「有り得ない!いや、アリエル」リトル・マーメイド サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
有り得ない!いや、アリエル
さぁ、色々と話題になっている本作🧜♀️
私も、決して差別する訳ではなく、起用した人に物申したい側で。「なんで本作で?」と。そりゃもう、ハリー・ベイリーはよく頑張ってましたけど、やっぱり違和感。もっと彼女が活躍できるディズニー映画はあったはず。アラジン🧞♂️が白人では成立しないように、本作も黒人では成立しない。結局、見る前と後でその思いは変わらずでした。
あともう一つ。
冒頭の名言(?)にもあるように、海では涙が見えない。ですから、アリエル役には感情を顔で表現する、繊細な演技力が必要となるわけですが、歌手が本業であるため仕方の無いことなんだけど、ハリー・ベイリーにはどうもその力はありませんでした。表情は「嬉しい」「悲しい」の2択であり、レパートリーに乏しい。その2つに関しても、とても機械的で人間味を感じない。吹き替え版で鑑賞したため、実際に聴いてはいないが、歌は素晴らしいと思う。だけど、それだけで起用するにはかなりハードルの高い役では無いだろうか。でも、よく頑張ったよ!
そして、肝心な内容について。
これは申し分無かった。流石、ディズニー。めちゃくちゃ面白い。アニメ版はうる覚えだったけど、見進めていくうちに思い出していく。実写化が上手くいったことに感動が湧き上がり、テンションは開始10分で頂点に。4DXで鑑賞したため、作品への没入度は完璧。「アバター WoW」ぶりに4DX鑑賞したが、やはり水とこの上映形態の相性は抜群。世界観の構築や映像の美しさは、アラジンには大きく劣ってしまいますが(神作と比較されるのも可哀想な話だけど)、それでも大金をかけているだけあってよく出来てます。
リトル・マーメイドといったら、この曲。
おそらく、多くの人たちが「under the sea」を楽しみにこの映画を見に来ているかと思うが、これがもう素晴らしい。セバスチャンの声優を担当した木村昴が、やっぱりいい声してるし、これ以上なくハマり役。実写ならではの華やかさを生かした映像と共に、ディズニーらしく、リトル・マーメイドらしく、最高の5分間に仕上げている。正直、この名曲がここまで楽しいのなら、もう元はとったようなもの。しかもそこに4DXによる演出付きですから、気分は完全にディズニーシー。現在は満員御礼の「マリオブラザーズ」と「ワイルドスピード」、来週には「ザ・フラッシュ」「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」ですから、木曜日には終わってしまう可能性大ですが、ぜひとも本作は4DXで見て頂きたい。
主役であるアリエルは少し残念ではありましたが、悪役・アースラを演じたメリッサ・マッカーシーがディズニープリンセスの実写化史上、最高なヴィランでした。言葉に出ないほどの神演技。彼女のおかげで作品が彩り、見応えが増し、このような高評価に繋がったと思います。言い方は酷いですが、アリエルが髪までも黒であったため、はっきりいって地味でしたが、このアースラのおかげで絵が保っていました。個人的には、ディズニーはプリンセスよりもヴィランの方が圧倒的に好き。魅力的だし、キャラクター性が面白い。
日本語吹き替え版のアリエル・豊原江理佳がどのような方なのか全く存じ上げませんが、歌唱シーンはすごく良かったと思います。ですが、会話のシーンは微妙。こちらもまたキャスティングされた時点で批判されていたようですが、プロの声優たちに囲まれている状況だと、さすがに無理があります。これも、歌唱力だけで配役された感じなのかな〜。
とまぁ、長々書いてしまいましたが、思った何十倍も面白かったですし、「アラジン」「クルエラ」に次ぐディズニー実写映画としては、あの2作品が強すぎるが故に見応えは薄いですが、天下のディズニーなので作品の質は言うことなしに良かったです。ただ、王者の復活作には今一歩足りないかなと。今後ともこのような世間の意見を反映しているようで逆行していくスタイルを取っていくのではあれば、イルミネーションに覇権を取られることでしょう。ですが、まだまだ見込みはあります。またキングになることを期待してますぞ👑
とにかく、本作は世間の評価に惑わされず、出来れば4DXでご覧になることをおすすめします。面白いよ!