場での歌のシーンなどアニメーションだからこそ飲み込みやすいところもあったけれど、アリエル以外の七姉妹が文字通り空気のような存在になっていたり契約書を署名しているのに筆談をしないシーンなどの作劇上の意味をなしていないシーンや、海の世界の人魚や陸の世界もが全て白人なのは"白人以外はいないもの"として描いてるようにも見えて不自然に感じたし、巨大化したアースラに沈没船を追突させるのがエリック王子のシーンやアースラが前時代的なヒロインのようになればいいとアドバイスするシーンは男女平等を掲げている今現在魅力的に映るかと言うと疑問にも感じる、セバスチャンを八つ裂きにしようとするシェフのシーンやアリエルとエリック王子が旅立っていくシーンが帆船に乗り込んで(カットはされてるかも知れないけれど)家族や海の世界の者たちに目もくれないシーンは、もし今そのままで映画化されていたらそれこそ総スカンにあっていてもおかしくないシーンになっていただろうし劇場を爽やかな気持ちで出れなかったと思う。
もちろん、リアルタイムやそれ以後にアニメーションで観て素晴らしいと思った人達のその思った気持ちや、その時アニメーション版を作ったクリエイターが悪いとは1ミリも思わない(セル画とは思えないほどの枚数を描いて躍動感を表してるように感じたし)けど、日本の昔話も元の話と今の話に差異があるように物語が時代に合わせてアップデートしていくことは必要だし、それに対して頑なに拒否感示すのは、それこそ劇中のトリトン王のような分からず屋な気がする。
勿体ないなァ
というのが第一印象です。
なにが勿体ないか?
端的に言うと、「主人公の表情の乏しさ」と「陸でのドレスの似合わなさ」です。
順を追って説明します。
まず、ストーリーや展開はアニメそのままです。
人間界に憧れるアリエルがエリック王子と嵐の夜に出逢い、恋に落ちて、ますます陸に上がることを夢見るようになります。そこを魔女アースラにつけこまれる。
そこはいい。
歌は文句なしに素晴らしかったし、アニメ通りの展開にしてくれたのも嬉しかった。
実写にして増えたことと言えばエリック王子の歌とスカットルのラップぐらいで、それは楽しく聞けたので全く問題ありません。とくにラップは面白かった。
ですが、アリエルといえばディズニープリンセスのなかでも1,2を争うほどに感情表情が豊かな少女なのに、ハリーベイリーは全然表情が変わりません。これはあまりに勿体ない。
喜怒哀楽を素直に表現するところにアリエルの魅力の一つがあるのに、ハリーは大体のシーンでぼうっとした顔をしてます。起きてる? 目開けたまま寝てんのか?と思ったくらい。
そもそも女優では無い人間を起用した難しさもあるんでしょうが、表情の指導ぐらいやってほしかった。今作のアリエルは歌以外の魅力がほとんどないのも、この「表情の乏しさ」にあると言っていいでしょう。
モブのほうが表情豊かってなんやねん。
次に、ドレスの似合わなさ。これは原作のアニメ通りに青やピンクの衣装を着せたのでしょうが、そもそも肌の色が違うのだから似合うわけがない。パステルカラーは黒人に合わないんですよ。もっとパキっとした色味じゃないと。
中途半端に原作を模倣するせいでちぐはぐになってるところはちょこちょこありましたが、とりわけドレスの似合わなさが酷かった。
衣装担当はなんとも思わなかったんか?
監督は本気でコレでOKだしたんか?
ひょっとしてアリエルとか原作への愛がゼロなのでは?
...と思うぐらいには似合ってないです。
まあこれは主観なので、見る人によっては似合うようにも見えるんでしょう。
あと、これはハリーベイリーへの文句なのですが、せめて髪はもっと赤く染めて欲しかったしドレッドにしないで欲しかった。ここも原作と違うせいで強い違和感を覚えるところです。
制作陣は黒人が演じることによって黒人少女へのエンパワメントになると謳ってますが、それなら赤毛の子供たちへの配慮も忘れないで欲しかった。アメリカでは昔から赤毛はからかいの対象です。そのなかで、赤い髪を波打たせながら歌い踊る可憐なアリエルは彼女たちの憧れだし、自尊心の象徴だった。
その役どころにおさまったのだから、自身のヘアスタイルに固執せず、ちゃんと変えて欲しかったです。半端に日に焼けたような茶髪ドレッドはアリエルじゃない。まったくアリエルじゃない!
