「新しいリトルマーメイド」リトル・マーメイド かーたんたんさんの映画レビュー(感想・評価)
新しいリトルマーメイド
原作アニメ版のリトルマーメイドのアリエル像を完全に再現してほしいと思っていた方には不評だと思います。
私は全く新しい作品だと思って楽しめました。ストーリー展開はアニメ版より違和感がなかったです。
アリエルが人間というより、エリックを愛したのが伝わってきます。エリックのキャラクターをより描くことによって、なぜアリエルがエリックに惹かれたのかということが理解できます。アニメ版ではそこらへんが弱かったんですよね。実写のほうが理解しやすいです。
だからアリエルは声を失ってまで、彼が住む世界に行きたかったんですよね。
もちろん人間社会への憧れもあったけれども。
アンダーザシーのシーンでセバスチャンのリズムにノリノリのアリエルがどうかと思う的な声もあるようですが、私はアレはアレでありだと思います。人魚の世界を全否定してないアリエルが表現されているから、と思いました。揺れ動いてるんですよね。海の世界の良いところも分かっているから。
あれがあるからこそ最後の人間と人魚の共存シーンが生まれるのです。お互いの存在、文化を尊重し合うという。主人公のアリエルが海の世界を全否定してたらあのシーンは生まれない訳で。
一つ、ここは削らないほうが良かったんじゃないかなと思ったシーンは、序盤のトリトンの音楽会です。お姉さんたちが歌うやつ。あのシーンで人魚の世界をもっと描いておけば良かったと思います。
ラストシーンに唐突に現れる多人種人魚たちをここで登場させておけば、より納得感が増したのでは?華やかな人魚文化も序盤から表現できるし、今作に導入されたトリトンが7つの海を支配した設定も生きるし。
それがあれば満点だったかな。
字幕で見ましたが、吹き替え版も見に行きたいです。