繰り返しになりますが、歌は本当に素晴らしいですよ。
おじさん三人衆(セバスチャン、グリムズリー、トリトン王)
の演技もよかった。エリック王子もめっちゃイケメンで目の保養です。
アリエルの見た目と演技力のなさだけが本当に勿体ない。
なので、星3つです。
これが人種差別的意見に見えるならもう知らん。
ディズニーは死んだ。
以上です。
中身は普通です。ただ王子の設定が気になる
良くも悪くも色々と言われている今作を観賞してきました。
やはり世間が心配していた通り、見た目(肌の色うんぬんの前にドレッドヘアが気になる)はひっかかりますが歌や音楽は流石だと感じました。
アリエルよりもフランダー、セバスチャンのナマモノ感が凄くてそっちの方が気になります。「実写なんだからそりゃリアルにするでしょ!」って考えだとは思うのですが、その2匹くらいはアニメのビジュアルに少しは寄せても良かった気がします。
話は普通…というかアノ名作そのままなので良く言えば王道、厳しめに言えば特に新しさはないです。まぁディズニーの名作実写はだいたいそうなので仕方ないのですが。
話の全体的な流れも元の作品とほぼ同じなのですが、元作品(80分くらい)よりも一時間近く長い(135分)ので正直、引き伸ばされている感がありました。その割にはセバスチャンが厨房から逃げるシーンなどは描かれていなかったりします。
個人的には特別良くもないですが、悪くもないといった感じです。
一緒に観に行ったツレは割と楽しめたそうなので、当たり前ですが良いか悪いかはその人によります。
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※以下、このくらいはセーフだと思いますが、人によってはネタバレと感じてしまうかもなのでご理解の上お読みください。
上映前から問題視されている
いわゆるポリコレ的要素ですが
アリエルの肌云々よりも気になったのが
タイトルに書いた『王子の設定』です。
地上でのシーンを見た時、「なんか国民の多くが黒人だな…?」と思ったら、どうやら何故か舞台は南国あたり(?)に変更されているようです。その地を治める女王も黒人でした。元のアニメでそのような世界観だった記憶はないのですが。
しかしここで更に気になったのは、
母である女王は黒人なのに
エリックは黒人ではないという事です。
なぜかというと…
「エリックは海外からきた孤児で、王女に拾われた養子」みたいな設定らしいです。
正直、この設定にする意味がよくわかりません。
「黒人が多く出る」のような理由以外でこの設定にした意味があるのだろうか、と少し考えてみましたが…やはりよくわかりませんでした。
「外から来たエリックだから、おなじく外の世界から来たアリエルに好意を抱いた」みたいな事でしょうか?だとすれば少し無理があるように思えます。
もしかしたらなにか深い意味があるのかもしれません。
しかしもともと子供たちのために作られたアニメ作品の実写なのにも関わらず、一部の大人くらいしか読み解けないような深いメッセージがあるのだとしたら正直、自分はそれを邪魔に思ってしまいます。
何かしらのメッセージがあるのならもう少しストレートな表現で伝えるべきだと感じました。
もちろん作品の邪魔にならないよう配慮して。
アースラとのラストバトルについても思うことはありますが、これは明確なネタバレになりそうなのでご自身でお確かめください。
〈女の子の夢〉から〈人類の理想〉へ
予想以上に素晴らしい作品でした。
まとめるとタイトルの通りです。
アニメ版(1989年)から、映像も脚本も、何倍もスケールアップしています。
たとえ人にバカにされても理想を語りたい、という人がディズニーにはまだいるのだなと思いました。
最初に「人魚」について。
「人魚」という存在は、作品中にも登場するように歌声で男性の船乗りを誘惑するものということになっていて、その背後には女性は男性に害をなすという女性嫌悪(ミソジニー)思想があるわけです。まず、これをアンデルセンが人間を助け、一時なりとも対等に恋愛をする存在にアップデートしました。
アンデルセンにはそれでも最後に女性だけが犠牲になって終わるという限界があったのですが、これをアニメ版が生きたまま王子様と結ばれるという話にアップデートしました。
そしてこの実写版は、アニメ版の弱点(もちろんそれ自体は1989年の作品なのですから仕方ない部分もあります)をほとんど全面的に補い、何度かのルネッサンスを経て「プリンセスと魔法のキス」以降のディズニー長編アニメが明確に提示している「女性は男性によってのみ幸せになるのではない」「男性にとって都合のいい女性像を、〈女の子の夢〉=女性の理想像のように幻想させる作品はもうつくらない」「女性も男性と同じように一人の人間である」「ならば女性の理想は人類の理想である」という方針を、まさに体現した作品となっていました。
これは指摘するまでもないですが、「人魚」と「人間」(海と陸)は対立する種族、国家、あるいは人種などなどのメタファーとなっています。
この両者の和解と和平の象徴がアリエルとエリックであるというところに収れんするように物語が組み立てられています。
そもそもの初めからそうしたテーマの作品としてつくられていることに注意すべきでしょう。ここはすでにアニメ版とも微妙に違っています。
ただ一方で、人間も人魚も、人種的な壁はほぼ取り除かれている世界で、いずれにもあらゆる人種、肌の色が混ざり合って暮らしています。人魚にもアジア系(黄色人種からインド系含む)、ヒスパニック系もいて、王子様の城下町は南米のイメージですね。(この点、あるレビューが「白人だらけのキャスト、原作に忠実に再現されたキャラクターばかりの中に黒人は異質でしかなかった。」と書いていますが、これは完全に間違いです。むしろ白人のほうが少数派だったくらいです。たぶん一番多いのはヒスパニック系でしたし、エリックの養母である女王は黒人女性でしたよね。このレビュワーは本当に映画を見たのでしょうか)
まず、トリトン王は家父長主義的な、娘を自分の思い通りにし、監視する存在という点がアニメ版よりも強調され(と当時に、そうした古い父親像に違和感を抱いているのはアニメ版通りです)、しかしそうした強権的な姿勢を反省して娘の「味方」となります。家父長主義の相対化という点は、アニメ版よりもかなり自覚的になされていると思いました。
アリエルとエリックの出会い。ここもアニメ版と微妙に変わっています。アニメ版だとアリエルはエリックのルックスを見た時点ですでに恋したように描かれますが(アンデルセンのまま)、今作では自分を犠牲にしてでも犬(マックス)を助ける姿を見て好きになるという展開に微修正されています(さりげなく描かれていますがおそらくそういう意味だと思います)。つまり、人間と異類とを差別しない王子の内面をアリエルは見ているのです。
ですから、アニメ版ではトリトン王に宝物を壊された後に王子の像の頭部をいつくしむのに対し、今作では王子そのものの像ではないうえに、手の部分に寄り添っています。それは犬を助ける手なのです。
一方、エリック王子も、アニメ版ではアースラが化けた女性(これは「人魚」の魔力である「声」に幻惑されているので前に触れた古来の人魚のままです)をコロッと好きになりますが、今作ではアリエルのことを前日のデートでかなり愛するようになっており、であるからこそアースラの「声」に幻惑されている自分自身に戸惑っています。
(なお、デートの場面での「アリエル」という名前の伝え方はアニメ版よりずっといいと思います)
アニメでは、アリエルが声を取り戻し、その魔力とないまぜの形で「君だったんだ」と今度もまたコロッとアースラからアリエルに傾くという展開に見えてしまっていました(そのつもりはないのかもしれないがそのような形になってしまっている)が、実写版ではその前からアリエルを愛し始めていたからこそ「声」が戻って愛が確かなものになるという展開です。ここもきちんと考えられた展開となっていました。
二人とも、アニメ版よりずっと人を好きになることについて誠実なキャラクターになっているわけです。
そういう点も含めて、人間の感情を「一目ぼれ」的な簡単なものとせず、きちんと納得できる展開に乗せ、なおかつ異なる存在との共生というテーマを背後において、今のアメリカ、ひいては世界は直面している問題への理想を語ります。
ここでアースラも何らかの形で共生の枠の中に入ったなら本当に文句はなかったのですが、それは高望みしすぎというものでしょうか。
他にもアップデートされている点はたくさんあると思いますが、また改めて鑑賞して確認したいと思います。
キャストの人種的配置に一部の方はヒートアップしているようですが、この作品が、というかディズニーがいま語ろうとしているテーマからして、こうした俳優の人種的配置もその趣旨に完全に沿ったものです。それより何より、女性を一人の自立した存在とするからこそ、〈女の子の夢〉ではなく〈人類の理想〉をアリエルに託そうとしているその姿勢をこそ見てほしいと思います。
とりあえず見れる映画
現在の多様性をかなり意識した映画だった。
ちょっと露骨すぎる感じはしたけど、ディズニーという夢とファンタジーなので、目を瞑れる範囲かなと…
近い未来は、気にならないくらいの世界になってればいいなと個人的には思う。
アリエルの歌は素晴らしかった。年齢に似つかわしく無いとか言われてるけど、アリエルの年齢を意識してなかった私は、彼女が歌った瞬間輝きが増して驚いた!もっと歌を聞きたいけど、物語的に話せないし、話すと演技がってところもあるので、しょうがない。
ただ、一つだけ言いたいのは、アニメーションの記憶がないからか、終盤に「アースラー!?笑笑笑」ってなったのは私だけかだけ知りたい…
終盤微妙
正直言えばやや微妙。
面白くないとまでは言わないが、とくに心に残るようなものがない。
アリエルが黒人だからだとかはあまり関係ないと思うけど、全体的に世界観に納得いかない点が多い気もした。
こないだ金ローで美女と野獣の実写やってたけど、やっぱりこの実写は素晴らしいなー、と改めて思った。ストーリーは分かってるのに、感動ポイントがたくさんある。
でも今回のリトル・マーメイドは、あんまりぐっとくるところがないというか…。
配役の多様性(ポリコレ)のために世界観が不自然になってる、ってのはたしかに感じた。
アリエルたち姉妹を7つの海をそれぞれ統括する存在にする、というのは面白い変更だと思った。これなら、7姉妹が多様な人種で構成されていることになんとなく納得する。
でも、人間の世界の多様性はよく分からない。明らかに中世ヨーロッパみたいな世界なのに、人種が多様でいつの時代のどこなのかよく分からない(まあ、これは美女と野獣でもチラっと思ったけど)。
あと、「動物がしゃべって人間と同じ知能をもつ」ことのリアリティをどう処理するか、という問題。アニメだとそんな不自然じゃないけど、実写でそのままだとダメなんじゃないかと思ってたので、どう処理したのか気になっていた。
結果は、まあ、アニメの世界観のまんまだった。つまり、普通に動物がしゃべる世界だった。
海の中の生物がみんなしゃべって、人間と同等の知能がある世界で、なんで犬だけしゃべれないのか、って思ってしまうし、スカットルがオヤツのお魚をパクパク食べながらフランダーと話してるのはギャグ漫画みたいだと思った。
アリエルが人間の世界ではお魚は単なる食糧なのねー、みたいなこと言うシーンがあったけど、人間なみの知能がある存在を食べてるのって怖い世界だ。
アニメのリトルマーメイドって、アリエルと動物たちのかけあいの楽しさが大事な要素なのでそうせざるを得なかったというのも分かるのだけど、例えば、トリトン王の魔法的な力が働いた一部の動物だけそうなってる、みたいにしても良かったのではないか。
人魚のデザインも細かいところだけど気になった。男は上半身人間の裸なのに、なんで女はまるで水着みたいなデザインのウロコをつけてるのか。アニメだと女の人魚は貝みたいなブラつけてなかったっけ?
それでも中盤まではそれなりに面白く見れていたのだけど、クライマックスと終盤は、ちょっと納得いかなかった。アニメの方のストーリー忘れてしまったのだけど、こんな話だったっけ? 魔女が簡単にやられてしまうし、結局どうなったかよく分からないし、トリトン王が復活するくだりもよくわからなくてカタルシスがなかった。
一番「これはちょっと…」と思ったのが、最後、トリトン王を含めたくさんの人魚たちが海岸に集まって人間たちと仲良くするところ。海面に出たトリトン王は海中にいたころのオーラがぜんぜんなくて、普通のおじいちゃんが海から顔出してるようにしか見えない。
アニメのストーリーもそうだったのかも知れないけど、少なくとも実写ではこのシーンはない方が良かったと僕は感じた。
人魚たちは人間にとって神秘的な怖れ(畏れ)の対象のままの方が良かったと思うし、トリトン王は神のような威厳をたたえた存在として描かれた方が良かったと思う。
歌声は素晴らしいが演技がイマイチ
公開前から自分のアリエルのイメージと大分違っていたので見に行くことは無いだろう…と思っていましたが、たまたま時間が空いたので時間潰しに見に行ってきました。
悪い点
・アリエルらしくない。ハリーベイリーが演技経験無いようなので仕方ないですが表情や仕草に愛らしさがありません。髪をすくシーンや突然どこかに行ってしまうところは不思議ちゃんというよりガチでヤバい奴っぽかった。またエリックを助けた後岩場で歌うシーンは目がギラつきすぎて怖かった。アリエルのおてんばでちょっとバカ、でも愛嬌があって応援したくなるみたいなイメージはほぼ無いです。
・アリエルのお姉さんが必要無い。マジでいらないです、要らないくせにちょいちょい出てくる。ポリコレ配慮で人種増やしたのか知らないけど、見た目が全く似てないせいで姉妹の絆や繋がりを感じさせません。ろくなエピソードも無いし可愛がられてる感じも無いので、最後アリエルを見送りに来ますが全然感動しない。まだ全員黒人に統一した方が良かった。
良い点
・映像が綺麗。海の中の映像が素晴らしかったです。多種多様な海の生物が登場していて歌唱シーンは華やかだった。映像を見るためだけでも行く価値あります。
・ハリーベイリーの歌声が素晴らしい。歌で採用されただけはあって見終わったあとも頭から離れません。特にパートオブユアワールドは何度でも聞きたいレベル。
酷評されてる程酷い作品ではありませんが、やはり余計なポリコレ要素がチラつきますね、それいるか?みたいな。アリエルの演技はイマイチですが歌と映像は良いので見に行って損は無いと思います。
アリエル可愛らしいね。
四條畷イオンで、字幕ってことで行きました。
意外と家族連れ多かったよ。お母様が英語版見たいんやね。僕は、アリエル、ハリーべエリーよかったす!
王子さんは、イマイチちゃうかな?
魔女タコは、マツコデラックスやね。
お魚もイマイチ。カニと鳥はよかったよ!
大画面の映像、アリエルが直視できなかった
家のテレビでCMを見たときも「え、これがアリエルなの?」と衝撃を受けましたが、見てもいないのに批判するのはどうかと思い見てきました。
やはり合わないなと開始5分で感じました。ドレットヘアの人魚が陸に上がったあとなぜかターバンを巻き、余計にアリエルに見えないです。
また、王子を助けたあと、岩影から陸を見つめながら「必ず 会いに行く あなたに~♪」を歌う場面では、岩にしがみつき、滑るように岩を登る必死な表情のアリエルが、ストーカーのように見えてしまいとても気持ちが悪いと感じてしまいました。アニメでは、とても素敵な場面なのに...
そして、王子様がアリエルに助けられる場面でさらにしらけてしまいました。あなた何しに来たの?と(笑)アニメでは、アリエルのために命を張った王子様だからこそ結婚を認めてもらえたはずなのに、なぜアリエルが船を操りアースラを倒すのか😭その後大変な思いをして助けたエリックを荒波のなかに置き去りにし、海の底へ王様を助けに行く場面では、王様もよくわからないままフワーッともとに戻ってしまい、なんなんだ?と思ってしまいました。
私にとってアリエルは子供の頃から親しんできた、可愛く無邪気で天真爛漫、表情豊かな素敵な女の子です。それに比べると歌に重きを置きすぎて表情や表現が乏しいようにも感じました。アニメ信者といわれればそれまでですが、大好きな曲使ってるからいいでしょ?という監督の意識の低さや、原作やアリエルへのリスペクト感じないキャラデザインに悲しさも感じます。
ディズニー・アニメ伝統の作品の実写化も、伝統表現を抜け出ず・・ プラス飛躍が欲しい IMAX画角ありの作品 (IMAXの場合)
映画リトルマーメイドのアニメ版は未見です。「シェイプ・オブ・ウオーター」、「スプラッシュ」などラブコメディ多々観てきましたが、ディズニーの実写版ということで鑑賞しました。アニメ版わかりませんので、今作のみのレビューです。
人魚の泳ぐ姿実写としては、今の時代の過去作と比べ遥かに綺麗に撮れていますし、IMAXでは部分部分で画角サイズが変わるようですが、通常シネスコサイズで鑑賞しました。映画「アバター」ほどではないものの海中シーンは綺麗に彩られていました。
俳優のハリー・ベイリーの歌唱も曲が少ないが、なかなか良かった。俳優も予算もディズニーだけにあって作られたはず。
思ったのが、ディズニー作品のキラキラ感が感じられませんでした。画からも、ドラマからも。
何故なのか?
考えたのが、ディズニーのアニメの実写人魚姫の作り。
ミュージカル風であって・ドラマがメインなのか、どちらからもとり入れたが
マーメイド・ドラマの実写版が中途半端のような。
以前の作りからきているのでしょうが、どちらかに決めて作ったほうが良いように思いました。
鑑賞対象年齢を広くとっていることが中途半端要素になってしまうのでは
それに、ディズニーの元の作風を守る為の要素なのか?
そんな要素からなんともな満足感に作用しているのではないかと思います。
ディズニーの原点アニメが故に、難しい面があるかもですが。ドラマ進行も、マッタリ感で終始、音楽、アレンジも悪くないが、ディズニーの伝統的サウンドなどが?
ディズニーならではの、自練磨の時期にいたったているのでは?
子供中心に原点を守るかたちで作るか?
もっとも、今の時代背景を取り入れたが為、一部で波風がおこって
しまいましたが、いろいろな描き方の選択があって良いと思います。それにより、新たな楽しさが生まれてくればと考えます。
それらを加味して、ティーンエイジャーから大人向けのドラマ、楽曲、アレンジで作るのも有りかと思います。
ここ最近は、3D特撮もかなりの多様多産、主役のキャラクターが違うだけの見慣れたパターンの使い回し多く見慣れたため、驚きやドキドキ感がしなくなりました。。
今後のディズニー映画ドラマに、より掘下げた内容、楽曲の進化、多種多様な時代背景に期待したいです。
✱6月18日追記
作品のマッタリ感?
私的の結論
人魚時の王子救出と、人間になった後も【なり抜き任せ】な行動しか見えなく、悪い魔女が王子の前に現れ画策した後やっと積極的になるで、感情移入出来る部分が少い。「アラジン」、「アナと雪の女王」はほぼ全編行動あるのみ。
と、数日たった考えです。
★Dolby-atmos 字幕 鑑賞
★シネスコ・サイズ
★重低音 2
★音圧 2
★移動音 2
★分離度 3
★サイド(左右、後、上、活躍度)2
★サラウンド 2
IMAX作品ですが、通常シネスコスクリーン、Dolby-atmos鑑賞にしました。
サラウンド側は上も含むは、ほぼ残響成分がメインで、少し部分で音楽、効果音も残響成分で、ドラマとの動きある使用は無し。
音のDolby-atmosよりは、IMAXの画の画角での投入感でシアター選んだほうが良いかもです。
アリエルの美しい歌声に涙。
人間に興味、感心がある人魚の話。
父親からあれはやるな!これはやるな!と縛られる世界一の美声を持つ人魚姫アリエル、同じ境遇にいた城の優しい王子エリック、船から落ち救助してくれた女性を探すから始まるストーリー。
劇場へ向かう前にレビューは呼んでないけど全体評価見たら低っ!心配になっちゃったんだけど楽しめた!
何回泣いただろう?アリエルが歌った回数だけ泣いて、ラストのアリエルのオヤジが「エリック」と名前を呼んで認めたシーン、ラストのハッピーエンディングとそんだけ泣いた!(笑)
付き人ならぬ付き蟹、魚、仲間の鳥と協力する姿も可愛かったし観てて癒されました。
ディズニーのミュージカル映画って何でこんなに歌のシーンで泣けるんだろう、勿論歌の上手さってのは解ってるんだけど歌い出した瞬間に涙が出る。
吹替にて鑑賞したんだけど字幕オリジナルの歌声も気になった!
子供は勿論、大人が観ても楽しめる作品!良かった!!
アリエルの表情が乏しい
人種問題はさておき、アリエル役の演技力が乏しく感じた。アニメ版の表情豊かなteenager感が全く無く、演技に固さがある。特にpart of your worldは期待していた分演技の固さにガッカリした。映像や歌声は非常に美しく、その分アリエルの個性がアニメと全く異なりもはやアリエルではない点が際立ち非常に残念。
もっとオリジナリティがあっても良かったかも
実写化する上である程度のリアリティのある設定にしなければなりませんが、割と原作のまま沿っているシーンが多いのでアレンジをするならもっと実写のオリジナリティを出しても良かった気がします。
海の中が舞台ですが、その海に中の描写が良くないです。
アクアマンやらワカンダフォーエバーなど、アバターは別格ですが、水の中の描写が良い作品が過去にあるのに対し、いかにも合成感やCG描写な箇所が目に付きます。
地上パートではそれらは気にならなりストーリーに集中できます。オリジナルの食事のシーンはありませんがそれを市場のシーンにすることで生活感が集約され人間の生活に好奇心旺盛のアリエルの魅力が良く表現出来ています。
オークワフィナのスカットルは良かったです。
チグハグな作品。ハリーベイリーを起用することのバランス調整に失敗。
アリエル役にハリーベイリーを起用したことが話題になっていますが、自分の中では「強い主張があって攻めているのか」「単純にセンスが無いのか」、どちらなのかと言うと前者だと思って映画を観に行きました。
ですが、思っていた以上に後者なんじゃないか、というのが鑑賞後の感想です。
まず、ハリーベイリーはあまり演技ができないと感じました。
アリエルは中盤で声を失うので、表情とボディーランゲージで王子にアプローチします。原作を知っている人は、アリエルがコロコロと表情の変わる子だと知っていると思います。
ところがハリーベイリーはずっと穏やかに微笑んでいる印象でした。これはアリエルのキャラ設定とも矛盾します。ストーリー上、アリエルは突飛な行動(突然いなくなったり、自信満々にフォークで髪をといたり)をすることがありますが、普段の演技が落ち着きすぎていて違和感があるのです。
意外だったのは、アリエルの歌(王子が覚えている「アアアーアアアー」のやつ)がハリーベイリーに全然似合っていないことでした。あの曲の穏やかなメロディはハリーベイリーの穏やかさとは別物(もっとマチュアな母性に近い?)で、メロディ後半に音を刻みながら音程を上がっていく高揚感は少女らしさも感じさせます。その矛盾と不安定さがアリエルだと思うのですが、ハリーベイリーは落ち着いた「いい子」でした。改めて、原作ではストーリーとアリエル像にマッチした曲として作られていると感じました。
そして一番衝撃だったのは終盤です。
アリエルの声で王子を誘惑するヴァネッサ(アースラの変身)をジェシカ・アレクサンダーが演じていますが、シンプルに可愛すぎる笑
ここで白人の(敢えて言いますが)全男性が虜になるようなモデルさんを持ってくるのはどうなのでしょう。視聴者に、ハリーベイリーのアリエルか、ジェシカ・アレクサンダーの偽アリエルか、どっちと結婚したいですか?と問いかけたわけです。しかもジェシカ・アレクサンダーは悪役の演技も素晴らしく、醜く崩れる表情にさえ変化のないハリーベイリーよりも心惹かれた人は多かったのではないでしょうか。完全に主役を食ってしまっています。
こういったバランス調整のチグハグさが、全編に散見されます。セバスチャンの見た目もリアル系でよかったのか(例えばアリエル視点だけアニメチックに、人間視点はリアルな蟹に、とかもできたと思います)、映像の明度や色調は適切だったのか、素晴らしい部分と気になる部分が混在していて、全体的に統一感の無さがありました。
監督のセンスが無いのか、統率しきれなかったのか、商業的な妥協を感じさせる作品でした。
映像ばかきれい
他の作品と比べて映像技術がものすごく高く海のようすや魚などの生き物そして人魚のヒレ、どれをとってもめちゃくちゃきれいでリアリティがすごかったです。そして人魚は泳ぐときの滑らかさや体の動き髪のなびき方などのリアリティも高かったです。内容もとても面白くディズニーの実写化されたものの中で群をぬいて面白いと思いました。しかし最後のシーンでアースラ―を船で突き刺したのがエリックじゃなくてアリエルになったのは何の意図があったのかよくわからなかったので変えなくてもいいのではと思いました。けど変わってもそこまで、意味不明だろふざけんな!といった感じはなくきれいにまとまっていたので良かったと思います。そして僕はMX4Dでみたのですが、人魚がどのように動いてるかなど魚たちの動きなどを体でも感じられてとても楽しかったし4Dは海と相性いいなと思いました。
原作アニメ公開から30年、グラフィックの技術の進歩は感じるが。
まず、黒人を主人公として採用したことについて、私は賛成も反対もしていないことを宣言させていただきます。
あらすじはリトルマーメイドのアニメ作品との変わりはそこまでありません。そのため、感動できない作品ではないと思います。最新のCGで場面を装飾しているため、アニメの方の映画よりも感動できたという人もいると思います。私も例にもれず良い作品/テンプレートだなと思いました。
しかしながら、30年の時間を経ておきながら全く話に深みのようなものが生まれていないと感じました(アニメ版との差分の話ですよ)。せっかく黒人の主人公を採用し世論をかき乱したのだから、何らかしらのメッセージがあるのではないかとも思いましたがそれもなく、
「ただ白人でもできるような役を黒人に何も考えず当てはめてしまった」
という印象を受けました。
アリエルのデザインの基は、アニメ映画ですからキャラクターの肌の色も含めてのデザインであることは言うまでもありません。ですから、黒人を主人公に当てはめることを決めたからには、アリエルの服装(人魚の服?)のデザインにも手を入れて、その俳優に似合うようにデザインしなおしてもよいはずです。散々、様々なデザインの人魚を外に配置しながら、主人公のデザインには一切手を加えない。ただ黒人を配置したという点のみで満足してしまっている。これはあまりにももったいないばかりか、黒人を採用したことを一層目立たせる結果となっており、これが昨今の批判の増大につながっているのではとも感じます。
私が演出なら、アリエルの人魚の衣装は白を基調としたものに変えて、より一層外圧からの解放の印象を強くするような演出を取り入れます。そのくらいのことはできたはずです。30年もたっているのですから。
総じて、演出の工夫が全くなされていない、ただCG/VFXの向上で押し切った映画になってしまったのは残念です。これがリメイク作品でなければ印象に残る映画だったとは思いますが... ディズニーさんはその手の壁を突破する力は持っていると思っていたのですが、見当違いだったのでしょうか。
渋くて粋な映画だった
さすがディズニーでした。
そもそも
元々のストーリーが「美女と野獣」や「シンデレラ」のような夢物語ではなかった。
町娘と王子様が結婚する話ではなく、王子様とお姫様が結婚するというめっちゃ政治的な話だ。
人魚と人はお互いがお互いを恐れて忌み嫌っている。
しかし、人魚の姫と人間の王子が恋に落ち、結ばれた事によって、人魚と人はお互いの誤解が解けて、共存する道が開ける。
って話だ。
確かにこの物語を現代で表現するとしたら、王子と姫が両方白人だったら「ディズニー何やってんだ」って話だ。
マイケル・ジャクソンがこの映画を観たら感激するだろうな。
個人的には映画の最後のカットが、光り輝く海の波だった所が渋くて好きです。
ちぐはぐな印象を受ける
アニメ版は視聴済の状態で見に行きました。散々言われているアリエルが黒人ということについてはもうそういうものと受け入れて見に行ったけど、やはり所々に「配慮」を感じる。そのわりに雑。
まずアリエルの姉たちは様々な人種を起用し設定にも拘っているのに、全然出てこない。アニメ版でもそこまで出番が多いわけではないけど、わざわざアニメ版とキャラデザも名前も変えて7つの海の守護者という設定にした意味が感じられなかった。正直いてもいなくても全くストーリーに影響はない。せっかくいろんな人魚がいるのにとりあえず映画に出しとけばいいみたいな扱いだった。
次にエリック王子。アニメ版よりかなり設定が追加されているが、母親である女王が黒人だったのでまずそこに違和感があった。エリック王子は養子であり実は王家の生まれではなく、黒人である女王とは血が繋がっていないとの設定だったが、正直かなり不自然だと思った。オリジナルキャラクターとして黒人の女王を出したい。エリック王子はアニメ準拠の白人男性にしたい。複数の思想が画面の中でぶつかり合っている気がして完全に入り込むことが出来なかった。
あとはそこまで大きな改変があるわけでもなく、可もなく不可もなくというところだったが、多様性を重視するのであればもう少し上手くストーリー内に取り入れて欲しいと思った。
ひと足お先に?いえいえ、ひとヒレお先に!ジャパンプレミアにて鑑賞!
リトルマーメイドフェスティバル&ジャパンプレミアでひと足お先に…いやいや!ひとヒレお先に映画館で海の世界を堪能してきました🪼🫧
実は5月1日にあった声優お披露目イベントもご招待していただいていて、吹き替え版が楽しみで仕方なかった!!!
私がラップを詳しく知るきっかけになったのが、木村昴さんが声を務めているヒプノシスマイクというラップバトルのコンテンツでした。
そんな木村昴さんが、セバスチャンでラップを披露するだなんて…!
そんなの観たいに決まってる!!!
吹き替え声優お披露目イベントで配られた声優紹介の紙にも木村昴さんが声優&ラッパーで活躍していることがしっかりと記載されていて、ラップも出来る多彩さでの採用を感じました。(マリオもラップでのキャスティングだったし、キムスバすげぇな…!)
私は、フランダー、スカットル、セバスチャンのアリエル三銃士が元々好きだったのですが、日本語吹き替えの3人もキャラにピッタリで本当に可愛い!
イベントでもフェスティバルでも、可愛いなぁと思っていましたが、本編でもアリエル三銃士が超可愛い!
ちょっとリアルすぎる容姿が気になっちゃうかなぁ〜とか悩んでいたのですが、杞憂だったー!!
蟹はセバスチャンしか出ないので、他の蟹と見分けがつかない事はなかったし、大きく映る鳥もスカットルだけだったんじゃないかな?
強いて言えばフランダーを見失う。
鮮やかな色の熱帯魚ではなかったから深い海の色と同化しちゃう。
でもフランダー役の野地くんのお声が可愛くて可愛くて「フランダーァァ🥹」ってなります。
スカットルとセバスチャンの書き下ろしラップ曲「スカットルスクープ」もとっても良かった!
映画観ながら身体が動いちゃいそうな音楽ばかりでずっと耳から離れません。
…私アニメ版スカットルが歌って「苦しんでる楽にしてやりゃ良いのに」ってエリックに言われるシーン好きなんですけど、実写版のスカットルは歌ウマなのね!!
まぁ、歌下手スカットル観たかったらアニメ版観ます!
実写版は歌上手スカットルの歌とラップも楽しめちゃう🎤
全体的に良かったけど、ひとつ気になったのは、ラストのアースラのSF感かな😭
魔法にかけられて、ディセンダント2、等々…の感じ(伝われ)
暗い色味だったからウーマよりCG感薄かった!…けどやっぱり巨大化って難しいのね。
お友達も同じようなことを思ってたみたい。
あとマックスの役者…ならぬ役犬さん?がエンドロールでキャストとして載っててほっこり♡
マックスCGじゃないのね♡お利口さんなワンコだこと♡
ここから少しセンシティブなお話を。
実写化すると毎度賛否両論ある中での今作も色々な意見が飛び交っていましたね。
「リトルマーメイドを題材にしているのに、こんなの違う!」
「原作レイプだ!」なんて声もネットで見かけます。
まず、人形姫の原作はアンデルセン物語でディズニーじゃありません。
そして、今回の映画の冒頭で、アンデルセン童話の一節があります。
「実写版リトルマーメイド」は、ディズニーのハッピーなファンタジーミュージカルではあるけれど、
アンデルセン童話やセイレーンの神話などの要素を入れつつ、アニメ版とはまた違う見せ方で「リトルマーメイド」「人形姫」を見せてくれているんだな、と感じました。
お姉さん達が七つの海で生活しているっていうのもとても良い。
お姉さんが人種バラバラ過ぎて大丈夫なの?!って心配していた過去の自分に言ってやりたい。「素人は黙っとれ」と。
舞台になる国もラテン系で、みんなが心配している「違和感」なんてものは微塵もない。
ラテンな音楽と粋なジャズバンドで最高だった。
アリエルの声に出来ない心の高鳴りを歌った曲が特に印象的。
心が高鳴って、歌に乗せて想いを歌っているようだけど実際は喋れていない、ミュージカル映画特有のあの演出。好き。
そして、現実で胸の高鳴りを言葉を発しようとして、声が出ないシーン。
昔、失声症を経験したことがあるため、苦しいほど気持ちがわかる。
ハリーベイリーちゃんの切ない表情と詰まる声に心臓がギュッとなりました。
キスザガールの衣装も最初は正直「うーん…なんか違う」と思っていたのに、今はあのドレスが1番好きかも🥹
アニメ版リトルマーメイドと違い衣装チェンジがほぼなくて寂しいですが、キスザガールのドレスを着るシーン、注目して見てほしい。
海の世界と違う装いをヒョイヒョイと着せられて、着せ替え人形状態のアリエルが可愛い🥹
衣装で陸では陸なりのキツさがあるって表現されてる感じが良かった。
本当に可愛過ぎて私もコルセットとドロワーズつけてドレス着て編み上げブーツ履きたい。
そしてそして、これは個人的な好みの話だけど、ハリーベイリーちゃんの顔がとってもタイプで見惚れてしまった。(遠心顔の女性大好き)
本当はまだまだ語りたい要素がたくさんあるけれど、長くなりすぎるのでこの辺で。
本当に、みんなが心配してたことを吹っ飛ばす力のある映画です。
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